離島防衛を想定した陸上自衛隊と米海兵隊による国内最大規模の日米共同訓練が、14日から31日までの日程で行われている。沖縄の基地負担軽減を目的として県外に移されていたが、今回は沖縄が訓練地の一つに加わった。県が自粛を求めるなか、陸自のオスプレイも初めて県内に飛来する。防衛力の「南西シフト」に伴う地元との摩擦はさらに強まりそうだ。 訓練名は「レゾリュート・ドラゴン(不屈の龍〈りゅう〉)」。二つの日米共同訓練を整理・統合する形で2021年から始まった。きっかけは、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備されている米海兵隊のオスプレイの訓練を県外に移す代わりに、経費を日本側が負担すると日米両政府が16年に合意したことだ。 当時、沖縄の負担軽減を後押しする姿勢を示すことで、普天間飛行場の県内移設に反対する県の理解を求める狙いがあり、県も「一定の評価をする」とした。これまで日本側が少なくとも87・2億円を負担し、18回の訓練が県外に移された。このうち2件にあたるレゾリュート・ドラゴンも21年は主に東北、22年は北海道で実施された。 防衛省幹部「沖縄の負担軽減は続けるが…」 だが、3回目となる今回は九… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「1日10万円稼げ」母娘が男に強いられた売春 届きにくい支援の手
マンションの駐車場に深夜、住民が普段見かけない車が止まっていた。中には、母親(46)と娘(20)、就学前の息子が乗っていた。 不審車との通報を受け、聞き取りに来た警察官に娘が言った。「母親と男に売春をさせられている」 それまで約2カ月の間、母娘は男から「毎日10万円」のノルマを課され、寝る間もない売春を続けていた。そんな生活がようやく終わった。今年2月12日、福岡県内での出来事だ。 福岡県警は今年6月、娘に売春を強要したとして母親と、その交際相手で会社員の男(42)を売春防止法違反(困惑等による売春)の疑いで逮捕。同罪に問われた2人の裁判が8月に始まった。 母親はなぜ、男に操られるように金を渡し続け、娘にまで売春を強いたのか。検察側の冒頭陳述や、被告人質問などをもとに事件の経緯をたどる。 初公判で、起訴内容について「だいたい合っています」と、うつむきながら小さな声で答えた母親。2013年ごろ、母親が自身で続けていた売春の客として知り合ったのが、今回の男だった。何度か連絡を取り合い、会っているうちに、交際関係にあると思い込まされた。 1日1万円→10万円 引き上げられたノルマ 男は「娘にも仕事させろ」 次第に、男から金に困っているなどと相談され、売春で得た金を男に渡すことが増えるようになった。別々に暮らしていたが、男がインターネットで注文した私物を着払いで受け取らされることもあった。 20年夏ごろ、男は母親に結… この記事は有料記事です。残り3015文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【締め切り迫る】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら きょうも傍聴席にいます。 事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。2017年9月~20年11月に配信された30本を収録した単行本「ひとりぼっちが怖かった」(幻冬舎)が刊行されました。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
逮捕の部員2人、昨年度は同部屋 4人任意聴取 日大アメフト部薬物
日本大学アメリカンフットボール部員が麻薬取締法違反罪で起訴された事件で、警視庁は16日、別の4年生の男子部員(21)を、密売人から大麻を買ったとして麻薬特例法違反容疑で逮捕した。認否は明らかにしていない。同部の部員の逮捕は2人目。 捜査関係者によると、男子部員は今年、東京都内で、大麻と認識しながら密売人から薬物を購入した疑いがある。逮捕容疑となった薬物は見つかっていないが、捜査で押収したスマートフォンの解析などから、譲り受けたと判断したという。 日大アメフト部を巡っては、警視庁が8月3日に学生寮を家宅捜索。同5日、3年生部員の北畠成文(のりやす)容疑者(21)が覚醒剤取締法違反容疑などで逮捕され、合成麻薬と思っていたとして麻薬取締法違反罪で起訴された。 北畠被告は大麻について、警視庁に「他の部員と吸った残り」と説明。警視庁は8月22日、学生寮に2度目の家宅捜索に入り、3~4年生の部員4人から任意で事情を聴いていた。捜査関係者によると、今回逮捕された男子部員はこの4人のうちの1人で、昨年度、北畠被告と学生寮で同部屋だったという。 事件を受け、日大は8月24日付で第三者委員会を設置。文部科学省は日大に調査・検証と報告を求めた。日大は同部を無期限の活動停止処分にしている。 同部をめぐっては、8月下旬、部員へのパワハラ行為があったとしてコーチが解任され、9月中旬には20歳未満の複数の部員の飲酒が発覚した。(福冨旅史、御船紗子) 日本大学アメリカンフットボール部での薬物をめぐる経緯 (捜査関係者への取材による) 昨年以降 警視庁や日大側に薬物に関する匿名の情報提供 7月6日 日大側が学生寮内で植物片などを確認 18日 日大から警視庁に植物片などが見つかったと連絡 22日 日大が保護者説明会 8月2日 日大が「違法薬物は確認できていない」と表明 3日 警視庁が学生寮を家宅捜索 5日 警視庁が3年生部員の北畠成文容疑者を逮捕 8日 日大の林真理子理事長らが記者会見 22日 警視庁が学生寮を2度目の家宅捜索 10月16日 警視庁が4年生部員を逮捕 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校授業料、奈良県が63万円公費負担案 「完全無償化」は見送り
奈良県が、来年度の実施をめざす高校授業料無償化の制度案を固めたことが16日わかった。世帯年収910万円未満とする所得制限を設け、私立高校を含めて生徒1人あたり年63万円を上限に授業料を公費負担する。上限を超す授業料は保護者の負担になる。近く発表する方針。 関係者への取材でわかった。県は関連予算を来年度当初予算案に盛り込む。高校授業料の無償化は、日本維新の会公認候補だった山下真知事が4月の知事選で公約に掲げ、制度について私立高校側と協議を進めてきた。所得制限の撤廃も検討したが見送った。 対象は県内在住で県内高校に通う1~3年生。県外の高校に通う場合は外れる。世帯年収910万円以上の世帯でも、子どもが多い場合は5万9400円を公費から出す。 大阪府は上限を超える授業料を学校側の負担とする「キャップ制」を設けているが、奈良県は私学側から反対の声もあり、保護者負担とした。 現行、公立は年収910万円未満の世帯は2014年度から授業料が実質無償化されている。私立に通う生徒は世帯年収で額が異なり、年収590万~910万円未満の世帯へは11万8800円、同590万円未満の世帯へは年39万6千円などの支援制度がある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ性加害、当事者の会「所属していない人も補償の対象に」
旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.(スマイルアップ))の創業者、故ジャニー喜多川氏からの性被害を訴える元ジャニーズJr.らでつくる「ジャニーズ性加害問題当事者の会」は16日、事務所に対し、所属していなかった被害者も補償の対象に含めることなどを求める要請文を発表した。当事者の会には、事務所に所属していたか不明だという被害者からも多く相談が寄せられているという。 補償をめぐっては、事務所が9月中旬に、元裁判官の弁護士らで構成される「被害者救済委員会」を設置。過去の判例などをもとに補償額を算定し、11月から補償を始めるとしている。10月2日にあった事務所の会見では、325人が被害を申告し、補償を求めていることが明らかになった。 要請書では、事務所が補償の対象として事務所のタレント・研修生として所属していた人や、現役タレントに限定している点を指摘。当事者の会には、オーディションに呼ばれた日に性被害を受け、それが原因で事務所に入らなかったという人や、所属していたかどうか不明という人からも相談が寄せられているという。「被害に遭った自分は補償対象とされるのかどうか、不安にかられ、さらに落胆したメッセージが多く寄せられており、可視化されていない『ジャニーズ外の被害者たち』も無数に存在している」とし、補償の対象を所属していた人に限らないよう要望している。 また、被害者の家族も精神的… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄・宮古島で最大震度4の地震を観測 津波の心配はなし
16日午後7時42分ごろ、沖縄県・宮古島近海を震源とする地震があり、同県宮古島市下地で最大震度4を観測した。気象庁によると、震源の深さは約40キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・0と推定される。この地震による津波の心配はないという。 気象庁によると、各地の震度は以下の通り。 [震度1以上が観測された地点] 【震度4】宮古島市下地 【震度3】宮古島市平良下里 宮古島市城辺福北 宮古島市平良池間 宮古島市上野新里 宮古島市伊良部前里添 宮古島市平良狩俣 宮古島市城辺福西 宮古島市上野支所 宮古島市平良西里 宮古島市下地島空港 【震度2】石垣市平久保 多良間村塩川 【震度1】石垣市登野城 石垣市新栄町 石垣市伊原間 南城市知念久手堅 座間味村座間味 渡名喜村渡名喜 久米島町謝名堂 久米島町仲泊 久米島町比嘉 多良間村仲筋 竹富町大原 竹富町黒島 竹富町上原小学校 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
事実婚や性的少数者向け「パートナー制度」、神戸市が12月導入へ
神戸市が事実婚や性的マイノリティーのカップルについて婚姻と同様の関係であると証明する「ライフパートナー制度」を、12月下旬に始める予定であることが、市への取材で分かった。法的な保障ではないものの、制度利用者には市営住宅での同居など行政サービスで配慮がなされる方針。 市によると、婚姻していない18歳以上の2人が市に住民票などを提出し、受領証を受け取る形式を想定。1人が市内居住か、その予定がある必要がある。 他都市では対象者を性的マイノリティーに限る場合も多いが、神戸市は事実婚も含めたのが特徴という。 市は10月下旬から市民に意見を募り、12月下旬に制度を始める予定。市は携帯電話の家族割引や生命保険の受け取りなど民間で活用されることも期待している。 市によると、性的マイノリティーを支援する制度は今年7月時点で、県内では尼崎市、明石市、西宮市、姫路市、加古川市など15市町で導入されている。明石市には事実婚カップルを含めて認定する制度があるが、その他の市町では主に性的マイノリティーのみを想定しているという。 全国に20ある政令指定都市で、同様の制度がないのは神戸市と仙台市のみで、仙台市も来年度中に制度を導入する方針。(小川聡仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男女別出席簿、東京都内で全廃 唯一残る多摩市が「男女混合」に移行
学校現場で出欠をとる時などに性別で分けた「男女別出席簿」について、東京都多摩市の市立中学校が来春から廃止することが市教委への取材でわかった。50音順に並べる「男女混合出席簿」に移行する。都議の調査によると、都内の公立小中では同市の中学校のみで男女別出席簿が残っていた。 男女平等の観点から、都内では1980年代ごろから男女別の出席簿を徐々に男女混合に移行。漢人明子都議(無所属)の調査によると、今年度も男女別を残していたのは、多摩市の中学校のみだった。 市教委教育指導課の担当者は「システムの都合上、今年度は1校のみで先行的に男女混合出席簿を実施した」と説明。残る8校も来年度から切り替える予定だという。「最後になったが、特に対応が遅かったとは考えていないし、丁寧に対応してきた結果だ」と釈明した。 漢人氏は「既に切り替えているところからは『いまだに』と驚かれるが、当然切り替えるべきだった基本的な環境がやっと整った。変わらないと言われる実態も見直していく必要がある」と話した。(上田学) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「人懐っこい笑顔が」校長言葉詰まらせ 海中の車で小学生ら5人死亡
三重県南伊勢町の岸壁付近で15日、海中に沈んだ乗用車の中から同県伊勢市朝熊町の自営業、羽根正樹さん(37)と羽根さんの小学生の子ども4人が遺体で見つかった。県警は16日、近く遺体を司法解剖する方針を明らかにした。5人に目立った外傷はなく、死後数日経っているという。 羽根さんのほか小学6年の長男聖夏(せな)さん(12)、小5の次男怜皇(れお)さん(10)、小3の三男蘭琉(らる)さん(9)、小1の長女芽杏(めあ)さん(7)が見つかった。捜査関係者によると、車は上下さかさまの状態で沈んでいて、車内から釣りざおやクーラーボックスなども見つかった。釣りに来た羽根さんが運転を誤って転落した可能性も含め、県警は事件と事故の両面で調べている。 県警によると、羽根さんらは11日早朝に自宅を出たが、2日後に妻が「帰ってこない」と警察に行方不明届を出した。県警は防犯カメラの映像などから捜索範囲を絞り込み、車を発見。妻は、通学時間に間に合うよう羽根さんが子ども連れで早朝から釣りに出かけたことが過去にもあったと説明しているという。 現場は、海沿いを走る国道から約200メートル南にある約3・5メートル幅のコンクリートの岸壁で、柵や車止めはなかった。地元の人によると、かつてはブリの定置網漁などが行われていたが、埋め立てなどをして岸壁を整備。釣り人が来ることもあるが、明かりもないため夜は真っ暗だという。 近所に40年近く住む男性(64)は「車が海に落ちたのは初めて聞いた。岸壁に車止めがないこともあり、岸壁近くの草地に車を止める人が多いのだが……」と話した。 きょうだい4人が通った小学校の校長は取材に「言葉にできない悲しみを感じている。教師としてこんなにつらいことはない。教職員もみな同じ気持ちです」と言葉を詰まらせた。 地元からは悼む声「地域の宝が…」 家族を知る地元の人や現場周辺からは、悼む声が相次いだ。 現場の近くに住む男性(64)は15日昼に異変に気づいた。警察や消防などの車両が岸壁付近に集まり、夕方までかかって車を海から引き揚げた。「自分の孫と同じ世代の子どもが4人も亡くなり、胸が痛みます」 別の近所の男性(80)によると、岸壁で釣りをする人は1日に数人程度。アジやアオリイカなどを狙う人が多いという。「明るければ危険な場所もなく、釣り人の大半は高齢者。ニュースには驚いた。子どもたちが気の毒です」と語った。 きょうだいが通っていた伊勢市の小学校では16日朝、緊急の全校集会を開き、校長から4人が亡くなったことが伝えられた。校長によると、ニュースや親から聞いて知っていた児童が多い中、泣きじゃくる子たちの声が体育館に響いたという。 普段は集団登校だが、学校側は子どもたちのショックを考慮し、登校前に保護者に緊急メールで可能な限り送ってほしいと依頼。学校まで子どもを車で送る保護者が多かったという。 取材に応じた校長は、4人に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
イベント制作会社「セイムトゥー」が全面否認 五輪談合事件の公判
東京五輪・パラリンピックをめぐる談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪に問われたイベント制作会社「セイムトゥー」前社長・海野雅生被告(56)と法人としての同社の初公判が16日、東京地裁であった。海野前社長は、競争入札で受注したテスト大会業務と随意契約だった本大会業務などの、いずれについても「談合していません」と述べ、無罪を主張した。一連の公判で、起訴内容を全面否認したケースは初めて。 事件では、大会組織委員会が発注した大会運営業務について、競技会場ごとに受注業者を事前に決めたとして、広告最大手「電通」など法人6社と各社の担当幹部ら6人、組織委の大会運営局元次長の計7人が同罪で起訴された。 この日は、広告大手「東急エージェンシー」と同社元執行役員・安田光夫被告(61)の初公判もあった。東急側は、競争入札分の談合は認めたが、随意契約分の認否は来年の次回公判で示すとして留保した。 東急エージェンシーは本大会分の認否留保 安田元役員は「(随意契約の)本大会分については知らない。談合の全体像を知らされていなかった」と説明した。その上で「電通と(組織委)元次長が仕切りをしていると感じていたが、それに乗っかった。社内で問題提起したにもかかわらず、公正取引委員会に通報しなかったことは反省している」と述べた。 これまでの公判では、組織委元次長は起訴内容を全面的に認めた。電通側は東急側と同様に随意契約分の認否を留保し、否認を視野に調整している。全体の契約金は約437億円で、随意契約分が約99%を占める。(藤牧幸一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル