畑山敦子2021年8月3日 14時30分 中高生を中心とした若者向けラジオ番組「SCHOOL OF LOCK!(スクール オブ ロック!)」(TOKYO FM)が、「ヤングケアラー」について、音楽アプリのLINE MUSICと共同でアンケートを実施した。ヤングケアラーとは、大人の代わりに家族の世話や家事をする子どもたちのこと。18歳未満の回答者のうち、家族の介護や世話をした経験がある人が約18%(131人=数字は速報値。以下同じ)いた。 国の実態調査と調査方法などは異なるが、一定数の子がかかわっているとみられる結果となった。 3日午後10時からの同番組で「夏休み特別授業 ヤングケアラーの君と」をテーマに、アンケートのくわしい結果や、「自分はヤングケアラーかもしれない」と悩んでいる人の声などを紹介する予定。課題をリスナーと考えていきたいという。 今回のアンケートは7月27~31日に回答を募り、1281人がアプリから回答した。年代は18歳未満が723人、18~21歳は275人、22歳以上は283人だった。 家族の世話をした経験がある人は、回答者全体では約23%(301人)。また、ヤングケアラーという言葉を「知っている」と答えた人は、18歳未満では約42%、18歳以上を含む回答者全体だと約46%だった。 国が昨年12月から2月にかけて初めて全国の中高生に行った実態調査では、「世話している家族がいる」と答えたのは中学2年で5.7%、全日制高校2年で4.1%だった。 番組のアンケートの質問項目などについては、厚生労働省も助言した。厚労省の担当者は「国の調査は日常的に世話などを担い、子ども自身の権利が守られていないと思われる状況をヤングケアラーと定義している。今回アンケートに答えた人のケアの内容には濃淡があるかもしれないが、一定の割合で家族の世話や家事にかかわっている状況がうかがえる」とみる。 「SCHOOL OF LOCK!」は、月曜から金曜にTOKYO FMを含む全国38局で生放送されている。(畑山敦子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
土石流は何度も襲ってきた 住民が語る「未明の兆候」
ちょうどひと月前に静岡県熱海市を襲った大規模な土石流は、谷あいの住宅地に大きな被害をもたらした。起点から河口まで直線距離にして約2キロを、複数回にわたって時速30キロほどで流れ下ったとみられる。あの日、何が起きていたのか。多くの住民や消防関係者への取材、住民が撮影した複数の動画をもとにたどった。(文中のアルファベットは空撮写真に示した位置に対応しています) 倒壊した家屋周辺の捜索が続いていた=2021年7月6日午前9時13分、静岡県熱海市、朝日新聞社ヘリから、迫和義撮影 未明の伊豆山、川は濁っていた 7月3日、土曜日の未明。 熱海市伊豆山で酒販店を営む高橋幸雄さん(66)は、店の脇を流れる逢初(あいぞめ)川が濁り、石が流れ出しているのに気づいた(=A)。雨は2日前から降り続いていた。ただ、複数の住民は「普通の雨だった」と取材に振り返った。 この地域は、伊豆山の中腹からふもとにかけて住宅が集まる一帯。気象庁と静岡県は「土砂災害警戒情報」を発表していた。 午前5時ごろ。傾斜のある道路を茶色の泥水が流れ続けるようになった(=B)。ある住民は「上流で土砂崩れが起きたのかなと思った」と話した。 午前9時ごろになると、逢初川で石がぶつかるようなゴロゴロとした音が聞こえるようになった。 雨脚は次第に強まる。 午前10時ごろ、熱海市が地域の防災無線で避難を呼びかけ、避難所も開設された。 市災害対策本部によると、午前10時から同14分にかけて、住民からの通報が相次いだ。土砂崩れの予兆に関する内容が多かった。 午前10時28分、「向かいの家が跡形もなく流され、土砂で埋まっている」と土石流の被害を伝える通報が市消防本部に寄せられた。 出動していた市消防本部の杉野巧・消防司令(48)と上田洋・消防司令補(41)はその直後、道路まで達していた土砂が動き始めたのに気づいた。 記事後半では、住民らが撮影した複数の動画を元に、当時の詳細な状況をたどります。 「直ちに退避を」… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「おもてなし」の足もとで 在留外国人が見た東京五輪
東京オリンピック(五輪)には、海外から約1万人の選手が参加している。一方、日本で生活する外国人は288万人。工場での弁当づくりや農作業、そして五輪施設の工事など、約38万人の技能実習生らの存在なしでは日常はもはや成り立たない。「おもてなし」の祝祭は、彼らの目にどう映っているのだろう。 岐阜県内の中国人技能実習生の女性(38)は、会社の寮のテレビで開会式を見た。中国選手団は真っ赤なジャケット。参加選手は約420人にのぼり、2022年には北京で冬季五輪も開かれる。でも五輪に興味はない。中国と日本の対決となった卓球の混合ダブルス決勝も見なかった。「家族や親戚に選手でもいない限り、関心がない」 女性は、縫製会社の工場で朝7時から夜10時までデザイナーズブランドの服を縫う。工場の隣の3部屋に実習生7人で共同生活し、食事は昼の1時間と夜の30分の休憩中に自炊ですませる。食費は月1人2千円。米を炊き、半額シールのついた野菜の炒めものでしのぐ。 中国・江蘇省に長女(11)がいる。その世話を姉に任せており、基本給と残業代をあわせた月18万円の収入のうちから16万円以上を母国に送金する。五輪に興味はないが、経済効果で円高になれば、より多くの人民元をかせげる。「家族のため、1円でも多く送金したい」 大会4日目。難民選手団の一人としてシリア難民のアラム・マハムード選手(24)がバドミントン男子シングルスに出場した。試合翌日の会見でマハムード選手は「プレーできたことが喜び。私を助けてくれたすべての人に感謝したい」と述べた。 だが、日本で難民申請をしている中東クルド人の40代男性の視線は厳しかった。「ここは難民を『敵』とみなす国だ。難民選手は大丈夫? つかまらないの?」と皮肉を口にした。 男性はトルコ軍に徴兵された後に同胞と戦うことを拒み、1990年代に来日。トルコに戻れば迫害を受けるとして難民申請しているが認められず、茨城県牛久市の東日本入国管理センターに2回、計4年以上収容された。今は「仮放免」状態で就労できず、いつ収容されるかもわからない。身分が中ぶらりんの状態で、新型コロナウイルスのワクチンが打てるかも心配だ。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の統計によると、20年に日本が難民と認定したのは47人。不服申し立てを含めた処理数(1万1867人)に占める認定率は0・39%だ。東京五輪に参加した難民選手のホスト国別で見ると、たとえば英国は9108人(認定率35%)、カナダは1万9596人(同49%)、フランスは1万8868人(同14%)の難民を認めており、ケタが違う。 男性を支援する「クルドを知る会」の松沢秀延さん(73)は「紛争から逃げ、保護を求める人たちに日本は冷たすぎる。五輪のおもてなしの前に、そばにいる外国人を大切にすべきではないか」と訴えた。(前川浩之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地域の「つながり」まで流された 熱海・土石流1カ月
会員記事 山口啓太、浪間新太2021年8月3日 11時18分 発生から3日で1カ月となった静岡県熱海市の大規模土石流。日本有数の観光地を襲った災害は、20人以上の命を奪っただけでなく、地域が大切にしてきた「つながり」も壊した。それでも前を向き、コミュニティーの再生のために動き出す人もいる。(山口啓太、浪間新太) 熱海市伊豆山の岸谷(きだに)地区にあるミカン畑。高橋昇さん(80)は、土石流が下った逢初(あいぞめ)川近くの自宅が被害を免れた。ただ、現在も立ち入りが禁止され、避難所から畑に通う。 土石流が起きた伊豆山のうち、特に被害が激しかったのが岸谷地区。住宅が流されるなど多くの家屋に被害が出た。 「たとえ家が残っても被災前の日常はもう戻らないよ」。高橋さんはため息をつく。30年ほど前から半年に1度のペースで地区の住民ら20~40人ほどでゴルフ大会を楽しんできた。20~80歳代と幅広い年代の住民が参加して交流する機会だったが、災害をうけて次回は中止に。「大事なつながりみたいなものはみんな土砂に持ってかれちゃった」 同地区の男性(54)も自宅の被害は逃れたが、知人の多くは家を流された。「顔を合わせてもどう声をかけてよいか分からない」 子どもの頃、地元の同世代や… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:922文字/全文:1432文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
河村市長、看板公約「街で蒸気SL走行」 事実上断念
名古屋市の河村たかし市長が2日、蒸気機関車(SL)を復元し蒸気で街を走らせるとしてきた長年の看板公約の方針転換を表明した。 蒸気でなく圧縮空気を動力とし、名古屋市科学館の敷地での展示となる。市内部で理解が得られず、河村氏が事実上断念した格好だ。 だが、河村氏はこの日も「展示は仮置き」と、公約実現への過程と強弁した。 市所有のSLは1904年ドイツ製で修復が必要。 市教育委員会が2016年、予算や環境整備の実現可能性の観点から、圧縮空気で動輪が回る様子を見せるなどの「動態展示」を視野に、大阪市のボイラー会社に調査で預けた。いまは富山県の倉庫にある。 河村氏は当初は「あおなみ線」で、近年は名古屋城周辺で蒸気による走行を公約。市教委案を批判し、活用策が決まらず保管費のみ支出する状況が続いた。 公約実現は複数の市幹部が「… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:235文字/全文:603文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
登山者もなんとかしたかった 荒れた登山道整備に協力金
【動画】北海道の大雪山系白雲岳の山域で、今年から登山道整備の協力金制度が始まった=本田大次郎撮影 北海道・大雪山国立公園の白雲岳(2230メートル)山域を利用する登山者に対し、登山道整備のための協力金を求める初の取り組みが、この夏から始まった。支払いは任意だが、多くの登山者から1人千円ほどが集まっている。「荒廃が進む登山道をなんとかしたいと思っていた」とおおむね好評という。 白雲岳山域では、登山道が雨水の通り道になり、場所によっては1メートル近くえぐれるなど、登山道の荒廃が進んでいる。整備は国や自治体が担うが、予算が限られているため、荒廃の速度に追いついていないのが実情だという。 そこで、地元の北海道上川町や環境省、道などでつくる「大雪山国立公園上川地区登山道等維持管理連絡協議会」が今年から、登山者から協力金を集めて、整備にあてることにした。徴収は6月26日から、白雲岳そばの白雲岳避難小屋で始まった。夏の間に常駐する管理人が、小屋やテントの宿泊者のほか、小屋の前で休憩する日帰り登山者に協力を呼びかけている。協力者には、オリジナルの手ぬぐいを渡している。 上川町によると、7月25日… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:405文字/全文:857文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生活保護費でホテル971泊 水増し許した市の甘い運用
会員記事 宮脇稜平、奈良美里、唐沢俊介2021年8月3日 8時00分 「なんでこんなことができるの?」。生活保護費を水増しして盛岡市に申請し、2年8カ月もの間、ホテルに泊まっていたとして男が岩手県警に詐欺容疑で逮捕されると、ネット上には疑問の声が相次いだ。容疑は計971泊分、約1435万円に上る。事件の背景には制度の想定を超えた、市の甘い運用がある。(宮脇稜平、奈良美里、唐沢俊介) 詐欺容疑で逮捕の男 その手法は 逮捕されたのは糸田仁被告(53)。捜査2課の発表では、2018年8月から21年3月までの間、青森県八戸市のホテルに宿泊した際、実際の支払額より高い金額が記された領収書を使って生活保護費(住宅扶助)を住民票がある盛岡市に申請し、水増しした保護費をだまし取った疑いがある。妻(47)と90代の父親の3人分を申請しており、妻も逮捕・起訴された。 捜査関係者によると、糸田被… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1298文字/全文:1659文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不安だけど預けるしか…園児死亡の保育園、保護者ら複雑
板倉大地、加治隼人2021年8月2日 11時14分 園児が送迎バスに閉じ込められて死亡する事故が起きた福岡県中間市の双葉保育園では、週明けの2日も、朝から子どもを預けに来る保護者たちの姿が見られた。「不安だけど、仕事があるから預けざるを得ない」。保護者たちは複雑な思いを漏らした。 中間市中心部に近い住宅地にある園には、午前7時を過ぎた頃から保護者たちの車が到着し始めた。子どもと手をつないだり、だっこしたりしながら、次々と園の中に入っていった。 男児を預けた保護者の女性は「事故があって不安だけど、仕事があるのでこのまま預けざるを得ない」と話す。園では7月31日に事故についての保護者説明会が開かれ、その後、夫と別の園に入れようかと話し合った。だが、待機児童の問題もあるなかで転園先が見つかるのか心配で、今度、市役所に相談するつもりだという。 別の保護者の女性も「事故があって不安なので園を替えたいが、なかなか見つからない。仕事があるので今日も預けに来た」と話した。 一方、男児を預けている保護者の30代女性は「事故があったのは残念だけど、園にはこれまで通り信頼を置いている」という。2日は普段より園児が少ない印象だったというが、「仲が良い友達もいるので、これからも通わせ続けたい」。 登園させない保護者も 登園させなかった保護者もいた。息子を通わせている30代男性は「園からは納得できる説明もなくて、安心して子どもを預けられません」。当面は家で妻が面倒を見るつもりだという。「友達もいるし、あと少しで卒園。そのまま通わせたい気持ちもあるけれど……」と悩む。 男性によると、周囲には「『登園させる親は何を考えているんだ』とネットでたたかれそうで怖い」と不安を漏らす保護者もいるという。 双葉保育園では7月29日、倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)が登園時に乗った送迎バスの中に取り残され、熱中症で亡くなった。県警が業務上過失致死の疑いで捜査している。 ただし、急に仕事を休めない保護者もいるため、園の弁護士によると、市からは保育を継続するよう指示されているという。(板倉大地、加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱海土石流 避難住民ら、盛り土めぐり賠償請求を検討
静岡県熱海市で起きた土石流の起点付近にあった盛り土をめぐり、市内のホテルに避難している住民らが2日、記者会見した。法令基準を超える盛り土が被害を甚大化させたとみられており、住民は市や県、土地の所有者などに対し、損害賠償請求を検討していることを明らかにした。 盛り土は、神奈川県小田原市の不動産会社が2007年に熱海市に届け出た計画に基づいて造成した。だが、静岡県によると、計画通りに造成されず、条例の基準の約3倍(約50メートル)の高さ、総量も計画と比べて約2倍(7万立方メートル超)になったと推定されている。排水施設や崩落防止の土堰堤(えんてい)もなかったとみられる。 県と市が事業者に指導を繰り返したものの、改善を強く求める命令は出していなかった。土地は11年2月に現所有者に売却。県や市の担当者が当時、盛り土の危険性を把握していたかどうかは「調査中」だ。 会見で被災地域の住民からは… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:175文字/全文:573文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ドライバーの飲酒検査、業務の白ナンバー車も義務化へ
千葉県八街(やちまた)市で6月、飲酒運転のトラックにはねられた小学生5人が死傷した事故を受け、警察庁は、自分たちの荷物などを運ぶ「白ナンバー」の車を業務で使う事業者が一定の基準を満たす場合、アルコール検知器による運転者の飲酒検査を義務づける方針を固めた。 事故を起こしたのは、資材を運ぶ白ナンバーのトラックだった。現状では、飲酒していないか点呼で確認すると定められているが、その方法は事業者任せになっている。このため警察庁は、有償で人や荷物を運ぶ「緑ナンバー」と同じく、検知器の使用を義務づけ、飲酒運転対策の強化を図る。道路交通法施行規則の改正に向けて作業を進める。 義務化されるのは、白ナンバ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:696文字/全文:996文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル