様々な事情で登校していない子どもたちが通う大阪府泉佐野市のフリースクール「キリンのとびら」で9日、卒業式があった。人とは違う中学生活を送った3年生9人はスクールでの日々を振り返り、新たな一歩を踏み出した。 運営するのは、市内で子どもの居場所づくりに取り組むNPO法人「キリンこども応援団」(水取隆博代表理事)。2回目となる卒業式で、それぞれが「卒業のことば」を述べた。 中野ゆめさんはもとの中学校では周囲との差を感じ、自分ができないことにばかり目を向けてしまい、2年生の時から通えなくなった。親への申し訳なさから自分を責め、将来への不安を抱えていた。 ■「自信持っていい」… この記事は有料記事です。残り393文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ブラインドサッカー日本選手権 mejirodaiが品川を破り優勝
伊藤進之介2024年3月9日 21時00分 ブラインドサッカーの日本選手権決勝が9日、東京都町田市の町田市立総合体育館であり、free bird mejirodaiが、前大会優勝のパペレシアル品川に3―1で勝利し、2大会ぶりの優勝を果たした。 mejirodaiは前半、大会得点王になった鳥居健人のゴールで先制。後半開始直後に同点とされたが、品川の得点源の川村怜を徹底してマーク。園部優月が勝ち越し点を、続いて北郷宗大が3点目を決めて勝利した。 ブラインドサッカーの日本選手権は今大会で21回目。過去最多の全国24チームが参加し、決勝の2チームにはパリパラリンピック出場を決めた男子日本代表選手が多く所属している。 会場では、弱視の人が「視覚支援機器」を使って試合を「見る」、都主催の観戦会も開かれた。眼鏡などで矯正しても視力が弱かったり、見える範囲が狭かったりする人たちが、機器を使って、ブラインドサッカーの国内最高峰のプレーを楽しんだ。 機器はQDレーザ社が開発した、「RETISSA ON HAND(レティッサ オン ハンド)」。レーザーを使った世界初の視覚支援機器で、カメラで捉えた映像をリアルタイムで微弱なレーザーに変換し、網膜に直接映像として投影するという。装置を使って初めてブラインドサッカーを観戦した生駒夢さん(27)は「はっきり見えて、世界が変わった。スポーツ観戦では会場の雰囲気を楽しんでいたが、ゲームの動きを追えて、臨場感もある」と話した。(伊藤進之介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「赤か青かでなく、私は紫」 外国ルーツの子がたどり着いた答え
「日本人? ブラジル人? 私は『なにじん』だと思いますか」 昨年12月。横浜市鶴見区の市立潮田中学校の体育館に、地元で生まれ育った日系ブラジル人3世、安富祖(あふそ)樹里さん(29)の声が響いた。 同校は生徒の2割が外国にルーツを持つ。そうした子たちのアイデンティティーについて考えてもらおうと、安富祖さんを講演に招いた。 外国ルーツの子は、自分では日本人だと思っても、周りからは外国人にみられて差別的に扱われたり、日本を自分の居場所と感じられなかったりすることがある。一方、親の母語(子どもの時から自然に使っていた言葉)が分からないと、ルーツの文化を理解できず、誇りを持てないことも少なくない。 自分は何者なのか――。安富… この記事は有料記事です。残り1086文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 多民社会 日本はすでに多くの外国ルーツの人たちが暮らす「多民社会」になっています。社会の変化と課題を見つめます。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
漫画の神様に猛アタック、大和和紀さんと山岸凉子さんが語る札幌時代
家も近い「初めての漫画友達」だった――。「あさきゆめみし」の大和(やまと)和紀(わき)さんと「日出処(ひいづるところ)の天子」の山岸凉子さんの2人展が、青春時代を過ごした札幌市の東1丁目劇場で始まった。40年以上にわたって読まれ続ける代表作をもつ少女漫画の巨匠2人による初めての企画展。初日の9日はトークイベントも行われ、ファンの女性たちが詰めかけて、大盛況だった。 イベントで「札幌同期」の2人は互いの作品の感想を述べ合った。高校時代は大和さんの父親が当時経営していた喫茶店の「ポールスター」や「西林」でお互いの原稿を見せあったり、マンガについて話し合ったりして仲を深めたという。 雪まつりを訪れた手塚治虫さんに2人で猛アタックし、自分たちの原稿を見てもらうことに成功した。 記者会見で大和さんは「絶対… この記事は有料記事です。残り788文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大和和紀さんと山岸凉子さんが記者会見、一問一答
「あさきゆめみし」の大和和紀さんと「日出処の天子」の山岸凉子さんの記者会見での一問一答は以下の通り。 ――お互いの作品で、好きなキャラクターがありましたら、教えてください。 大和「バランスのとれた蘇我毛人(そがのえみし)。普通人としての物事の見方、振り回されていく姿とか、一般人としての視点がいいなと思う。あとは刀自古郎女(とじこのいらつめ)は気が強くて、かっこいいな、という見方です」 山岸「光源氏は女性から見ると、これは……というところがやっぱりね。それを大和さんは頑張って、読者のために正当化して頑張って描いてくる手腕がすごいな、と。力技だなと思っております(笑)。一番好きなのは紫の上とか。正直泣きましたね。だって死んでいくのに、光源氏のことを心配する人がその瞳を見ながら死んでいくんですよね。いや、すごいなと思っていました」 ――二つの作品の連載中に多かった反響や印象に残っている感想がありましたら教えてください。 大和「連載以降の読者さんは『これは源氏物語なんだ』ということを意識して読んでくださってますけど、最初の人たちは「前置きがない」っていうのが多くて『源氏を許せません』というのも多く。あとは死ぬことになってる人物を『殺さないでください』といった希望も多かった」 山岸「私はひどいことに、当時いろいろ来るファンレターを一切読まずという姿勢でしたので、当時、どういう風になっていたのかよくわかりません。なぜ読まないかというと、読者が何げなく書いた手紙を妙に意識しちゃって、素直に読み進められないんです。当時、一生懸命書いてくれた読者には申し訳ないと思っています」 … この記事は有料記事です。残り3010文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特産買って支援を、東京駅近くに石川県アンテナショップ 首相も祝う
石川県の新しいアンテナショップ「八重洲いしかわテラス」が9日、東京駅八重洲口近くのビル(中央区八重洲2丁目)に開業した。馳浩知事、岸田文雄首相や森喜朗元首相、能登半島地震で被害を受けた同県輪島市出身の漫画家永井豪さんらが式典に参列。特産品購入や観光を通した復興支援を訴えた。 「1万人を超える人が古里を離れ、避難所暮らしをしている。東京や全国のみなさんが、石川の物産を消費して被災地を応援していただきたい」。馳知事はこうあいさつし、「来週(16日)には北陸新幹線の小松、加賀温泉が開業するので、旅行でも応援いただきたい」と述べた。 岸田首相「復興の拠点として期待」 岸田首相は祝辞で「新幹線の延伸開業はビジネスや観光など地域の活力につながる大きな出来事。首都圏と石川、北陸の復興の拠点となるような場所になればと期待している」と述べた。森氏も「(新幹線が)福井まで初めて行くことは大変意味がある。北陸にとって新しい時代だ」などと述べた。 店には輪島市の朝市通りの火災に遭った永井豪記念館のグレートマジンガーのフィギュアも展示。永井さんは「輪島市出身の漫画家として、石川県が復興するぞというのをアピールできたら」と語った。 最前列に並んで入店した横浜市の会社員男性(35)は「石川は観光も減ったと聞いている。ここでたくさん買って応援したい」と話した。 店の売り場面積は、昨年10月に閉じた銀座の店より少し広い350平方メートル。八重洲いしかわテラスのホームページ(https://ishikawa-antenna.jp/)。(朝倉義統) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
台湾、東南アジアの「新住民語」を公教育に 外国ルーツの子を支える
台湾で、外国出身の「新住民」の子どもたちに、親の母語を公立小学校で教える取り組みが始まっています。子どもたちのアイデンティティーの確立を支える狙いで、同じように外国ルーツの子が増えている日本にとっても参考になりそうです。現地で取材しました。 台湾北部、新北市の市立秀朗小学校。 「ハー、アー、ガー」。校舎の一角で、ミャンマーの民族衣装を着た教員が1~6年生の児童8人にミャンマー語を教えていた。「新住民語」の授業だ。 「家で聞いている言葉だから… この記事は有料記事です。残り1275文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 多民社会 日本はすでに多くの外国ルーツの人たちが暮らす「多民社会」になっています。社会の変化と課題を見つめます。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
言葉が分かって見えた、母の本当の姿 台湾「新住民」の子どもの思い
外国にルーツを持つ子どもたちのアイデンティティーを支えるため、親の母語を「新住民語」として小学校で教える――。台湾当局が2017年にそう決めたとき、学生代表として検討委員会に加わっていたベトナムルーツの女性がいます。自身が子どもの頃に差別的な扱いを受けた経験から、「私のような思いをする子はもういらない」と委員に立候補したといいます。 劉千萍さん(26)の母はベトナム出身だ。ブローカーの仲介で台湾にきて、建設作業員だった台湾生まれの父と結婚した。 劉さんは6歳で母と離され、祖父母の家で育てられた。「ベトナム人の子どもは勉強ができないから、きちんと勉強させる」というのが理由だった。父の妹が母親代わりとなった。 母は近くに住んでいたが、中… この記事は有料記事です。残り1419文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 多民社会 日本はすでに多くの外国ルーツの人たちが暮らす「多民社会」になっています。社会の変化と課題を見つめます。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奥能登で水道の復旧に時間がかかった四つの理由 「全国の教訓に」
能登半島地震の被災地では、上下水道の損傷が大きく広がったことが復旧の遅れにつながっている。これまでに3回被災地を回り、被災状況を見てきた金沢大学の宮島昌克名誉教授(ライフライン地震工学)は、復旧の難しさを四つ指摘したうえで、「国が本腰を入れなければ、次の災害でまた同じことが繰り返される」と話す。 「被害は近年最大」 宮島教授は水道復旧に時間がかかっている理由の一つ目として、「国内の直下型地震としては被害が近年最大で、多くの水道施設や管路が壊れたことが大きい」と指摘する。 二つ目は構造的な要因だ。大都市にみられる網の目状とは異なり、上流につながっている太い水道管から各家庭へ放射線状に細い水道管が広がっている。 この太い水道管を直さない限り通水できず、漏水調査して修繕し、また漏水箇所がないか確認し、という「尺取り虫に似たような方法なので時間を要する」という。 三つ目は地理的な要因だ。奥… この記事は有料記事です。残り1058文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市民3万人の住まい再建「とにかく早く」 13年を経た元市長の反省
現場へ! 能登へ 首長の教訓② JR石巻駅(宮城県石巻市)の東側に、旧北上川の雄大な流れが広がる。川幅が広く、河口が近いことを実感できる。 駅から川へ向かう途中の中心市街地を歩くと、空き地やシャッターを閉じた建物が目立つ。 目抜き通りの楽器店は閉店したまま。向かいの空き地は、ずいぶん長い間そのままだ。 東日本大震災で、石巻市の人的被害は被災自治体で最大だった。行政は「コンパクトでにぎわいのあるまちづくり」を掲げ、津波で被災した川沿いエリアの再開発などを進めた。だが、にぎわっているとは言いがたい。 石巻市長を3期務め、2021年に引退した亀山紘(81)は、日課の散歩の時にいつも考えることがある。 「中心街のにぎわいがないと、復興したと自信を持って言い切れないな」 13年前の発災直後、それを思う余裕はなかった。 沿岸部の家々は広範囲に津波… この記事は有料記事です。残り925文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません こどもと被災地 東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル