今年に入って北朝鮮が相次いで弾道ミサイルを発射し緊張が高まる中、ミサイルが自分の街に飛来、落下する可能性を想定した住民避難の訓練が全国各地で行われている。自然災害でよく言われる「備えあれば憂いなし」は、ミサイルでも通じるのだろうか。香川県・小豆島であった訓練を取材し、考えた。 平和文学の代表作として有名な壺井栄の小説「二十四の瞳」。その物語をモチーフにした彫刻が立つ土庄港から約2キロ離れた土庄中学校(土庄町)で9月23日、国と県、町が共催する訓練があった。 「ウーーー」 午後2時、不安をかき立てられるような、聞き慣れない音が鉄筋4階建ての校内に響いた。全国瞬時警報システム(Jアラート)の「国民保護サイレン」だ。その後男性の落ち着いた声で放送が流れた。「訓練、ミサイル発射。ミサイルが発射されたものとみられます。建物の中、または地下に避難してください」 約2分後、3度目のサイレンの後には、「ただちに避難。14時10分ごろ、(ミサイルが)香川県周辺に落下するものとみられます」と放送された。 2階にいた3年1組の生徒たちは教室のカーテンを素早く閉め、教室の後ろに置いていた折りたたみ式のヘルメットを取り出しかぶった。真剣な面持ちで教室の中心に集まり、身をかがめた。 北朝鮮の弾道ミサイル発射が続く中、国の主導で住民避難訓練が行われています。子どもを対象にした訓練では、現場の関係者に悩みが浮かびました。 しばらく沈黙が続き、最初の… この記事は有料記事です。残り1232文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸山口組系の事務所前に車突っ込む 男が出頭、対立抗争か 堺市
2022年11月12日 11時35分 12日午前2時50分ごろ、堺市東区石原町4丁の特定抗争指定暴力団・神戸山口組系の事務所前で、車止めに衝突している乗用車をパトロール中の警察官が発見した。車は乗り捨てられており、事務所の玄関ドアのガラスが割れるなどしていた。大阪府警が建造物損壊などの疑いで調べている。 府警によると、現場から約3キロ離れた松原署に午前3時半ごろ、自称50代の男が出頭してきたという。府警は事情を聴くとともに、暴力団の対立抗争の可能性も視野に捜査している。 黒山署によると、車は鉄製の車止めに前向きに突っ込むように止まっていたという。当時事務所は無人で、けが人はいなかった。ガラスが割れた玄関の近くには、ハンマー1本が落ちていたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会への質問権行使 財務諸表も「掘り下げる」 証拠を収集へ
オウム真理教の事件を受けて宗教法人法に盛り込まれた「報告徴収・質問権」が、初めて行使されることになった。永岡桂子文部科学相が11日の会見で行使の意向を表明。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求を視野に入れた手続きが、また一歩進んだ。教団を追及してきた弁護士たちも行方を注視する。 「報告徴収・質問の内容を早急に検討していく」 11日の会見で永岡文科相は、調査に向けて作業を加速させる考えを示した。報告徴収・質問権を行使する主な理由としては、組織的不法行為や使用者責任を認めた民事裁判の判決が22件積み重なっていることを挙げ、判決で認められた賠償額は「少なくとも14億円に及ぶ」とした。 調査どう進む 軸は民事判決 今後の調査は、これらの裁判… この記事は有料記事です。残り1371文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇陛下と皇后雅子さま 「海づくり大会」で兵庫訪問
2022年11月12日 12時00分 天皇陛下と皇后雅子さまは12日から2日間、「第41回全国豊かな海づくり大会」の式典行事に出席するため、兵庫県を即位後、初めて訪問しています。 両陛下が、現地で同大会に出席するのは2019年に秋田市で開催された第39回大会以来です。21年に宮城県で開催された第40回大会には、皇居・御所からオンラインで出席しました。 同大会は全国植樹祭、国民体育大会、国民文化祭とともに「四大行幸啓」の一つに位置づけられる定例の地方訪問です。 両陛下と上皇ご夫妻が、「全国豊かな海づくり大会」式典行事などに、出席した過去の大会を、写真で振り返ります。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吉野ケ里遺跡で奈良時代ごろの重りが出土 役所があった可能性高まる
佐賀県は11日、国特別史跡の吉野ケ里遺跡(吉野ケ里町、神埼市)から、奈良時代ごろのものと思われる棹秤(さおばかり)に使う青銅製の重り「権(けん)」が発見されたと発表した。 県文化財保護室によると、出土した「権」はキノコのような形で、高さ2・9センチ、最大径3・4センチ、重さ約82・5グラム。頂部には、秤にぶら下げるためのひもを通す輪があったが、欠けているという。出土した場所は吉野ケ里遺跡のほぼ中央に位置する日吉神社境内の跡地で、神社の移転を機に、10年ぶりに本格的な発掘調査が行われている。 古代から中世の金属製の「権… この記事は有料記事です。残り146文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「そのうそ、ほんと?」 認知症の女性に問われた介護のあり方
特別養護老人ホーム「よりあいの森」など福岡市内3施設の統括所長を務める村瀬孝生さん(58)は35年以上、介護の現場で働いてきました。いつもお年寄りの言葉に触発され、介護について考えてきたそうです。たとえば、70代の認知症の女性から言われた、こんな言葉――。 そのうそ、ほんと? 村瀬孝生さんプロフィール むらせ・たかお 1964年生まれ。島根県出身。両親の郷里の福岡県筑豊地方で中学・高校時代を過ごす。東北福祉大学を卒業後、飯塚市内の特別養護老人ホームに就職。95年、福岡市の宅老所よりあいに転職した。現在、よりあい、第2宅老所よりあい、特別養護老人ホーム「よりあいの森」の3施設の統括所長を務める。介護支援専門員。著書に「シンクロと自由」「おしっこの放物線」「ぼけてもいいよ」など。 村瀬さんは、お年寄りがふと口にする言葉から、自分の仕事を見つめ直してきた。 26年ほど前、認知症の高齢者らの通所介護施設「第2宅老所よりあい」(福岡市南区)の所長になったころ。認知症が進行していた70代の女性がいた。すぐ服を脱ぐなどしてしまい、言葉は「うそ」「ばか」くらいしか出なかった。 どのように接すればいいのかわからず途方に暮れ、「ご自宅にもうすぐ送りますね」といった、その場しのぎの言葉をかけてしまった。すると「そのうそ、ほんと?」と聞かれた。衝撃だった。 彼女は全て見抜いていたので… この記事は有料記事です。残り905文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パパは36歳でプロレスラーになった コロナで気付いた自分の夢
11月4日、パパがプロレスラーになった。 36歳でレスラーになるのは珍しいんだって。でも、パパは中学生の時からの夢をやっとかなえたんだ。 デビューは東京・後楽園ホール。プロレスの聖地でパパは舞った。 「ヒロ・イイジマ」。リングネームが会場に響き渡る。飯島裕之という名前なんだ。 コーナーポストに上り、スポットライトに照らされる。今まで見たことのない厳しい表情。ママも驚いていた。 「プロレスラーになる」という夢を36歳でかなえた飯島裕之さんの歩みを、7歳の長男、碧音(あおと)くんの視点でたどります。 試合が始まると、ライバルが… この記事は有料記事です。残り876文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横浜の企業主導型保育園が突然閉園へ 「行き場ない」保護者に困惑
横浜市港北区にある企業主導型保育園が、今月末で休園する方針を決めた。この園は市内でも保育園に入りにくい地域に位置することもあり、20人以上の園児やその保護者に困惑が広がっている。「今から保育園探しをしても、新たな預け先を見つけられないかもしれない」との不安の声も相次ぐ。 この園は、東急東横線・目黒線日吉駅から徒歩3分ほどにあり、2019年に開園した。同駅近くに別の認可外保育園も持つ地元企業が運営していた。 保護者によると、9日夕方に臨時で開催された保護者会で、「12月からこの園での保育は継続できません」との説明があった。突然のことだったという。 関係者によると、今年の夏以降、保育士への賃金が払われなくなるなどしていたという。 保護者によると、10月初旬ごろ、子どもを送迎する朝や夕方の時間に対応してくれていた保育士の姿を急に見かけなくなった。さらに、丁寧に書き込まれていた連絡帳の記載が一言だけに減った。「なんだか、おかしい」と感じたという。 保育士の書き込み「9月から給料をもらっていません」 10月末には、連絡帳に保育士からこんな内容の書き込みもあったという。 「保育士は全員、10月末で… この記事は有料記事です。残り709文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「公正さ軽視」風化した教訓 透明性確保へ、スポーツ界は変われるか
東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの大会組織委員会で2016年まで総務局長を務めた雑賀真さん(67)は、組織委元理事の高橋治之被告(78)による汚職事件を報道で知った。悔しさがこみあげた。 「こうした不正を防ぐための仕組みを作ったはずなのに」 15年、組織委で大会エンブレムを巡る問題が起きた。デザイン案の公募を発表する前に、特定のデザイナーに参加を要請するなど不適切な対応が発覚。関与した電通出身のマーケティング局長ら2人が退任を強いられた。 組織委は有識者によるチームを立ち上げ、報告書をまとめた。 「公正さや透明性といった観点が極めて強く要請される公的なイベントであるとの認識が不足」「手続きの公正さを軽視し、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)に目をつぶる、なりふり構わぬ働きぶり」。厳しい指摘が並んだ。 改革案も示した。監査部門を事務総長の直轄とし、主要な事業のすべてで法的な問題がないかを確認する仕組みだ。チーフコンプライアンス・オフィサー(CCO)に就いていた都庁出身の雑賀さんは、こうした改革の事務局を担った。 強い決意で出直しを図ったは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京五輪招致めぐる疑惑 「プリンス・タケダ」の不自然な言い分
記者コラム 「多事奏論」 編集委員・稲垣康介 6年前の5月22日は日曜日だった。 スポーツ部の同僚と午後5時に東京都内の住宅街で待ち合わせた。日本オリンピック委員会(JOC)会長だった竹田恒和氏が、外出先から自宅に戻るのを待った。 2020年五輪招致で東京の招致委員会がシンガポールのコンサルティング会社に払った2億3千万円についてフランス司法当局が捜査していた。国際オリンピック委員会(IOC)委員の買収に使われた疑いが持たれていた。招致委理事長だった竹田氏は契約書に自分がサインをしたかを濁していたが、周辺取材で確証をつかめた。 竹田氏は午後10時すぎに帰… この記事は有料記事です。残り1281文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル