2021年7月4日 23時53分 東京五輪聖火リレーのランナーに水鉄砲で液体を発射したとして、茨城県警は4日夜、同県日立市東滑川町4丁目の無職高橋香代子容疑者(53)を威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。茨城県では、この日からリレーが始まったところだった。 水戸署によると、高橋容疑者は4日午後7時40分ごろ、水戸市千波町で「オリンピック反対。五輪やめろ」などと言いながら、県内のリレー1日目の最終走者の男性(77)に沿道から水鉄砲で液体を発射し、リレーを妨害した疑い。 男性や周囲の人にけがはなく、リレーは予定通り終わったという。液体の成分はわかっていない。 茨城県の聖火リレーは4、5日の2日間で、16市町の約36キロを179人のランナーがつなぐ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
最上流部の盛り土ほぼ崩落 静岡県がドローン映像公開
植松敬2021年7月4日 21時25分 【動画】熱海市で発生した大規模土石流の発生現場付近=静岡県提供 熱海市伊豆山の大規模土石流で、県は4日、土石流の最上流部にあった盛り土がほぼすべて崩落し、大量の盛り土が流れたことで被害が拡大したと推定されるとの見解を示した。川勝平太知事は記者会見で、専門家の意見を聴きながら検証し、盛り土ができた経緯や土石流との因果関係を調べる考えを示した。 県によると、2010年以降に国交省が測量したデータと県が2020年に取得したデータを比較した結果、開発行為による盛り土は約5万4千立方メートルと推定された。崩れた周辺斜面などを含めて、崩落量は計約10万立方メートルに及ぶ可能性があるという。 川勝知事は、大量の盛り土が崩落したことを重視。「やりようによっては大変危険をもたらすような山への手の加え方になる。県としてしっかり検証する」と述べた。 川勝知事は、この日の全国知事会の緊急広域災害対策本部会議で、「山を開発すると森林を伐採するので、保水力を奪うことになる。土石流は大雨が直接的な要因で開発行為との因果関係は明確ではないが、検証の必要がある」と述べた。(植松敬) 斜面えぐられ土むき出し 県がドローン映像公開 県は4日、土石流が発生した現場付近の写真と上空からドローンで撮影した映像を公開した。映像からは山肌がアスファルトを巻き込んで広い範囲で崩落している様子がうかがえる。 3日夕に伊豆山地区で撮影した。現場近くには住居もあるが、山の斜面は深くえぐられ、茶色い土がむき出しになっている。周囲の木も巻き込んで崩落したとみられる。 県によると、土石流の発生した場所は幅100メートル、長さ100メートル、最大10メートル以上の深さで崩れている。現場は木がなく盛り土があったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【4日の詳報】熱海で高齢夫婦を救出 自宅で26時間
【動画】熱海市伊豆山地区の土石流現場で本格捜索始まる=加藤諒、瀬戸口翼撮影 静岡県熱海市の伊豆山地区に大きな被害をもたらした土石流から一夜が明けた4日、複数の安否不明者がいるとみられる中、救助に向けた活動が続きました。一日の動きをまとめました。 20:00 新たに4人救助、2日間で救助者は計23人に 熱海市の斉藤栄市長が記者会見で、新たに4人を救助したと発表した。4日に救助された人は計13人となり、前日からの2日間での救助者は計23人。 一方、市は安否不明者の把握が困難だとして、「住民基本台帳ベースで確認できていない147人について、確認を進める」と説明している。 18:00 きょうの捜索終了 これまでに19人を救助 警察や消防、自衛隊などが、この日の救助活動を終えた。 土砂でふさがれた国道135号では、静岡県熱海土木事務所が、夜通しで土砂の撤去を続ける予定という。 14:30 母と連絡とれず安置所へ 熱海市下多賀の南熱海マリンホールには、遺体の安置所が設けられた。 訪れた静岡市の自営業男性(40)は伊豆山地区で一人暮らしをする母(69)と連絡がとれないという。 「土石流のニュースを見て母に電話をかけたがつながらず、LINEも『既読』がつかない。避難所をいくつか回ったが見つからなかった。最後に得られる情報はここだけなので来てみた。少しでもなにか分かることがあれば知りたい」とやつれた表情で話した。 案内されて遺体を確認したが、母はいなかったという。 14:15 26時間ぶりに高齢夫婦救助 熱海市伊豆山の湯原珍江(よしえ)さん(75)が夫栄司さん(75)とともに、自宅から救出された。 珍江さんは前日の午前10時半ごろ、自宅3階で重機が通過しているような轟音(ごうおん)を聞いた。「大雨が降っているから、どこかへ出動しているのかしら?」。窓から外をのぞくと、自宅前に土石流が流れ込んできた。 約30分後、さらに大きな土砂の波が自宅を襲った。外にいた栄司さんに「土石流が来てるわよ!」と叫んだ。栄司さんは外階段を駆け上がり、間一髪で土砂をかわした。 「第2波」で地下1階、地上3階建ての1階部分は2メートルほどの土砂で完全に埋もれた。窓から外に出るのも危険が伴う。救助が来るまで待つことにした。ガスと水道は止まっていたが、3階は電気がついた。備蓄用のペットボトルの水やカップ麺などで26時間超をしのいだ。 「無事でいられてほっとした」と話した珍江さん。「伊豆山に住んで75年。こんな土石流が起きたのは初めて。信じられない」 栄司さんは「いつまた土砂が来てもおかしくないという恐怖がずっとあった。やっと安全な場所に戻ってこられた。本当にホッとしました」と語った。 13:50 午前10時までに新たに9人救助 熱海市の斉藤栄市長は報道陣の取材に応じ、4日は午前10時までに新たに9人を救助したと明らかにした。4世帯以上の建物からそれぞれ救助され、うち高齢女性1人が重症。8人はけががないという。 市によると、市消防が午前9時過ぎに重症者を救助した。病院に搬送され、治療を受けている。ほかの8人も午前9時半ごろまでに助け出された。8人は高齢男性4人と高齢女性2人、成人女性2人という。 その後は雨がやや強まり、現場で小規模な崩落が起きたこともあり、救助活動は中断された。斉藤市長は「断続的な雨のため、捜索が思うにまかせないところもある」と話した。 11:20 熱海市「捜索を再開」 熱海市の広報担当者は、雨が強まった影響で一時停止していた伊豆山地区での警察や消防、自衛隊による安否不明者の捜索が午前10時18分に再開されたことを明らかにした。 行方不明者の捜索をする消防関係者=2021年7月4日午後1時53分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影 11:05 首相「19人救助、建物被害130棟か」 首相官邸で大雨に関する関係閣僚会議を開き、対応を協議した。3日に静岡県熱海市伊豆山で起きた大規模な土石流について、菅義偉首相はこれまで19人を救助する一方、死者と負傷者はそれぞれ2人を確認し、建物被害は130棟に及ぶ可能性に言及。「安否不明の方も複数いる」と述べ、二次災害に注意したうえで救助活動や被災者支援にあたるよう閣僚らに指示した。 また首相は、梅雨前線が引き続き日本列島に停滞し、各地で大雨を降らせる可能性を指摘。「危険な場所に近づくことがないよう、気象情報や避難情報などに十分注意し、早め早めに命を守る行動をとっていただきたい」と国民に呼びかけた。 静岡県熱海市で発生した土石流から一夜明け、関係閣僚会議に臨む菅義偉首相=2021年7月4日午前11時19分、首相官邸、北村玲奈撮影 10:50 「小さな崩壊の可能性」 副知事指摘 難波喬司・静岡副知事は熱海市役所で、土石流が発生した起点付近の4日朝の状況について、今後さらに大規模な崩壊につながるようなクラック(亀裂)は入っていないことを明らかにした。ただ、「小さな崩壊が起きるクラックは入っている」と述べ、小規模な崩壊の可能性を指摘した。 副知事は報道陣の取材に対し、小規模な崩壊について「50立方メートルか100立方メートルくらい」と説明。今後の雨が大規模な崩落に結びつく可能性については「1時間に20ミリか30ミリの雨」であれば、大規模な崩落に結びつく可能性は小さい、との見方を示した。 土石流の起点となった斜面=静岡県提供 10:45 なじみ客の姿なく「心配しています」 熱海市網代で雑貨店を営む内田雅也さん(33)のもとに、近所の人が数人集まっていた。伊豆山地区で魚屋を営む親子のことを心配そうに話し合っていた。内田さんは「息子さんはいつも朝になると、店にたばこを買いに来てくれていたが、今日はまだ来ていない」と語った。 近所の住民たちの話では土砂災害発生前に、網代の得意先で魚を売った後に伊豆山地区の店に向かった息子の姿を見たのが最後だという。「親子ともに姿が見えず、心配しています」 避難所となっている公民館に設けられた給水所には水を求める人たちが並んだ=2021年7月4日午前10時5分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影 10:00 […]
「五輪止めろ」聖火リレーに液体発射の疑い、53歳逮捕
2021年7月4日 23時53分 東京五輪聖火リレーのランナーに水鉄砲で液体を発射したとして、茨城県警は4日夜、同県日立市東滑川町4丁目の無職高橋香代子容疑者(53)を威力業務妨害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。茨城県では、この日からリレーが始まったところだった。 水戸署によると、高橋容疑者は4日午後7時40分ごろ、水戸市千波町で「オリンピック反対。五輪止めろ」などと言いながら、県内のリレー1日目の最終走者の男性(77)に沿道から水鉄砲で液体を発射し、リレーを妨害した疑い。 男性や周囲の人にけがはなく、リレーは予定通り終わったという。液体の成分はわかっていない。 茨城県の聖火リレーは4、5日の2日間で、16市町の約36キロを179人のランナーがつなぐ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「早く帰りたい」住民に疲れ 避難所の「密」防ぐ工夫も
大規模な土石流から一夜明けた4日、静岡県熱海市内に設けられた避難所には被災した伊豆山地区の人が身を寄せ、一様に疲れた表情を浮かべた。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための消毒液も置かれ、感染対策にも気を使いながらの避難生活が続いた。 4日午前の段階で約50人が避難していた市立熱海中学校では、島幸子さん(58)が一足先に同校に避難していた夫久生さん(58)と再会した。幸子さんは前夜、勤務先のホテルに泊まった。互いに電話でやりとりしていたが、「会って無事が確認できてほっとした」と笑顔を見せた。 ただ、避難所でも土砂災害の危険を知らせる「エリアメール」が何度も鳴った。「いつまでこんなことが続くんでしょう」と幸子さん。生まれも育ちも伊豆山という久生さんは「とにかく早く家に帰りたい。静かな町でこんなことが起きるなんて」と話した。 後藤光雄さん(75)は、足が悪い母てるこさん(99)と身を寄せた。杖をついて歩くてるこさんを自宅で介護する。前日は自衛隊に避難をうながされ、車で避難した。 避難所ではスティックパンやおかゆが配られ、4日には畳と仕切りも設けられた。だが、体育館とトイレは別の場所にあり、てるこさんが1人でトイレに行くたびに心配になる。ホテル泊も考えたが、ホテルまで歩くのが難しいためあきらめた。 市総合福祉センターに避難した三橋加代子さん(74)は「雨が降り続けていて怖い。早くやんで、家に帰れるようになってほしい」とこぼした。 土石流が起きた時は自宅にいた。ふと窓の外を見ると、電柱が揺れていて、外をのぞくと近くの道路を土砂が流れていたという。急いで高台にある知人宅へ行き、その後、地区の人の車で避難した。「自宅が無事なのかもわからず、休めない」 避難所での感染対策も重要だ。 市総合福祉センターでは各所に消毒液を用意し、希望者には不織布マスクも配った。「密」を防ぐため、室内には仕切りを置くなどして他の避難者と1メートルほどの間隔をとれるようになっている。 上野勝子さん(75)はマスクをつける間もなく自宅を飛び出した。避難所でマスクを受け取り、「対策がしっかりしていて、すごくありがたい」と話した。 市はこの日、約10カ所に点在していた避難所を市内のホテル1カ所に集約。避難者は午後から、市が手配したバスなどで移動を始めた。斉藤栄市長は4日の市対策本部会議の終了後、「避難者は非常に疲労がある」と説明。避難所を医師や保健師が巡回する対応をホテルでも続けるという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ありがとう」言葉交わし夫は水に沈んだ 九州豪雨1年
会員記事 棚橋咲月 伊藤秀樹 堀越理菜 渡辺純子2021年7月4日 19時47分 熊本県南部を中心に甚大な被害が出た記録的豪雨災害から4日で1年がたった。熊本県内では各地で犠牲者の追悼式が営まれた。遺族らは悲しみを胸に祈りを捧げ、復興を誓った。 一連の豪雨では、九州5県で関連死を含め79人が死亡し、2人が行方不明になっている。 球磨(くま)川が氾濫(はんらん)し、21人が亡くなった人吉市では、市と県主催の追悼式に30人が参列した。新型コロナウイルス感染防止のため参加人数を絞って行われた。人吉で生まれ育ち、両親を豪雨で亡くした西村直美さん(52)=北九州市=は遺族代表として、「被災後の混乱の中でどれだけの方に支えられたことか。両親も故郷人吉の家も失ったが、決して諦めない。人も自然も豊かで美しい人吉球磨の街を復興させていく」と語った。 25人が亡くなった球磨村や、八代市、津奈木町でも追悼行事があった。(棚橋咲月) 「ふるさとにいるはずの2人がいないということが、今でも信じられない気持ちです」。人吉市の追悼式で、西村直美さん(52)=北九州市=は亡くなった父の西橋欽一さん(当時85)と母の恵美子さん(当時82)への思いを語った。 追悼式で涙をぬぐいながら遺族代表の言葉を述べる西村直美さん=2021年7月4日午前、熊本県人吉市、吉本美奈子撮影 教職をめざして進学するまで人吉で育った。結婚後は孫の成長を見てもらおうと、休みのたびに帰省した。両親は孫の成長を何よりも喜んでくれた。昨年7月4日も家族で帰省する予定だった。「父と母は、娘と孫の帰りを本当に待っていたのだと思う。もっと早く帰ってあげればよかった」 1年前の朝、北九州市の自宅… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1979文字/全文:2610文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「土石流が!」妻の叫び、間一髪 28時間ぶり夫婦救出
大量の土砂で一変した集落に、安否を尋ねる捜索隊の声が響いた。静岡県熱海市伊豆山で起きた土石流から一夜明けた4日、泥に埋もれた家屋から人々が救い出された。一方、雨で捜索は何度も中断。安否がわからない人の親族らは不安げに見つめ、避難所に身を寄せた住民は「早く帰りたい」と疲れ切った様子で話した。 熱海市伊豆山の浜地区では4日午後2時20分ごろ、泥に1階が埋まった自宅ビルから、湯原栄司さん(75)と妻の珍江(よしえ)さん(75)夫妻が救出された。土石流の発生から約28時間。3階建ての2階窓に掛けられたはしごに足を掛け、一歩ずつ下りた。「おけがはないですか」「ありがとうございます」。救助の警察官から声を掛けられると、珍江さんは小さな声で応じた。 街は茶色く一変し、バスの車体の中ほどまで泥に覆われた。ぬかるんだ泥の上に敷かれたベニヤ板を踏み外せば、ひざまではまってしまう。2人は肩を支えられながら、ゆっくりと避難所に向かった。 土石流が発生した3日、居間のある3階にいた珍江さんは、不思議な轟音(ごうおん)を聞いた。「大雨だから、どこかへ重機が出動しているのかしら」。窓から外をのぞくと、大木などを巻き込んだ土石流が向かいの家の1階をえぐり取っていった。こちらには来ず、土砂の様子を見ていると、約30分後、今度はさらに大量の黒い波が来た。 夫の栄司さんは、山の状況を見るために屋外にいた。「土石流が来てる!」。叫び声で、栄司さんは自宅に駆け込み、間一髪で助かった。 この「第2波」で、1階にあった台所も、風呂も、トイレも、車も埋もれた。 ガスと水道は止まったが、奇跡的に電気はついた。3階にあった1リットル入りのペットボトルの水を2人で分け、カップ麺を食べて救助を待った。 4日になった。救助隊は泥まみれになって近づこうとしてくれるが、行く手を阻まれる。ショベルカーが泥を少し取りのぞいたかと思うと、時折強く降る雨で土砂災害の緊急速報が出され、捜索は何度か中断した。「またいつ土石流が襲ってくるか」。おびえながら過ごした。 地区の別のアパートでは、2階から乳児と母親が救助された。窓から身を乗り出した母親が、バスの屋根から手を伸ばす警察官に毛布にくるんだ乳児を託す。手から手へとさらにリレーされ、無事に救助されると「おー」と安堵の声があがった。乳児は隊員の腕の中で大声で泣いた。 地区の約20世帯が大きな被害に遭ったとみられる。この地区で生まれ育った珍江さんは「今でも信じられない」と話した。 「土砂が空を舞うようだった」 安否不明者の捜索は4日早朝… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】熱海で高齢夫婦を救出 自宅で26時間しのぐ
【動画】熱海市伊豆山地区の土石流現場で本格捜索始まる=加藤諒、瀬戸口翼撮影 静岡県熱海市の伊豆山地区に大きな被害をもたらした土石流から一夜が明けました。複数の安否不明者がいるとみられる中、救助に向けた活動が続いています。一日の動きをタイムラインで詳報します。 14:30 母と連絡とれず安置所へ 熱海市下多賀の南熱海マリンホールには、遺体の安置所が設けられた。 訪れた静岡市の自営業男性(40)は伊豆山地区で一人暮らしをする母(69)と連絡がとれないという。 「土石流のニュースを見て母に電話をかけたがつながらず、LINEも『既読』がつかない。避難所をいくつか回ったが見つからなかった。最後に得られる情報はここだけなので来てみた。少しでもなにか分かることがあれば知りたい」とやつれた表情で話した。 案内されて遺体を確認したが、母はいなかったという。 14:15 26時間ぶりに高齢夫婦救助 熱海市伊豆山の湯原珍江(よしえ)さん(75)が夫栄司さん(75)とともに、自宅から救出された。 珍江さんは前日の午前10時半ごろ、自宅3階で重機が通過しているような轟音(ごうおん)を聞いた。「大雨が降っているから、どこかへ出動しているのかしら?」。窓から外をのぞくと、自宅前に土石流が流れ込んできた。 約30分後、さらに大きな土砂の波が自宅を襲った。外にいた栄司さんに「土石流が来てるわよ!」と叫んだ。栄司さんは外階段を駆け上がり、間一髪で土砂をかわした。 「第2波」で地下1階、地上3階建ての1階部分は2メートルほどの土砂で完全に埋もれた。窓から外に出るのも危険が伴う。救助が来るまで待つことにした。ガスと水道は止まっていたが、3階は電気がついた。備蓄用のペットボトルの水やカップ麺などで26時間超をしのいだ。 「無事でいられてほっとした」と話した珍江さん。「伊豆山に住んで75年。こんな土石流が起きたのは初めて。信じられない」 栄司さんは「いつまた土砂が来てもおかしくないという恐怖がずっとあった。やっと安全な場所に戻ってこられた。本当にホッとしました」と語った。 13:50 午前10時までに新たに9人救助 熱海市の斉藤栄市長は報道陣の取材に応じ、4日は午前10時までに新たに9人を救助したと明らかにした。4世帯以上の建物からそれぞれ救助され、うち高齢女性1人が重症。8人はけががないという。 市によると、市消防が午前9時過ぎに重症者を救助した。病院に搬送され、治療を受けている。ほかの8人も午前9時半ごろまでに助け出された。8人は高齢男性4人と高齢女性2人、成人女性2人という。 その後は雨がやや強まり、現場で小規模な崩落が起きたこともあり、救助活動は中断された。斉藤市長は「断続的な雨のため、捜索が思うにまかせないところもある」と話した。 11:20 熱海市「捜索を再開」 熱海市の広報担当者は、雨が強まった影響で一時停止していた伊豆山地区での警察や消防、自衛隊による安否不明者の捜索が午前10時18分に再開されたことを明らかにした。 行方不明者の捜索をする消防関係者=2021年7月4日午後1時53分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影 11:05 首相「19人救助、建物被害130棟か」 首相官邸で大雨に関する関係閣僚会議を開き、対応を協議した。3日に静岡県熱海市伊豆山で起きた大規模な土石流について、菅義偉首相はこれまで19人を救助する一方、死者と負傷者はそれぞれ2人を確認し、建物被害は130棟に及ぶ可能性に言及。「安否不明の方も複数いる」と述べ、二次災害に注意したうえで救助活動や被災者支援にあたるよう閣僚らに指示した。 また首相は、梅雨前線が引き続き日本列島に停滞し、各地で大雨を降らせる可能性を指摘。「危険な場所に近づくことがないよう、気象情報や避難情報などに十分注意し、早め早めに命を守る行動をとっていただきたい」と国民に呼びかけた。 静岡県熱海市で発生した土石流から一夜明け、関係閣僚会議に臨む菅義偉首相=2021年7月4日午前11時19分、首相官邸、北村玲奈撮影 10:50 「小さな崩壊の可能性」 副知事指摘 難波喬司・静岡副知事は熱海市役所で、土石流が発生した起点付近の4日朝の状況について、今後さらに大規模な崩壊につながるようなクラック(亀裂)は入っていないことを明らかにした。ただ、「小さな崩壊が起きるクラックは入っている」と述べ、小規模な崩壊の可能性を指摘した。 副知事は報道陣の取材に対し、小規模な崩壊について「50立方メートルか100立方メートルくらい」と説明。今後の雨が大規模な崩落に結びつく可能性については「1時間に20ミリか30ミリの雨」であれば、大規模な崩落に結びつく可能性は小さい、との見方を示した。 土石流の起点となった斜面=静岡県提供 10:45 なじみ客の姿なく「心配しています」 熱海市網代で雑貨店を営む内田雅也さん(33)のもとに、近所の人が数人集まっていた。伊豆山地区で魚屋を営む親子のことを心配そうに話し合っていた。内田さんは「息子さんはいつも朝になると、店にたばこを買いに来てくれていたが、今日はまだ来ていない」と語った。 近所の住民たちの話では土砂災害発生前に、網代の得意先で魚を売った後に伊豆山地区の店に向かった息子の姿を見たのが最後だという。「親子ともに姿が見えず、心配しています」 避難所となっている公民館に設けられた給水所には水を求める人たちが並んだ=2021年7月4日午前10時5分、静岡県熱海市伊豆山、瀬戸口翼撮影 10:00 住民「いったいいつ、元の状態に」 熱海市伊豆山の浜地区に住む池谷辰代さん(80)は、警視庁の職員が安否不明者の捜索のために道の泥をかき分けていく様子を、自宅近くで見守った。「土砂が減って少しほっとした」と、目を潤ませながら話した。 自宅は土石流による被害は免れた。当初は「なにがなんだかわからなかった」が、親戚や友人から「無事なのか」と電話をもらったり、なじみのそば屋やクリーニング店が泥にまみれているのを見たりするうちに、被災したという実感がわいた。自宅で過ごした深夜、涙があふれてきた。 「慣れ親しんだ街がめちゃくちゃになってしまったことが、何より悲しい。いったいいつ、元の状態に戻るんでしょうね」 土砂が流れ込んだ道路では、泥土をかき出す作業が進められていた=2021年7月4日午前7時1分、静岡県熱海市、福留庸友撮影 09:50 現場に警報音、捜索停止 安否不明者の捜索が続く土石流の現場では、雨が降り続いている。午前9時50分ごろ、伊豆山地区に土砂災害の危険を知らせる「エリアメール」が熱海市から流れ、近くにいる人たちの携帯電話が一斉に鳴った。「伊豆山地区では、これまでの雨により土砂災害の危険性が高まっています。土砂災害に十分注意してください」という内容だった。 […]
やまゆり園に新園舎、安全対策施す 事件から5年
土屋香乃子2021年7月4日 17時40分 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で利用者ら45人が殺傷された事件から5年を前に、新しい園舎が完成し、開所式が4日にあった。事件を機に神奈川県は施設の大部分の建て替えを決定。防犯カメラを増設し、居住棟の窓は防犯ガラスにするなど、安全対策を施した。 開所式には利用者家族や地元住民など44人が出席。仮園舎から新園舎に戻る男性利用者は「豊かな自然と楽しいことに囲まれた生活を楽しみにしていました」とあいさつした。園を運営するかながわ共同会の山下康理事長は取材に「5年という節目だが遺族にとってはまだ当日のまま。(事件に)きちんと対峙(たいじ)していくことが風化させないことにつながる」と話した。 園舎の敷地面積は約2万6千平方メートル。二つの居住棟が新築されたほか、管理棟などが改修された。防犯カメラは24時間態勢で監視。事件では窓ガラスが進入経路になったため、防犯ガラスに変えた。入居定員は160人から66人に減らし全て個室となった。定員を以前の4割ほどにすることで、利用者が自由に過ごしやすい環境を整えた。 事件は2016年7月26日に発生。昨年3月に植松聖(さとし)死刑囚(31)の死刑が確定した。事件後、利用者の多くは横浜市内の仮園舎に移転した。新園舎は8月に入居が始まり、事件当時、園にいた利用者のうち44人が入居する。(土屋香乃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
豪雨災害、身を守る避難とは? 地域の危険度は?
梅雨前線による大雨の影響で、3日に静岡県熱海市で土石流が発生するなど関東地方を中心に大きな被害が出ています。豪雨に見舞われたとき、私たちはどう行動したらいいのでしょうか? 今年5月には、的確な避難につなげようと避難情報などが大幅に見直されています。 ここ数年、全国各地で豪雨に伴う大規模な被害が相次いでいる。住宅の浸水や河川の氾濫(はんらん)、土砂崩れ、土石流などが毎年のように起きている。2018年7月の西日本豪雨では、河川の氾濫や土砂災害が発生し、200人余りの人が亡くなり、住宅も全半壊したり、床上・床下浸水したりした。 避難勧告を廃止、避難指示に一本化 実際に災害が差し迫った際の新たな避難情報の運用も5月から始まった。大きな変更点は、これまで「避難指示」と「避難勧告」に分かれていた情報が「避難指示」に一本化された点だ。 静岡県庁防災局(当時)や同… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1200文字/全文:1584文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル