有料記事 聞き手・高重治香2022年11月29日 8時00分 「私は事務ですから」と、自分の仕事を自信がなさそうに語る女性に会いました。女性の就業先として最も多い「事務職」が、マニュアル化された補助的な仕事、というイメージをまとった時代がありました。実態はどうだったのでしょうか。今はどう変わったのでしょうか。「女性事務職」についての著書がある浅海典子・神奈川大教授に聞きました。 ◇ ITや人工知能の発展により、事務職の需要が大幅に減るという予測を、政府などが発表しています。事務職にどんなイメージを持つかは人によってまちまちだと思いますが、総務省が定める日本標準職業分類では、多くの業界にまたがる幅広い仕事が事務職と分類されています。女性の就業先としては事務職が最多で、特に女性への影響を懸念する指摘もあります。 技術が人の仕事を奪うという議論は、これまでも繰り返されてきましたが、女性事務職の増加と、技術革新による仕事の変化の歴史を追うと、そう単純ではありません。 「OL」から一般職、そして派遣労働者へーー。女性事務職に対する社会の見方は、どう変わってきたのでしょうか。浅海さんがかつて企業の管理職研修の仕事で出会った2人の男性管理職の「女性事務職」への眼差しは、対照的なものだったそうです。 事務職は19世紀後半から急… この記事は有料記事です。残り1366文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「一人だった」20歳の母は手を上げた 生後間もない娘は寝たきりに
あの夜、20歳の母親は生まれたばかりの長女の頭を殴り、ベッドごと蹴り飛ばした。すぐそばで1歳の長男も泣き叫んでいた。 「やるせなさを感じ、イライラした」 長女は将来にわたって、歩くことも、話すことも難しい障害を負った。母親を暴力に走らせたものは何だったのか。 8月3日、大阪地裁で開かれた初公判。被告は前面にキャラクターが大きく入ったTシャツ姿で法廷に現れた。 幼さの残る顔立ち。金色に染めた腰までの長い髪は、伸びた根元が5センチほど黒くなっていた。 被告は今年4月19日午後11時~20日午前0時ごろ、大阪市福島区の自宅マンションで、ベビーベッドに仰向けで寝ていた当時生後約20日の長女の頭を平手で殴った上に、ベッドを足で蹴って家具にぶつけ、頭部骨折や脳挫傷などのけがを負わせたとして、傷害の罪に問われた。 長女の今後について、医師は「将来寝たきりになるなど重度の後遺症が残るだろう」と診断。脳の8割がダメージを受けており、運動機能や知的機能に著しく影響が出るとした。 裁判官から、起訴状の内容に間違いがないかと問われると、被告は小さな声で「はい」と答えた。 「相談できる人は」との問いかけに 公判でのやりとりから、事件までの経緯をたどる。 被告は当時、マンションで夫(23)と長男、長女との4人で暮らしていた。 弁護人「子育ては誰がしていましたか」 被告「夫に頼んでもやりたがらず、ほとんど1人でやっていました」 被告は夫から暴力を受けていた。 被告「パチンコで負けてきたときとか、思い通りにいかないとき、頭をグーで殴られたり、足で踏まれたりしていました」 弁護人「夫は長男にも暴力をふるっていましたか」 被告「はい」 弁護人「止めに入ったことは」 被告「止めに入ったりしてたけど、自分も暴行されるのが怖かったです」 弁護人「あなたは、今回以外に子どもに暴力をふるったことはありますか」 被告「ないです」 弁護人「夫は浮気もしていましたね」 被告「はい」 弁護人「育児を1人でしていて、相談できる人はいましたか」 被告「役所と警察には相談していたけど、過去に(自分が)施設に入っていたこともあり、信用できず、一人で抱え込んでいました」 夜中に響く幼子2人の泣き声、起きてこない夫 周囲に頼れる人がいないなか、その日を迎える。 事件当日、被告は家族全員で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋田県職員が自殺、上司をパワハラで処分 「無視される」遺書で訴え
秋田県は28日、8月の大雨災害に対応していた職員が、上司のパワーハラスメント(パワハラ)を訴える遺書を残して自殺していたことを明らかにした。パワハラを繰り返したとして、当時の地域振興局建設部長の男性(57)を同日付で減給10分の1(3カ月)の懲戒処分とし、降任の分限処分にした。 県人事課によると、パワハラで職員を懲戒処分するのは初めて。自殺した職員は、県内の地域振興局建設部で河川を担当。8月の記録的大雨で、時間外勤務が増え、特に10~12日は2晩連続で徹夜勤務だった。その際、部長から叱責(しっせき)、無視されるなどし、15日に庁舎の敷地内で自殺した。 この職員は「部長の信頼を損ねてしまい、屈辱的な言葉を吐きかけられ、無視される」などと記した遺書を残していた。 「何があったのか知りたい」との訴えが遺族からあり、県が同僚らに聞き取り調査をしていた。職員30人のうち、部長から自分が被害を受けた程度を「頻繁に」と答えたのは2人、「何回か」は4人。「他の人がパワハラをされているのを見聞きした」が28人にのぼった。 一方、この部長は調査に「強い口調で指導はしたが、パワハラのつもりはない」と否定をしつつ、「このようなことになり申し訳ない」と話したという。 県は調査結果から「今年度に… この記事は有料記事です。残り697文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「戒めの手すり」が語る雑踏事故の威力 梨泰院の悲劇、再発防ぐには
1本の曲がった手すりを、兵庫県警が保存している。同県明石市で11人が亡くなった21年前の歩道橋事故の現場にあったものだ。今年また、多くの命が韓国・ソウルの梨泰院(イテウォン)で奪われた。悲劇を繰り返さないために何が必要なのか。 県警本部18階にある雑踏警備対策室。部屋の窓際に、長さ約70センチに切り取られたステンレス製の手すりが置かれている。 それを支える約16センチの鉄の平板は根元から約30度、ぐにゃりと曲がっている。 「歩道橋に殺到した人たちの負荷で曲がったものです」。雑踏警備対策室長の佐野善宣さんは言う。 明石歩道橋事故 2001年7月21日夜、兵庫県明石市のJR朝霧駅南側にある歩道橋で起きた。市主催の花火大会で行き来する観客らが押し合いになり、0~9歳の子ども9人を含む11人が死亡し、247人が負傷した。 対策室は、署や警察学校での研修の際に手すりを持ち出し、群衆の威力を伝える教材に活用してきた。 県警が手すりを明石市から譲り受けたのは、事故から4年後の2005年。当時、地域部長だった田山映二さん(76)が事故を戒めにしようと考えたからだ。 事故で県警は、雑踏対策の警察官を歩道橋に配置していなかったことなどから批判を浴びた。05年6月、遺族らが起こした民事訴訟で、神戸地裁は県警に損害賠償を命じた。 遺族から繰り返し言われたこと 判決後、県警トップの本部長と並んで遺族に謝罪した。怒りに震え、涙を流す遺族から新聞紙を投げつけられた。「自分が事故で家族を亡くしたらと思うと……。当然のことです」。約1時間半、ただただ頭を下げ続けた。 遺族から繰り返し言われたこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
室内の指紋「事件前の機会の可能性」 奄美の女性殺害で被告に無罪
鹿児島県奄美市の住宅で2019年、一人暮らしの女性(当時87)を殺害したとして、殺人と住居侵入の罪に問われた奄美市の無職、渡部円治被告(24)の裁判員裁判の判決が28日、鹿児島地裁であり、中田幹人(まさと)裁判長は「犯人と認定するには合理的疑いが残る」と述べ、無罪(求刑懲役20年)を言い渡した。 渡部被告は19年6月13~14日ごろ、現金などを盗む目的で奄美市名瀬小俣町の無職瀧田得枝さん宅に侵入し、1階寝室で瀧田さんの肩の近くを刃物のようなもので数回刺すなどして殺害したとして、起訴されていた。 検察側は公判で、玄関の引き戸や冷蔵庫、瀧田さんの肌着の付着物から渡部被告の指紋やDNA型が検出されたとし、「犯人の行動と重なり、犯人と推認される」と主張した。 弁護側は、被告が「事件の前後に入った可能性もある」とした上で、警察の証拠物の鑑定・保管が適切でなかったと無罪を主張。被告は無罪を訴えた以外は黙秘を貫いた。 殺害に結びつく決定的な証拠がないなか、物証をどのように判断するかが争点だった。 判決は、引き戸の指紋などから、被告が金品目的で住宅に入り、室内を物色した可能性があるとした。一方で、指紋などが付着したのが「(殺人事件と)近接した時期とは言えない」とし、事件前の別の機会に「物色するなどした際に残した可能性を排斥できない」と結論づけた。 渡部被告は殺人事件の前の1… この記事は有料記事です。残り205文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
緩さ全開「金属バット」、M-1準決勝に追加出場 動画再生回数最多
金属バット、おかえりなさい――。 M-1の準々決勝で敗れた2人が、11月30日の準決勝に進むことになった。 GYAO!のサイトで同28日、発表された。 準々決勝敗退者のなかから、視聴者投票で出場者を選ぶ「ワイルドカード」枠での進出。今年のM-1で、これまでの戦いの動画視聴回数が最も多かった。 金属バット(吉本興業)は、いずれも大阪出身の小林圭輔(36)と友保隼平(しゅんぺい、37)のコンビ。M-1の準決勝常連組で、今年が結成15年のラストイヤーだ。 王道の大阪漫才 賞レースではパワーや大声、早口で押し切る競技漫才も目立つが、2人は違う。 流れる大阪弁が心地よく、子守歌のように耳になじむ。無駄な力が一切抜けた漫才は、このコンビでしか味わえない。 見た目は坊主頭とロン毛。その風貌(ふうぼう)から異端視されがちだが、話芸は王道だ。 ファンであろうとなかろうと、その場にいるだれをも笑わせる、たしかな実力を持つ。 かつて、関西の学校の教室には必ずいた、すさまじく面白い友達の雑談をそばで聞いているような、懐かしい感覚を醸し出す。どこまでも柔らかく、気楽に。 漫才本来の「緩さ」全開の2人が、M-1の4分間の死闘にどう挑むか。注目が集まる。 準決勝は11月30日、東京・港区の会場で午後5時から。以下の28組が争う。 ◆真空ジェシカ、シンクロニシティ、ママタルト、ヤーレンズ、令和ロマン、ななまがり、ハイツ友の会、THIS IS パン、カゲヤマ、ダイヤモンド、ダンビラムーチョ、ケビンス、ヨネダ2000、男性ブランコ、ストレッチーズ、さや香、オズワルド、ウエストランド、キュウ、ミキ、からし蓮根、かもめんたる、カベポスター、コウテイ、マユリカ、ロングコートダディ、ビスケットブラザーズ、金属バット(土井恵里奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Regard zen sur le monde : « Le recueillement spirituel n’est pas une pratique individuelle visant le développement personnel »
Au mois de novembre, Kyoto, l’ancienne capitale impériale du Japon, se couvre d’érable. SHOSEI/AFLO / PHOTONONSTOP Le Français Clément Sans est récemment devenu moine zen, ordonné sous le nom de Tozan (« la montagne du pêcher »). Chaque mois, il nous envoie une lettre qui nous fait partager ses réflexions et son quotidien […]
松戸で7棟焼ける火事、1人の遺体 住民「電線通じて火が移った」
高橋淳、上保晃平、宮坂奈津2022年11月28日 20時15分 【動画】民家火災で1人死亡、7棟焼損=近隣住民提供 28日午前3時45分ごろ、千葉県松戸市古ケ崎3丁目の木造2階建て住宅で「かなり火が出ている」と近隣住民から119番通報があった。消防車15台が出動し、火は約4時間半後に消し止められたが、近隣の民家6棟にも延焼し、計6棟が全焼、1棟が一部焼けた。 松戸市消防局などによると、通報の対象となった民家の焼け跡からは50代とみられる身元不明の女性1人の遺体が発見され、この家にいた50代の男女2人も搬送された。搬送された女性は全身にやけどを負う重傷という。 道路の突き当たり、密集した住宅 現場はJR北松戸駅から西に約1・3キロの住宅街で、道路の突き当たりに住宅が密集する形となっている。近所の50代男性は「道が狭く、消防車が入りづらかったのではないか。火の勢いが強く、一刻も早く消火してほしいと祈るような気持ちでいた」と話した。 近くに住む大学生の鈴木萌さん(19)は、午前4時前に鳴り響くサイレンの音で目を覚ました。「部屋の窓から大きな煙と赤い光が見え、一気に目が覚めた」。様子を見に外に出ると、火は数軒先の家まで燃え移りそうな勢いで燃え、火の粉が家の前の道路まで飛んできたという。 現場近くに住む50代主婦は「電線を通じて向こうの家に火が燃え移っていくのが見えた」と話した。 専門家「電線たどって火が移る場合ある」 火災の出火原因などを調べる民間機関、法科学鑑定研究所の冨田光貴研究員は「火事が屋外の電線に燃え移り、何らかの原因によって電線から漏電があった場合に、電線をたどって周辺に火が燃え移る場合もある」と話した。 銚子地方気象台によると、松戸市に近い我孫子市の風速は28日午前4時時点で西北西の風1メートルだった。(高橋淳、上保晃平、宮坂奈津) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小学6年の2.27%がヤングケアラー さいたま市の初調査で判明
川野由起2022年11月28日 20時25分 親の介護やきょうだいの世話などをする子ども(ヤングケアラー)について、さいたま市教育委員会は28日、市立の小中高校などの児童・生徒を対象に行った実態調査の結果を発表した。 今回初めて調査した小学6年生では2・27%が「家族の世話をしている」と回答。調査をうけ、各学校では世話をしていると回答した児童や生徒に個別に面談を実施していくという。 調査は9月5日から16日の間、市立小学校の6年生と、中学・高校・中等教育学校の1年生の計2万3398人を対象に行った。うち2万565人(87・9%)から回答があった。 小学校6年生で「家族の世話をしている」と回答したのは、235人(2・27%)だった。細田真由美・教育長はこの日の会見で「決して少なくない数字だ」と述べた。 世話を必要としている家族(複数回答可)は「きょうだい」が最多の127人、「お母さん」が74人、「お父さん」が46人と続いた。 世話の内容(複数回答可)は、「見守り」が91人と最多、食事や掃除などの「家事」が80人、「話を聞く」が65人と続いた。 中高生については、中学・中等教育学校の1年生の2・79%の265人、高校1年生の1・14%の8人が、家族を世話していると回答した。 市教委によると、昨年は市立中高・中等教育学校の全生徒3万4606人を対象にした調査を実施(回答があったのは3万279人、回答率87・5%)。1287人(中学・中等教育学校1273人、高校14人)が「世話をしている家族がいる」と答えた。学校の教員が個別に面談を行い、うち14人を急ぎ支援が必要と判断し、各区の支援課につなぐなどの対応をしたという。(川野由起) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野県議、妻を窒息死させた疑いで逮捕 昨年9月に自宅で
2022年11月29日 0時56分 長野県塩尻市の自宅兼事務所で昨年9月、妻を殺害したとして、県警は28日、県議の丸山大輔容疑者(48)を殺人容疑で逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。 逮捕容疑は、昨年9月29日の午前0時ごろから午前6時45分ごろまでの間に、丸山容疑者が経営する酒造会社「笑亀酒造」の事務所と自宅を兼ねた建物内で、妻の希美さん(当時47)を何らかの手段で窒息死させたというもの。 県警によると、希美さんは9月29日午前6時45分ごろ、事務所内で倒れているところを家族に発見された。捜査関係者によると、遺体には首を絞められた痕と、抵抗した際にできたとみられる擦り傷が確認されたという。 丸山容疑者は自民党県議団に所属し、現在2期目。県議会総務企画警察委員会の委員長を務めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル