宮脇稜平2021年12月12日 11時00分 車内でこたつに入りながら食事や景色を楽しめる、三陸鉄道の「洋風こたつ列車」の運行が11日から始まった。宮古駅(岩手県宮古市)を出発して盛駅(同県大船渡市)まで走る。初日は昨年に引き続き日本航空(JAL)の客室乗務員(CA)が協力し、冬の名物を盛り上げた。 洋風こたつ列車は2018年から毎冬実施。座席に作られたこたつに入り、牛乳瓶に宮古産の海鮮物を詰め込んだ「瓶ドン」など地元の特産を食べられるほか、一部区間では、はかま姿のガイド「ハイカラさん」による沿線の見どころ案内も楽しめる。 初日の11日は、父親が北上市出身というJALの長田志保さん(28)が特別に案内を担った。同社は昨年、コロナ禍の需要減から活動の場を広げる取り組みで列車に添乗。地域活性化を目指し、今年も参加した。長田さんは「空と陸も同じ。一緒に岩手を盛り上げたい」と語った。 列車は1日1便。宮古駅発で、盛駅着。土日祝日を中心に来年2月27日まで計24便あり、乗車区間の運賃に加えて指定席料金(300円)が必要。予約や問い合わせは、三陸鉄道旅客営業部(0193・63・7727)へ。(宮脇稜平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いつもの通勤電車で結婚写真 挙式断念の新婚カップル
コロナ下で挙式や披露宴を断念した新婚カップルが、列車内や駅構内でフォトウェディングを撮影した。京王百貨店、京王電鉄などが企画したプランを利用した。 11月下旬、利用客が少ない平日の東京都府中市の府中競馬正門前駅。停車する列車のドア付近で、新郎の市川伸一さん(38)はドレス姿の新婦ゆかりさん(36)と手をつなぎ、向かい合って撮影に応じた。列車内でつり革を持ったり、駅構内のベンチに座って頭を合わせたりして、1時間の撮影を楽しんだ。 2人は出会って3年で8月に結婚したばかり。コロナ禍での挙式は諦めたが、一生に一度の思い出にと、ゆかりさんが通勤で利用する身近な電車で、結婚写真を残すことを選んだ。 市川伸一さんは「他にはないプランだったので、今日のことは色あせずに記憶に残ります」と喜んだ。 この企画は8月から始まり、これまで数組が実施した。価格は婚礼衣装や美容代金などを含め、20万円。男性からの問い合わせが多いという。(長島一浩) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「鬼滅」だけでない コロナで活況の出版業界で今も売れる「紙の本」
メディア空間考 三橋麻子 コロナ禍で進むデジタル化がこんなところでも、と思うことがあった。先日、行きつけの美容院に行ったところ、置かれていた雑誌が一掃され、座席ごとのタブレット端末に変わっていた。店が定額制の雑誌読み放題サービスに加入していて、利用者は施術中の暇つぶしに、好きな雑誌を選んで読める。衛生管理も安心だし、好みと違う雑誌を渡されてがっかりすることもない。便利だ。 不況といわれていた出版業界は、電子出版が急成長し活況を呈している。全国出版協会・出版科学研究所が発行する「出版指標年報」によると、紙とデジタルを合算した2020年の出版市場は1兆6168億円で前年比4.8%増。紙の減少を前年比約3割増のデジタルが補った。牽引(けんいん)しているのは電子出版の売り上げの9割近くを占める電子コミックだ。 コミックの史上J規模は 統計開始以来最大に コミックの販売金額は、19年にデジタルが紙を逆転。20年には、紙の2706億円に対し、電子コミックが3420億円と圧倒した。ただ、同年は紙の単行本のコミックも売り上げを伸ばしており、紙と電子を合計したコミックの市場規模は、統計開始以来最大の6千億円を超える市場規模となった。ピークだった1995年をも上回ったのだという。 背景としては、コロナ禍の巣ごもり需要に「鬼滅の刃」という爆発的なヒット作があったことがあるが、それだけではない。電子書籍ストアは定着。漫画アプリが伸びたり、紙とデジタルをセット販売したり、と、売り方も多様になっている。ネットフリックスなどの動画配信サービスとの相乗効果で、息長く売れる作品も増えてきた。 私も今では8割以上を電子書籍で購入する。いくつもの端末で読めるし、保管の心配もいらない。あの小説の書き出しは何だったか、と思ったら、過去に購入した本を検索すればいつでもどこでも見られる。仕事では特に便利だ。 では、紙の本はいらないのか。 前述の年報をみると、文庫本… この記事は会員記事です。残り361文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
76歳死刑囚が病死 埼玉・本庄市の高齢夫婦強盗殺人事件で死刑確定
2021年12月12日 14時05分 埼玉県本庄市で2007年、高齢夫婦を殺害して現金約1万円を奪ったとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した岩森稔死刑囚(76)が11日深夜、収容先の東京拘置所で心不全により病死した。法務省が12日発表した。 法務省によると、岩森死刑囚は今月に入り、歩行障害が進んだことなどを受けて治療に専念していたところ、血中酸素飽和度の低下や不整脈が確認された。11日夜になって脈拍も急激に下がり、午後11時58分に死亡が確認されたという。 確定判決によると、岩森死刑囚は生活費に困り07年2月21日、以前借金したことがある男性(当時69)宅で、男性と妻(同67)を鈍器で殴るなどして殺害し、現金を奪った。無期懲役とした08年3月のさいたま地裁判決を、東京高裁が破棄して死刑を言い渡し、最高裁も上告を棄却していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
青森・三戸町で鳥インフル感染確認、約7千羽を殺処分へ 今季9例目
吉備彩日、渡部耕平2021年12月12日 14時31分 青森県は12日、同県三戸町の養鶏場で死んだ鶏を検査した結果、鳥インフルエンザの感染を確認したと発表した。感染力や致死率が高い高病原性の疑いが強いという。農林水産省によると、鳥インフルエンザの発生は国内で今季9例目。県はその養鶏場で飼う約7千羽の殺処分を進める。 11日に県の簡易検査で感染が判明し、詳しく調べる遺伝子検査をしていた。 県によると、10日に64羽、11日に130羽が死んだ。それを受け、13羽を検査し、10羽が陽性だった。その後の遺伝子検査で、高病原性の疑いがある「H5亜型」と判明した。 県は12日午前10時から、養鶏場の約7千羽の殺処分の準備を始めた。24時間以内に処分を終える予定。 また、この養鶏場から半径3キロ圏内に対しては鶏や卵などを農場内にとどめる移動制限、10キロ圏内に対しては区域外に出さないようにする搬出制限をかけた。移動制限区域には1農場、搬出制限区域には25農場が含まれている。搬出制限区域には三戸町と接する岩手県の農場2カ所も入った。 12日午後には中村裕之・農水副大臣が県庁を訪問し、三村申吾知事と面会。「農水省と県との連携が重要であり、人的・物的支援は惜しまない」などと話した。(吉備彩日、渡部耕平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都で新たに13人感染 前週の日曜日より7人減 死者は発表なし
東京都は12日、新型コロナウイルスの感染者を新たに13人確認したと発表した。前週の日曜日(5日)より7人減った。12日までの1週間平均の感染者数は17・4人で、前週の106・7%だった。新たな死者の発表はなかった。 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都の基準による重症者数は、前日と同じ3人だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高専いじめ自殺、当時の校長らを処分 公表は1カ月半後
川本裕司2021年12月12日 20時22分 2016年5月に大島商船高専(山口県周防大島町)1年の男子学生(当時15)がいじめを受けて自殺した問題で、同高専が12日に記者会見し、当時の校長ら複数の関係者が「適切な対応を怠った」として、今年10月28日付で処分を受けていたことを明らかにした。 いずれも訓告や厳重注意などで懲戒処分にあたらず、公表基準に該当しないとして、処分の内容や対象人数を発表していなかった。 また、高専側は加害学生9人が9月24日に卒業したと述べていたが、古荘雅生校長は12日、「何人が卒業したかはいえない」と修正した。(川本裕司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オミクロン株感染の濃厚接触者、福岡でも初確認 関空到着便に同乗
福岡県は12日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者の濃厚接触者が、県内で初めて確認されたと発表した。同日から県内の宿泊療養施設に入所し、県は19日まで健康観察や定期的なPCR検査を続ける。 県によると、この濃厚接触者は、5日に海外から関西空港(大阪府)に到着し、10日に陽性が判明した40代男性と同じ飛行機に乗っていた。入国時の検査では陰性で、3日間の施設での待機後、8日から県内の自宅で過ごしていた。自宅から外出はしておらず、現在も症状はないという。 また県は12日から、福岡市内の宿泊療養施設1カ所を入国者向けの待機施設として政府に貸し出すことも明らかにした。関東や関西の施設は不足する見通しで、7日に後藤茂之厚生労働相から服部誠太郎知事に依頼があった。県は別の1施設の貸し出しも検討している。 県はこれまでに宿泊療養施設を11カ所(2234室)確保したが、感染状況の落ち着きから、施設での療養者数は19人(11日時点)にとどまっている。(神野勇人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮城県の養豚場で豚熱、1万1900頭を殺処分へ 東北で2例目
近藤咲子2021年12月12日 21時01分 宮城県は12日、大河原町の養豚場で、豚熱(CSF)が発生したと発表した。県は家畜伝染病予防法に基づき、この養豚場で飼育されている豚と、直近10日以内に出荷された豚計1万1900頭を殺処分することを決め、同日夜から作業を始めた。 2018年、国内では26年ぶりにCSFが確認されて以来、東北地方での感染確認は山形県に続いて2例目。 宮城県によると11日午前、養豚場から大河原家畜保健衛生所に「豚に異状がある」と通報があった。生後約3カ月の子豚7頭に発育不良や血液循環不良による皮膚の青黒い変色(チアノーゼ)などの症状があり、うち1頭は死亡していた。3頭を検体として仙台家畜保健衛生所がPCR検査を実施したところ、12日未明に陽性と判明。検体を東京都小平市にある国の専門研究機関に送り、農林水産省が同日夕、感染を確認した。 県内で飼育されている豚約17万頭はワクチン接種を受けており、今回の感染による移動・搬出制限は設けないという。今回感染が判明した3頭も、11月に接種を終えていた。 県によると、生後まもない子豚は、接種の時期によっては効き目が持続せず、ウイルスに対する免疫が低くなる可能性があるという。遠藤信哉副知事は「発生を重く受け止め、速やかに処理を進めたい」と話した。 12日の県の対策本部で村井嘉浩知事は「市場に出回る豚は全て安全ですので、安心していただきたい」と述べた。CSFは豚やイノシシに特有の病気で人には感染しない。また、感染した豚の肉を食べても人には感染しないという。 東北農政局は同日、消費者や生産者向けの相談窓口を設けた。平日午前9時から午後6時まで。電話022・221・6093。(近藤咲子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「男なのに女々しい」歩んだ半世紀 19歳で「保母」になった男性
男が、この仕事をしてもいいのだろうか。 ちらっとかすめた葛藤は、あっという間に吹き飛んだ。子どもたちといられるのがうれしくて、毎日わくわくした。 リヤカーを改造した「お散歩カー」に1歳児を数人乗せて、池や空き地を散歩した。一緒に虫をつかまえ、赤や黄に色づいた葉っぱを拾った。食事の世話、抱っこ、おむつ替えは、何の違和感もなく自然とできた。 保育士がまだ「保母」と呼ばれ、男性が資格を取れなかった1973年の秋。当時19歳だった入舩益夫(いりふねますお)さん(67)は、東京都内の保育園の先生になった。 「保母に準ずる」 新聞の求人に載っていた「保母募集」の案内を見つけて勧めてくれたのは、母だった。男性でも面接が受けられるか電話で尋ねると、「いいですよ」と言われたのだという。 新潟県内の高校を卒業して都内の大手電機メーカーに就職したが、なじめずに半年で退職。両親と暮らしながら、早く自立したいと焦る半面、やりたいことが見つからずに悩んでいた時だった。 思い返せば、子どもの頃は、正月やお盆に年下のいとこが7人ほど集まり、朝から晩まで一緒に遊び、世話をした。いとこが帰る時は、いつもさみしくて離れがたかった。母はそんな自分をよく理解してくれていたのだと思う。 面接では、女性の主任ら数人と向き合う形で座った。緊張して何を話したかはもう覚えていない。他にも面接を受けに来ていた女性はいたと後で聞いたが、採用されたのは入舩さんだけ。約20人いた職員のうち、男性は1人だった。 いまだに男性比率が3%台という保育の現場で半世紀近くを過ごしてきた入舩さんは、「子どもたちには深く感謝している」といいます。背景には「大人の嫌な世界」に心を痛めてきた幼少期の記憶がありました。 更衣室やトイレは女性用しか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル