鹿児島県で開かれた全国和牛能力共進会(全共)で、宮崎県高千穂町の林秋広さん(69)が若雌牛を審査する出品区(3区)で1位の優等賞首席を獲得した。5大会連続出場で最高賞受賞歴もあるベテランだが、前回は本番で牛が動揺して6位。「名誉挽回(ばんかい)」の一念で、5年前の雪辱を遂げた。
林さんは異色の牛飼いだ。
武蔵野美術大を卒業し、油彩画家として生計を立てていたが、農家だった父が倒れ、30代で帰郷。実家で飼っていた牛の世話を始めた。「牛づくりは絵に通ずるものがある」と、次第に理想の体形を追求するようになった。
5年に1度、全国の予選を勝ち抜いた牛たちが集まり、和牛のオリンピックと呼ばれる全共には2002年の岐阜大会で初出場。次の鳥取大会は系統雌牛群で出場して優等1席。内閣総理大臣賞にも輝いた。
その次の長崎大会は若雌の3区で優等2席となり、前回の宮城大会には若雌の2区で首席をめざして臨んだ。
だが、林さんによると、どこ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル