沖縄で1万年前の人骨 旧石器人と縄文人つなぐ資料に

 沖縄県うるま市の藪地(やぶち)洞穴遺跡で、約1万~9千年前の人骨片が出土したと、8日、市教育委員会が発表した。見つかったのは頭骨の額部分で、沖縄でこれまで空白になっていた、約1万4千年前以前の「港川人」など旧石器人と、約7千年前以降の貝塚人(沖縄の縄文人)の間を埋める資料として注目される。 藪地洞穴遺跡は、九州以北では縄文時代早期にあたる時期の土器や石器が出土している。2014~16年に市教委が発掘調査し、沖縄では最古となる約1万年前の土器が出土した。 その後の出土品の整理で、石の破片と思われていたものが人骨片と判明したという。出土した上下の地層に含まれた炭化物の放射性炭素年代から、沖縄の時代区分では貝塚時代前期、九州以北の時代区分では縄文時代早期の約1万~9千年前のものと判定された。 沖縄県では港川フィッシャー…この記事は会員記事です。残り305文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

町内会で習った方法が活躍 高校生ら協力、水路に転落した男性を救助

 水路に転落した男性を救ったとして、新潟県警新発田署が5日、高校生ら3人に感謝状を贈った。たまたまその場に居合わせた通行人同士による連係プレーだった。 感謝状を贈られたのは、同市の鍼灸(しんきゅう)師生田真理子さん(58)と、新発田中央高校1年の市島悠一郎さん(15)と同じクラスの高橋心(こと)さん(同)の3人。 救出劇があったのは10月15日午後4時ごろのこと。同市五十公野の水路に転落した男性(69)を救おうと、「生きろ!」と必死で声をかける男性の兄に、近くを散歩中だった生田さんが気づいた。男性はやっと、頭だけが水面に出ている状態だったという。 119番通報をした後に生田さんが声をかけたのが、下校中に通りかかった市島さんと高橋さん。2人は男性の両腕を持って引き上げた。「男性を見て驚いたが、無我夢中だった」と市島さん。男性はぐったりした状態だったが、数年前に町内会で学んだという心臓マッサージを生田さんが続けると、約3分後に意識を取り戻したという。 生田さんは「高校生がいてく…この記事は会員記事です。残り150文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

過労死ゼロへ「一刻の猶予もない」 電通事件遺族ら、再発防止訴え 

 原因をなくせば、過労死をなくせる――。電通に入社した9カ月後に過労自殺した高橋まつりさん(当時24)の母・幸美さん(58)が8日、名古屋市内での講演で訴えた。 過労死の原因は長時間労働とハラスメント(職場での嫌がらせ)にあり、同じ企業から何人も犠牲者が出ている例があるとも指摘。働き手には「限界になるまで我慢しないでSOSを出して」と述べ、各地の労働局や労働組合に相談するよう呼びかけた。 まつりさんは2015年4月に電通に入社した。インターネット広告を扱う部署に配属されたが、睡眠が1週間に10時間ほどしかとれないなどの忙しさに悩み、同年12月25日に女子寮で自ら命を絶った。うつ病も発症していたとみられる。 その後、過労による労災だと認定された。電通は当時の社長が引責辞任したのに加え、会社として違法残業の防止を怠った労働基準法違反の罪で50万円の罰金刑も受けた。 電通側は、パワハラに該当する「行き過ぎた指導」もあったと認めた。 幸美さんは「娘は明るく社交的で、困難も乗りこえる強い子だった。病院にいく暇もなく、相談していた先輩も体調を崩していて、だれも娘を助けられなかった」と悔やんだ。 電通では1991年にも入社2年目の社員(当時24)が自殺しており、再発を防げなかったことも問題視された。 過労やパワハラに苦しむ働き手からの相談は、各地の労働局や労働基準監督署で受けつけている。平日の夜間(午後5時~10時)、土・日曜と祝日(午前9時~午後9時)も、厚生労働省が民間に委託して設けた無料相談ダイヤル(0120・811・610)がある。「上司の問題だけにしては解決せず」 被害の再発は、電通だけに限らない。 トヨタ自動車では2010年…この記事は会員記事です。残り695文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

元朝日新聞論説主幹の松山幸雄さん死去 著書に「『勉縮』のすすめ」

2021年11月9日 5時00分 知米派の国際ジャーナリストとして知られ、朝日新聞社の論説主幹を長く務めた松山幸雄(まつやま・ゆきお)さんが10月30日、心不全のため東京都内の病院で死去した。91歳。葬儀は近親者で行った。連絡先は同社秘書部(03・3545・0131)。 1953年に入社。政治部記者を経て、ワシントン特派員、ニューヨーク支局長、アメリカ総局長を歴任し、滞米取材は10年に及んだ。83年から91年まで論説主幹。昭和から平成にまたがり、冷戦終結をはさむ激動期に、朝日新聞の言論を担った。退社後は共立女子大教授として教壇に立った。 70年代から80年代にかけ、日本が国際社会で存在感を増した時期に、日本について、米国民に英語で紹介、発信した。記者としてはパイオニア的存在だった。ハーバード大のエズラ・ボーゲル教授、コロンビア大のジェラルド・カーティス教授ら、知日派識者との親交が深かった。 一方、米国体験をもとに、日本人の国際化の必要性を唱える執筆活動を精力的に展開した。日米の教育文化の比較を試みた78年の「『勉縮』のすすめ」はベストセラーに。「日本診断」「しっかりせよ、自由主義」「自由と節度」など、柔らかく達意の文章でつづった著書は多くの読者に迎えられた。 77年に吉野作造賞、78年に日本記者クラブ賞、86年に石橋湛山賞を受賞した。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大阪市教委、24年に「不登校特例校」開校を検討 夜間中学も併設

 大阪市教育委員会が、市内に住む不登校の中学生が対象の「不登校特例校」を2024年春に開校することを検討している。不登校の生徒の集団生活への適応や学習支援が狙い。市立夜間中学(夜間学級)を併設し、既存の夜間中学二つをなくす統廃合案も検討中だ。 文部科学省によると、不登校特例校は小中学校や高校など8都道府県に17校(公立8校、私立9校)ある。文部科学大臣の指定を受け、不登校の児童や生徒に配慮した特別な教育課程を編成することができる。 大阪市教委によると、市立中学校の不登校の生徒は3306人(今年3月現在)で、全生徒数に占める割合が6・48%と全国平均の4・09%を大きく上回る。今年度までに3カ所作った「教育支援センター」で不登校の生徒の学習支援や心理カウンセラーによる面談などを続けているが、さらに対策を進めるため、特例校の設置を検討している。担当者は「不登校の子どもたちへの支援は大阪市の喫緊の課題」と話す。 17年の統廃合でなくなった市立日東小学校(浪速区)の校舎を使う案が有力。市教委は、夜間中学を併設する特例校・京都市立洛友中学校をモデルに研究を進める。夜間中学に通うお年寄りや外国出身者らとふれ合うことで、不登校の生徒の学習意欲が上がり、集団にどう適応するかを学ぶ場にしたいという。天王寺・文の里の夜間学級は統廃合の対象?生徒から不安の声 これに伴い、現在四つの市立中学校に設置されている夜間学級のうち天王寺(天王寺区)、文(ふみ)の里(阿倍野区)の学級をなくし、この2学級に通う生徒は特例校に併設する夜間学級に移る案を検討している。 文科省は近年、公立夜間中学が、不登校などで十分に学べなかった中学既卒者の受け皿にもなるとして、増設を促している。こうした流れの中での統廃合案について市教委は、外国出身の生徒が急増し、日本語の指導教員が足りないことを理由に挙げる。その一方で、2学級に通う生徒からは「みな家庭の事情や仕事を抱えながら通っており、場所が変わると通えない人が出てくる」などと不安の声が上がっている。 天王寺中の大西啓嗣校長は「もしこの案を進めるのなら、いま在校する方の不利益にならないよう、卒業するまでは天王寺と文の里の夜間学級を残すことなどを検討してほしい」と話している。(宮崎亮)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

沖縄・辺野古の工事、軽石で一時中断 埋め立てやサンゴ移植

光墨祥吾2021年11月8日 20時31分 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事について、沖縄防衛局は8日、海底火山の噴火で出た軽石の影響で、埋め立てやサンゴの移植作業を一時中断していると明らかにした。 防衛局によると、先週までは軽石による工事への影響はなかったが、8日に現場の大浦湾への軽石の漂流が確認された。エンジントラブルなどの懸念から、土砂を載せた船が護岸に近づけず、船による作業が必要なサンゴの移植も一時中断しているという。 防衛局は「今後、現地の状況を踏まえ、安全に作業を実施していく」とコメントした。 沖縄本島には、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火でできた大量の軽石が漂着し、漁業被害や離島航路への支障などが出ている。(光墨祥吾)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

指原莉乃さん 大分市観光大使に4期目の就任 トリニータ戦に登場

寿柳聡2021年11月8日 20時38分 タレント指原莉乃さん(28)が、出身地・大分市で観光大使の4期目を務めることになり、7日、サッカーJ1大分トリニータの試合前に就任式があった。 トリニータサポーターでもある指原さん。愛称さしこにちなむ「345」の背番号つきシャツを着てマスコットのニータンと場内を一周し大分愛を語った。 この日の観客はコロナ禍前の2019年12月にあったシーズン最終戦以来の1万人超え。12年の初就任以来衰えぬ「さっしー」人気に市は観光復興を託す。(寿柳聡)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

福島県で震度4、マグニチュード4・9 津波の心配なし

2021年11月9日 1時35分 9日午前1時14分ごろ、福島県中通りを震源とする地震があった。同県古殿町で震度4、同県いわき市、天栄村、棚倉町、鮫川村、石川町、玉川村、浅川町、宮城県岩沼市でそれぞれ震度3を観測した。 気象庁によると、震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4・9と推定され、この地震による津波の心配はないという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

海や山に捨てられる島ネコを救いたい 利尻の保護活動で支援呼びかけ

 北海道の利尻島で活動するボランティアグループ「利尻わん・にゃんクラブ」(利尻町、安達雅枝代表)が、野良猫の保護活動への支援をネットで呼びかけている。「島ネコ」たちの不幸な死をなくすには避妊去勢手術が必要だが、獣医師がいない離島ならではの保護活動の難しさがある。 民宿を営む安達さん(46)が野良猫の保護活動に関わるきっかけとなったのは、4年前の自宅の引っ越しだ。高齢だった前の家主が餌をやっていた野良猫4匹が毎日ベランダの窓をたたき、根負けして餌をあげるようになった。そのうちに、メス猫たちが次々妊娠していった。4匹かかえて350キロ先の病院へ 島に動物病院はない。島外の動物病院に避妊去勢手術ができないかと問い合わせると、「一度に4匹の手術は無理」「ワクチン未接種の野良猫の手術はできない」と断られた。 札幌市の動物病院に片っ端から電話をかけ、手術を受け入れてくれる病院を確保。2時間かけてフェリーで稚内に渡り、約350キロ離れた札幌まで夫が車を運転した。 途中で1匹が出産を始め、車の中で4匹の赤ちゃんが生まれた。動物病院に着いたのは夜中の2時。車中で朝まで過ごし、3匹の避妊手術ができた。安達さんは「ギリギリ出産した猫と避妊を済ませた猫。どちらが猫にとって幸せな選択だったのか、複雑な気持ちだった」という。厄介者、山に埋められることも 島では高齢者らが野良猫を可愛がり、餌やりをしている。一方で、干し魚を食べたり、畑に糞尿(ふんにょう)をしたりする厄介者でもあり、生まれた子猫を海辺や山に捨てたりするケースが後を絶たない。飼い猫もいるが、大半が野良猫出身で外飼いが多い。妊娠は自然任せで、飼っている猫が増えすぎて手に負えなくなる人もいる。 利尻島のこうした問題を知り、保護猫団体と野良猫専門に不妊去勢手術を施す獣医師が島を訪問。安達さんが相談したところ、手術場所を提供することなどを条件に、保護猫が30~40匹集まれば臨時動物病院を開設してもらえることになった。 2年前、民宿の隣の空き家2…この記事は会員記事です。残り1001文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

元香芝市議会議長らを起訴 奈良、ごみ焼却施設めぐる贈収賄事件

2021年11月8日 22時31分 奈良県香芝市のごみ焼却施設をめぐる贈収賄事件で、大阪地検特捜部は8日、元市議会議長の北川重信容疑者(72)を収賄罪で起訴し、焼却炉メーカーの和田信夫・元顧問(72)=大阪府枚方市=を贈賄罪で在宅起訴した。関係者によると、北川容疑者は起訴内容を否認し、和田元顧問は認めているという。 起訴状によると、北川容疑者はごみ焼却施設「美濃園」を管理する「香芝・王寺環境施設組合」の議員だった2018年3月~19年3月、美濃園の新設工事や焼却炉の定期修繕工事の発注に関して、焼却炉メーカーが有利な取り計らいを受けたい趣旨と知りながら、和田元顧問から15回にわたり、賄賂として計約529万円を受け取ったとされる。和田元顧問は、同社で営業に関する助言や情報収集をしていたという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル