東京にホタルが舞う季節がやってきた。都中央部を流れる野川のほとりでは、幻想的な白い光に子どもたちが歓声を上げている。三鷹市ではいま、ホタルの数が戻ってきているという。
今月下旬の夜7時半、三鷹や調布、小金井の3市にまたがる都立野川公園。真っ暗な川岸を舞うホタルに、多くの人が引き寄せられていた。カメラを構えていた三鷹市の飯田富男さん(84)は「東京でこれだけ見えるのは珍しいよ」。
野川公園の近くにある「ほたるの里」(三鷹市大沢2丁目)は、湧水(ゆうすい)や水田など、三鷹のかつての農村風景が保存された場所だ。市によると、この地域では1965年ごろまで多くのホタルが飛び交っていた。しかし、市街地化が進んで水田や水路が埋め立てられると、その数は激減した。
その後、農村風景やホタルを守る機運が高まり、88年に大沢地区の住民らによって市民グループ「ほたるの里・三鷹村」が発足。農薬を使わずに水田を管理した上で、ホタルが育つ環境を整えている。こうした活動もあって、ホタルはここ数年で少しずつ増えているという。
この時期に舞うのはゲンジボ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル