山上容疑者を公選法違反でも追送検 量刑に影響? 元裁判官の見方

有料記事渡辺七海 浅田朋範 阿部峻介2023年2月13日 22時16分 安倍晋三元首相の銃撃事件で殺人などの罪で起訴された山上徹也容疑者(42)について、奈良県警は13日、銃の自作や試し撃ち、選挙妨害など五つの容疑で追送検し、発表した。県警によると、銃撃事件をめぐる捜査で浮上した容疑は全て送検を終えたという。今後、奈良地検が追起訴するか判断する。 送検したのは、①自宅で無許可で武器を製造し、6丁の銃を所持した武器等製造法違反や銃刀法違反(複数所持、加重所持など)②自宅やガレージなどで火薬を作り、所持した火薬類取締法違反(無許可製造、無許可所持)③山中で手製銃を試し撃ちした銃刀法違反(加重所持)と火薬類取締法違反(無許可消費)④銃撃事件前日、奈良市内の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連施設が入っていた建物を銃撃した建造物損壊と銃刀法違反(発射、加重所持)⑤事件当日に選挙活動を妨害した公職選挙法違反(自由妨害)――の疑い。県警は認否を明らかにしていない。 銃撃事件は参院選投開票日の2日前、安倍氏が自民党候補の応援演説中に発生した。捜査関係者によると、選挙妨害を処罰対象にする公職選挙法を適用するかどうか議論があったという。県警はこの日、山上容疑者に選挙妨害の意思があったかどうかは説明せず、「従来の解釈にあてはまると断定できないが、警察として捜査をとげ、検察庁の判断を仰ぐべく送致した」としている。 安枝亮・県警本部長は、「県…この記事は有料記事です。残り792文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 旧統一教会問題2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

名古屋の夫婦強殺、差し戻し審で検察が死刑求刑 「罪責極めて重い」

高橋俊成2023年2月13日 18時05分 名古屋市南区で2017年3月、80代夫婦を殺害して現金入りの財布を奪ったとして強盗殺人罪に問われた無職山田(旧姓・松井)広志被告(48)の差し戻し審の裁判員裁判が13日、名古屋地裁であった。検察側は「罪責は極めて重い」として死刑を求刑した。14日の弁護側の最終弁論で結審し、判決は3月2日に言い渡される予定。 検察側は論告で、金銭に困窮した被告が強盗目的で被害に遭った夫婦宅に押し入ったと指摘。パチンコなどに興じて借金の返済ができなくなるといった犯行に至る経緯のほか、包丁や小刀で繰り返し被害者2人を攻撃するなどの残虐性を踏まえ、「死刑を科すことがやむを得ない」と主張した。 弁護側は公判で、被告が昨年、末期がんを患って余命が短いと医師に宣告されたことを明らかにしたが、検察側は「犯行後の事情で、がんだから刑を軽くするという合理的な根拠もない」として、酌むべき事情に当たらないとした。 この日は殺害された大島克夫さん(当時83)と妻のたみ子さん(当時80)の遺族が被害感情を訴えた。60代の長男は夫婦が8人の孫をかわいがっていたことなどを話し、「何の落ち度もない両親の命を奪った被告を一生憎みます」と訴えた。 差し戻し前の一審判決は検察の死刑求刑に対して強盗殺人罪の成立を否定し、殺人と窃盗の罪を適用して無期懲役を宣告。だが、二審は「強盗目的を優に推認できる」と判断して審理を差し戻した。(高橋俊成)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

SMBC日興に罰金7億円、追徴金44億円 株価操作事件で地裁判決

 SMBC日興証券による株価操作事件で、東京地裁(神田大助裁判長)は13日、いずれも金融商品取引法違反(相場操縦)の罪で起訴された、法人としての同社に罰金7億円と追徴金約44億7千万円(求刑罰金10億円と追徴金約44億4千万円)、エクイティ本部の元副本部長・杉野輝也被告(57)に懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。 判決は「市場のゲートキーパーである大手証券会社は法を厳に順守する範となるべき立場にあり、非難の程度は重い」と指摘した。 判決によると、日興は2019~21年、東証1部上場(当時)の10銘柄について、市場が閉まる直前に計約44億円の自社資金で大量の買い注文を入れるなどし、終値を安定させる操作をした。杉野被告はこのうち1銘柄で起訴され、有罪が認定された。 10銘柄は大株主の保有株を市場外で買い取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引の対象だった。売買価格は取引日の市場の終値が基準となり、日興は約10億9千万円の差益を得たと認定された。 判決は、この取引は投資家の「空売り」を誘発して株価の下落を招く問題があり、下がりすぎると大株主が取引を止める恐れがあったと指摘。日興は「有効な手立てを講じず、当座の利益を優先させた安易な姿勢で、自社資金での買い支えを重ねた」と批判した。 そのうえで日興社内ではコンプライアンス部門が違法性に気づきながら放置されるなど、「違法行為を監視・防止する機能は形骸化していた」と述べた。「複数の幹部による違法行為を容易に許した社内風土にも根深い問題があった」とし、「会社の監督過失の程度は大きい」と結論づけた。杉野被告については「違法性を認識しながら安易に了とした責任は重い」と指摘した。 日興側は他にも元副社長・佐藤俊弘被告(60)ら5人が起訴されたが、起訴内容を否認しているなどの理由で公判は分離され、初公判の期日は決まっていない。 日興は「判決を重く受けとめ、関係者に心よりおわび申し上げます。再発防止の取り組みを着実に実行し、信頼回復に努めます」というコメントを出した。(植松敬)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

埼玉3人殺害 容疑者の鑑定留置を開始 4カ月間の予定

2023年2月13日 19時00分 埼玉県飯能市の住宅で昨年12月、親子3人が殺害された事件で、さいたま地検は13日、3人への殺人などの容疑で逮捕された近所の無職斎藤淳容疑者(40)について、刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を始めた。期限は6月13日までの予定。 事件は昨年12月25日に起きた。斎藤容疑者は、現場の住宅に住む米国籍の無職ビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)を殴打して殺害しようとしたとする殺人未遂容疑で同日逮捕され、後に殺人容疑で送検された。1月16日にはビショップさんの妻(68)、2月6日には夫妻の長女(32)への殺人容疑で再逮捕された。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

Eagles name Masahiro Tanaka as opening day starter

Kin, Okinawa – Former New York Yankees pitcher Masahiro Tanaka will be the Tohoku Rakuten…

【そもそも解説】再審可否の決定が出る「日野町事件」 自白の評価は

 1984年に起きた「日野町事件」で、大阪高裁(石川恭司裁判長)は27日、裁判のやり直し(再審)を認めるかどうかの決定を出すことになりました。強盗殺人罪で無期懲役判決が確定した阪原弘・元被告は服役中に75歳で死亡したため、遺族が「死後再審」を求めています。何が争われているのでしょうか。これまでの司法判断を含めて解説します。 Q どんな事件なのでしょうか。 A 滋賀県日野町で84年12月、酒店経営の女性が行方不明になりました。翌年1月に遺体が、3カ月後に店の金庫が町内の別々の場所で見つかりました。県警は88年、店の常連だった元被告に任意で事情を聴いたところ、女性を殺害して金庫を奪ったと自白したため、強盗殺人容疑で逮捕しました。 Q 裁判の結果は? A 元被告は公判では無罪を訴え、自白したのは「取り調べで警察官から暴行や暴言を受けたためだ」と主張しました。しかし、大津地裁は95年、無期懲役を言い渡しました。自白は信用できないものの、元被告が警察による「引き当て捜査」で遺体の遺棄現場や金庫の発見現場に警察官を案内できた間接事実などから有罪としました。 大阪高裁は「間接事実だけでは元被告を犯行と結びつけられない」とした一方、自白について「根幹部分は十分信用できる」として元被告側の控訴を棄却しました。 地裁と高裁は、自白と間接事実の証拠の評価は違うものの、「有罪」という同じ結論を導き、最高裁も支持。2000年に有罪が確定しました。 Q 「死後再審」とは? A 刑事訴訟法は、有罪判決…この記事は有料記事です。残り1115文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

青竹を床にガシャガシャ ユネスコ無形文化遺産「見島のカセドリ」

 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に2018年に登録された神事「見島のカセドリ」が11日夜、佐賀市蓮池町の見島地区であった。 約380年前から伝わる神事で、みのや笠をまとった神の使い「加勢鳥(かせどり)」に扮した青年2人が、見島地区の民家20戸を訪れる。玄関から入って厄を払い、家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、先端を裂いた長さ約2メートルの青竹を床や畳に打ち付けて、ガシャガシャと鳴らす。 訪れた家ではカセドリに飲み…この記事は有料記事です。残り112文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

苦しみ続ける元信者 相談に応じてきた牧師が明かす「後遺症」

 脱会した信者は「後遺症」に苦しめられる。カウンセリングや相談窓口などのフォロー態勢をつくる必要がある――。山口県岩国市で30年以上、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)に関する相談に応じてきた、日本基督教団の牧師・村田敏さん(65)は訴える。村田さんが見てきた信者と教団、そしてマインドコントロールとは。 ――安倍晋三元首相が銃撃された事件を契機に、教団の様々な問題が取り上げられるようになりました。 信者たちに動揺はないように見えます。むしろ、「これは私たちが待っていた試練。これに耐えれば、私たちの神の国が到来する」と、より信仰を強くしていると感じます。事件を機に信者が脱会するのではないかと期待した家族からも、逆に信仰心が強くなって戸惑っているとの相談もあります。 旧統一教会はたびたび会見を開き、2世の男性信者が並ぶ様子や、教団を批判する男性の元妻である信者のインタビュー映像を流しました。こうした会見はテレビ画面の向こうにいる信者へ向けた発信、教団本部の「私たちも頑張っている」というメッセージだと思います。 ――1988年以来、山口、広島、島根を中心に400件以上の相談に乗ってきました。 役所や警察、弁護士、病院の精神科……。旧統一教会の問題で悩む家族は、様々な機関に相談します。あっちこっち行って無理だと言われ、信者になったのは家族が悪いからじゃないかと傷つけられた人もいる。恥ずかしいし、苦しい。わらにもすがる気持ちで私に連絡してきます。 私が最初に家族に話すのは、「信者に対してやってはいけないこと」。それは「責めること、怒ること、強制的に改宗させること」。責めれば責めるほど、信者は「神が私を必要としている」と、かたくなになってしまう恐れがあります。 家族にはまず、ひたすら信者の話を聞いてもらいます。教義のどこにひかれたのか、何を目的に入信したのか。機嫌を取るわけじゃなく、一生懸命聞く姿勢が大事です。 キリスト教の教義や聖書について説くことはしません。どっちが正しいかなんて話に意味は無い。信者の話を聞き続けることで、信頼関係をつくります。マインドコントロールを解くには ――マインドコントロールとはどのような状態でしょうか。記事の後半では、最近の相談内容の特徴とその事例や、「後遺症」に苦しむ元信者への支援についての提言、被害者救済新法の問題点などについても語ります 人の心を教義で外から固めら…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

フリーランスのトラブル相談が急増 「110番」開始2年で1万件超

 フリーランスとして働く人たちの労働相談に弁護士が無料で応じる「フリーランス・トラブル110番」への相談件数が急増し、開設から2年余りで1万件を超えた。フリーランスの働き方が様々な業種に広がる一方、発注元に対する立場の弱さから報酬不払いなどのトラブルが多発。まるで「社員」のように働いているのにフリーランスとして扱われ、労働基準法で守ってもらえない「偽装フリーランス」の存在など、新たな課題も浮かんでいる。 トラブル110番は、厚生労働省から委託を受けた第二東京弁護士会が手がけ、労働問題に詳しい弁護士らがメールや電話、対面などで相談に応じている。 2020年11月に始まり、21年度の相談件数は月350件程度だった。それが22年度は月500~600件ほどに増え、昨年末までの相談件数が累計で1万541件に達した。「相談の多さは予想以上だ」と担当弁護士は驚く。 相談で最も多いのが、支払いの遅延や未払い、一方的な減額など「報酬の支払い」に関するもので、全体の32・8%を占める。次いで、契約条件が不明確だったり契約書がなかったりするといった「契約内容」に関する相談が17・3%あった。 相談者を業種別でみると、配送関係が最も多く、システム開発やデザイン関係、建設や美容関係、ライターなど多岐にわたる。年代別では、30代(28・3%)、40代(25・7%)、20代(21・5%)と続いた。 厚労省の担当者は「今まで見えていなかったフリーランスのトラブルが可視化されてきている」と話す。トラブル110番に開設時から関わってきた山田康成弁護士は、偽装フリーランスについて「今後ますます増えるおそれがある」と警告している。 トラブル110番(0120・532・110)は、土日祝日を除く午前11時半~午後7時半。相談内容に応じて、労働基準監督署や公正取引委員会などの関係機関も紹介する。(遠藤隆史)有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「自由な働き方」に紛れ込む「偽装フリーランス」 ある弁護士の確信

 「フリーランス」という働き方が増えてきた。 会社に雇われるのではなく、個人事業主として仕事を営む。指揮監督や命令を受けず、自らの裁量で自由に働くことができるのが大きなメリットだ。 政府が2020年に実施した調査では、全国に推計462万人。 ただ、ひとくちにフリーランスといっても、その働き方は一様ではない。 取引先との契約、報酬の受け取り方、裁量の幅……。 そして、その中には本来のフリーランスとはかけ離れた存在も混じり込んでいる。 第二東京弁護士会の山田康成弁護士(54)はいま、一つの確信を抱いている。 「フリーランスとして扱われているのに自由がない。そんな働き方をする人たちが、どんどん増えている」 厚生労働省がフリーランスを対象にした相談窓口をつくることになり、その運営事業者を公募していると知ったのは、2020年8月のことだ。 それまでも所属する弁護士会の委員会で、フリーランス向けの1日だけの電話相談会に取り組んでいた。2度実施して、寄せられた相談はいずれも十数件。相談会を十分に周知できていなかった。 ただ、限られた事例からだけでも、問題の根深さは感じていた。働き方は「社員」と同じなのに、フリーランスとして扱われ、労働基準法などで守ってもらえない。そんな「偽装フリーランス」と呼ばれる存在が、新たな社会問題になりつつあります。働く現場で何が起きているのでしょうか。実態を追う連載を始めます。どれだけ働いても、残業代ゼロ 有休もなし 例えば、配送業界からは、こ…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル