アニメや漫画のファンが作品の舞台となった場所を訪れる「アニメツーリズム」がいまも全国で盛んだ。自治体や地元の商店街は観光客を呼び込もうと、あの手この手で工夫を重ねている。作品がきっかけで移住する人もいる。(滝沢貴大)
大阪府との県境に位置する漁師町、和歌山市加太の生活用品店「小嶋一商店」には4月以降、店の外観を写真に撮る人が後を絶たない。店主の小嶋修一さん(61)によると、週末には多い日で30~40人が訪れるという。
きっかけは和歌山市を舞台にしたアニメ「サマータイムレンダ」の放送だった。同作は2017年から集英社のウェブマガジンで連載していたSFサスペンス漫画。タイムリープを繰り返し、幼なじみの不可解な死や、島に残る因習や謎を解明する物語だ。
ガルパン、らき☆すた、花咲くいろは……。全国各地に聖地が生まれ、ファンと地元の交流が進んでいます。ファンの中には移住を決めた人も。記事の後半では、アニメツーリズムの歴史や全国の事例を紹介します。
作中では同市の景色が描かれ、登場人物が和歌山弁で会話する。小嶋一商店も登場し、作中で「島の名物」とされる、よもぎ餅も扱っていて、買い求めるファンも少なくないという。
小嶋さんもアニメを毎週見て、作品のポスターを店に貼りファンを歓迎する。「コロナで観光客も減るなか、ファンが来てくれるのは本当にありがたい」
作者の田中靖規さんは同市出…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル