朝鮮半島にルーツを持つ在日コリアンの若者が集い人権問題などに取り組んだ「在日コリアン青年連合(KEY〈ケーイーワイ〉)」(大阪市)が7月末、活動に終止符を打った。関西の在日コリアンたちの「居場所」とも言える存在で培った思いは、解散後も元メンバーたちに引き継がれている。
発足した1991年は、ソ連の崩壊や韓国の民主化によって、朝鮮半島の情勢が大きな変化を迎えた時期だった。そんな「祖国」との向き合い方を考えようと、在日コリアンの若者たちが集まった。
ハングル講座や伝統文化体験のサークルを開き、朝鮮半島の歴史・社会に関する書籍などを集めたブックカフェを運営して祖国の文化に触れた。ヘイトスピーチへの反対など、テーマに沿った大規模なキャンペーンも毎年実施した。
活動の中心は、20~30代の若者たちだった。
「一人の在日コリアンとして、歴史に向き合いながら取り組んできた」。共同代表を経験した会社員の劉成道(ユソンド)さん(42)は、そう振り返る。
思い出に残っているのは、2002年に日朝平壌宣言の署名後、国交正常化を求めて展開した署名運動だ。劉さんも街頭に立った。金正日(キムジョンイル)総書記(当時)が日本人拉致を認め、在日コリアンに対するヘイトスピーチが流布していた時期だけに、不安だった。
それでも、共感の声を掛けて…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル