夢見て渡った日本で「死ね」「帰れ」 技能実習生の明日
【TBSラジオ「荻上チキ・Session」 in 朝日新聞ポッドキャスト】⑤ 日本に来る技能実習生が増え続けてきたなか、多くの人が厳しい生活を強いられています。職場で「死ね」「帰れ」と言われたり、急に解雇されたり。命を絶つ人もいるそうです。 TBSラジオ「荻上チキ・Session」で放送された「朝日新聞ポッドキャスト in Session」で、パーソナリティーの荻上チキさん、南部広美さんと、朝日新聞の神田大介・コンテンツ編成本部音声ディレクターが語っています。朝日新聞デジタルでは、放送で流せなかった部分も含めたディレクターズカット版をご紹介します。その一部を記事にして公開します。 このほかディレクターズカット版では、経済危機で困窮したベネズエラの話題にもなりました。読者の声を代弁するポッドキャストのあり方も議論します。ぜひお聴きださい。 ◇ 荻上:技能実習生の方々が、コロナ禍で生活が大変になっています。このテーマについて、朝日新聞はたくさん記事を掲載していますね。 神田:ベトナム人は約41万人いて、2009年から10倍に増えたと言われています。ただ、コロナの影響で日本人でもなかなか仕事がない状況です。ベトナム人は雇用の調整弁になっていて、厳しい状況になっている。 荻上:技能実習制度で来られる方は、多額の借金を背負っている方も多いですよね。それを返すために劣悪な労働を強いられても、逃げることができない。そういった問題は、多くの方がご存じだと思います。今回リポートした平山亜理記者は、どんな方ですか。 神田:平山記者はブラジル生まれで、幼い時はエジプトに住んでいました。朝日新聞でもロサンゼルス支局長兼ハバナ支局長となり、アメリカとキューバの国交正常化や、銃乱射事件などの取材を担当していました。現在は東京本社社会部の武蔵野支局にいます。 荻上:そんな平山記者が取材した、技能実習生に関するリポートの一部をご紹介します。 ◇ 「コロナの関係で、失業しました。技能実習生として来たんですけど、いまベトナムで小さい子ども、2人いる……」 平山:話しているのは、ティック・タム・チーさんという、ベトナム人の尼さんです。埼玉県本庄市の大恩寺で、大勢のベトナム人の若者を預かっているんです。…