日本時間の今日12日(日)15時頃から、フィリピン中部のルソン島にあるタール火山で大きな噴火が発生しています。噴煙は高度1万5000mほどの高さにまで到達しているものとみられます。
首都マニラからは、火山灰等の噴出物の摩擦で発生したと考えられる稲妻(火山雷)が観測されています。
マニラから約60km 大きな噴火は約42年ぶり
タール火山(TAAL/標高311m)は、首都マニラの南約60kmにあり、カルデラ湖であるタール湖の中央に浮かぶ火山島です。
タール火山で大きな噴火が発生したのは1977年以来で約42年ぶりです。
1911年には大爆発が起きて、全島民の1000人以上が犠牲になっているほか、1965年にはマグマ水蒸気噴火がおきて200人が犠牲になるなど、たびたび大きな被害を引き起こしています。
警戒レベル4に引き上げ
フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)は国民に向けて、タール火山の噴火活動への警戒レベルを0~5の6段階で設定して発表しています。PHIVOLCSは段階的に警戒レベルを引き上げ、日本時間の20時30分には上から2番目の4に引き上げました。
周辺では降灰が確認され、現地当局は火砕流と津波の危険性があるとして、タール火山島とバタンガス州アゴンシロとローレルという地域に避難勧告をだしてます。
マニラでは空港閉鎖 日本との空の便に影響
現地のウェザーニュース社員からは、目が開けづらいほどの降灰があり、マニラ国際空港は閉鎖されたとの情報が届いています。
飛行機の発着が停止されたのは、噴火により多量の火山灰が大気中に放出されると、それを吸い込んだエンジンが出力停止したり、窓ガラスに傷が付いて見通しが利かなくなるなど、航空機の運航へ重大な影響を及ぼすおそれがあるためとみられます。
フィリピンを発着する便だけでなく、付近を通過する国際線の飛行機も、経路の変更などで遅延が生じる可能性があります。
火山活動はさらに活発になる可能性もあるため、今後の情報に注意が必要です。
ウェザーニュース
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