4月13日、haluさん(34)の父が亡くなった。 末期の膵臓(すいぞう)がんで「余命3カ月」と宣告されてから1年4カ月後。 1年以上も長く生きたのは、大好きなバイク「Ninja ZX-6R」のおかげだと思う。 調理師として全国のホテルを渡り歩いた父。 休みは平日ばかりで、家族で出かけた記憶がほとんどない。 それでも、父が自宅で作ってくれるカレーは格別においしかった。 時間をかけてタマネギを炒め、じっくり煮込んだ洋風カレー。 分量や手順が書かれたメモを参考に作ってみたが、どうやっても同じ味にならない。 カレーを目にするたびに「もう食べられないのか」と、いなくなったことに気づかされる。 ◇ 父は数年前から、自宅がある熊本から遠く離れた仙台に単身赴任していた。 学生時代にバイクに乗っていたそうで、普通二輪免許は持っていた。 家族に内緒で中型バイクを買い、さらに大型二輪免許まで取ってZX-6Rに買い替えたらしい。 カワサキのバイクといえばライムグリーンが人気だが、あえて黒を選んだところに父らしさを感じた。 がんの告知を受けたのは、購入から半年しか経っていないころ。 休職し、熊本に戻ってきて抗がん剤治療のための通院が始まった。 ある日、父が「バイクの話ができる人がおらんからつまらん」とぼやいた。 この言葉に一念発起した娘は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5歳児餓死、母が語った「ママ友にマインドコントロールされるまで」
福岡県篠栗町で2020年4月、三男の翔士郎ちゃん(当時5)を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の碇(いかり)利恵被告(40)の裁判員裁判。6日に開かれた初公判では、同被告が被告人質問で、知人の赤堀恵美子被告(49)=同罪などで起訴=から様々なうそをつかれて「『支配』されて金銭を搾取された」として、出会ってからの経緯を語った。 碇被告と分離して裁判が開かれる赤堀被告は、弁護人によると「支配はしていない」と共謀について否認している。 碇被告によると、両被告の出… この記事は有料会員記事です。残り1131文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌五輪の住民投票条例案否決 機運醸成に残る課題とは
札幌市への2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致をめぐり、市民に賛否を問う住民投票を行うための条例案が6日、市議会定例会で否決された。しかし、多額の費用負担などを危惧した反対意見も、市民には根強い。このため、市は日本オリンピック委員会(JOC)と5月に立ち上げたプロモーション委員会などを通じて、情報発信を強化する方針だ。 この日、住民投票条例案が本会議で否決された後、招致について話し合う特別委員会が開かれた。 招致に賛成する民主市民連合の恩村健太郎市議は、委員会で「大会経費のうち、2千億円程度とされる大会運営費は、国際オリンピック委員会(IOC)やスポンサー収入、チケット販売でまかなわれ、税金は投入されない」と強調し、市スポーツ局の担当者に事実関係の確認を求めた。 オリパラ開催に伴う施設整備費800億円についても触れ、「札幌市負担分は既存施設の建て替えや刷新のための450億円にとどまり、これらは大会開催の有無にかかわらず、将来必要となる費用だ。こういう仕組みを今まで以上にしっかり発信し、市民理解を得ることが必要だ」と求めた。 こうしたやりとりの背景には… この記事は有料会員記事です。残り462文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
IR問う住民投票を 大阪府民の署名21万筆提出 知事「必要ない」
大阪府と大阪市が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致について、市民団体が6日までに、是非を問う住民投票の実施を求める署名を約21万筆集め、府内72市区町村の選挙管理委員会に提出した。各選管が署名が有効かどうか審査する。有効数が法定の約14万6千(府内の有権者数の50分の1)を超えれば、市民団体側が知事に対し、住民投票条例制定を直接請求する。 署名は、市民団体「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」が約2カ月間で集めた。共同代表ら4人が6日、大阪市内で記者会見を開いた。 山川義保事務局長は「最後の1週間で一気に増えた。府民の強い意志やエネルギーを感じた」と話した。署名の年代別では、当初は高齢者が中心だったが、最後にツイッターの投稿が拡散し、若い世代が急増したという。 また、中野雅司共同代表は「(大阪)都構想の時、維新は住民投票が『究極の民主主義』だとして2度実施した。今回の住民投票も実現してほしい」と話した。 府選管によると、地方自治法… この記事は有料会員記事です。残り484文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生命の起源は宇宙から?仮説を後押し リュウグウの砂からアミノ酸
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」の砂から、たんぱく質の材料となるアミノ酸が見つかった。我々はどこから来たのかという、地球の生命の起源の解明につながる可能性がある。 地球の生命の起源については、これまでさまざまな説が提唱されてきた。かつては、地球内部にある炭素などから有機物ができ、それが生物になるといった説が一般的だった。 70年ほど前、米国の化学者、スタンリー・ミラー博士が、原始の地球の大気を模したメタンやアンモニア、水、水素を入れたフラスコの中で火花を飛ばし、数種類のアミノ酸をつくった。アミノ酸という有機物が、無機物などから直接つくり出せることは、生命の起源を考えるにあたって当時は大きな衝撃だったという。 隕石や彗星で地球に運ばれた? ところが、原始の地球の大気… この記事は有料会員記事です。残り753文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手向けられた花、1千束以上 知床事故の献花台を斜里町役場に移設
北海道・知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故をめぐり、斜里町は6日、遺体安置所だった町営体育館に設けていた献花台を町役場に移設した。 体育館は、事故翌日の4月24日に11人が発見されて以降、遺体安置所として使われた。5月2日までに見つかった14人の遺体すべてが家族の元に戻った後は、入り口に献花台を設置。町によると、献花台にはこれまで1千束を超える花が手向けられているという。 一方で、町営体育館の通常利… この記事は有料会員記事です。残り281文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「死の真相、明らかにして」 ウィシュマさん訴訟、遺族の思い届くか
昨年3月に名古屋出入国在留管理局でスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が収容中に死亡した問題で、遺族が国に計約1億5600万円の損害賠償を求めた訴訟の弁論が8日、名古屋地裁で始まる。国は請求の棄却を求めて争う方針。遺族は当日法廷で「死の真相を明らかにして欲しい」と訴える予定だ。 遺族が問題視するのは、昨年1月中旬以降、食欲不振など次第に体調が悪化したウィシュマさんに対する名古屋入管の対応だ。具体的には、仮放免を認めずに収容を続けたうえ、適切な医療措置を取らなかったと指摘。訴訟では、これらの入管の対応とウィシュマさんの死亡との間に因果関係が認められるかどうかが焦点となる。 訴訟のポイントは? 特にポイントになりそうなのは亡くなる19日前の2月15日に行われた尿検査の結果を受けての対応の適否だ。訴状によると、脂肪が分解された時に出る物質「ケトン体」やたんぱく質などは「3+」と基準値を超え、飢餓状態で、腎機能障害などの恐れもあることを示していた。 ウィシュマさんは検査後、入管に「外部の病院に行きたい」などとして仮放免を申請したり、点滴を打って欲しいなどと訴えたりした。だが入管は申請を認めず、3月4日に外部の病院を受診させたものの、受診先は「精神科」だった。遺族側は、検査結果を踏まえて入管が仮放免を認めるか、点滴など適切な医療措置を講じていれば亡くならずに済んだと主張する。 検査結果について、内科医で医療ガバナンス研究所(東京)の上昌広理事長は「『3+』は高度な飢餓と脱水症状がある時に出る数値。即座に入院させて点滴を受けさせないと死の危険があることは明白だ。精神科を受診させていること自体がおかしい」と入管の対応を疑問視する。 出入国在留管理庁が昨年8月… この記事は有料会員記事です。残り1225文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博多祇園山笠、祭りを盛り上げるちょうちん作りピーク
藤脇正真2022年6月6日 19時00分 博多の夏の風物詩「博多祇園山笠」(7月1日~15日)を前に、福岡市博多区の門田提灯(ちょうちん)店では、祭りに欠かせない提灯作りがピークを迎えている。 祭り期間中、山笠行事の際に携えたり、各町の詰め所に掲げたりして、祭りを盛り上げる。 店内には「大黒流」や「町総代」といった町名や役職名が墨書きされた提灯が所狭しと並ぶ。4代目の門田明寛さん(60)らがすべて手書きで仕上げる。 7月上旬までに約300個を完成させるという。(藤脇正真) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寛仁さま逝去10年 「十年式年祭」に母の百合子さまなど皇族方参列
多田晃子2022年6月6日 19時50分 寛仁(ともひと)さまが逝去して10年にあたる6日、東京都文京区の豊島岡墓地で「十年式年祭 墓所祭」が営まれた。 4日に99歳の誕生日を迎えた母の三笠宮妃百合子さまをはじめ、寛仁さまの長女彬子(あきこ)さまと次女瑶子さま、高円宮妃久子さまと長女承子さまの皇族方のほか、元皇族が参列し、拝礼した。百合子さまは車いすで参列した。宮内庁によると、三笠宮家で相談のうえ、高齢の百合子さまの負担を考慮し、彬子さまが玉串を捧げて拝礼した。(多田晃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東電旧経営陣3人、12~1月に控訴審判決か 原発事故で強制起訴
2011年の東京電力福島第一原発事故をめぐり、津波対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人に対する控訴審の第3回公判が6日、東京高裁(細田啓介裁判長)であった。検察官役の指定弁護士は3人を無罪とした一審・東京地裁判決の破棄を求め、弁護側は改めて無罪を主張して結審した。判決は12月から来年1月ごろになる見通し。 起訴されているのは勝俣恒久・元会長(82)、武黒一郎・元副社長(76)、武藤栄・元副社長(71)の3被告。争点は一審に続き、3人が巨大津波の発生を予見できたかと、その上で事故の防止策がとれたかだ。 指定弁護士「一審判決は誤り」 19年の地裁判決は、国が02年に公表した地震予測「長期評価」の信頼性を否定し、「原発を停止するほどの予見可能性はなかった」と判断した。 この日、指定弁護士は、事故の賠償責任を問う民事裁判で長期評価の信頼性が認められた例を挙げ、一審判決は誤りだと訴えた。「信頼性が認められれば一審判決の正当性は根底から覆る」と述べた。 一方の弁護側は、刑事裁判と民事裁判の事実認定のあり方は違うとして「一審判決が誤りだとする根拠にはならない」と反論した。 今回の刑事裁判に被害者として参加する遺族らの代理人によると、高裁は結審後、判決期日を12月から来年1月ごろに指定すると説明したという。(村上友里) 記事後半では、控訴審判決の注目点を解説します。 ■高裁、原発事故どうとらえる… この記事は有料会員記事です。残り666文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル