東京の下町を流れる隅田川の川面に、昼時になると巨大な「ファスナー」が現れ、散策する人たちの目を引いている。正体はツマミの金具のような銀色の小型船と、その船がつくり出す波紋。橋の上から見ると、ファスナーがゆっくりと開いていくようにも見える(許可を得てドローンで撮影)。
小型船は長さ約9メートル。墨田区役所付近の約1キロのコースを、左右に波紋を広げながらゆっくりと進む。橋の上や両岸のテラスなどから船を見かけた人たちは、手を振ったり写真に収めたりしていた。
制作したのは、アーティストの鈴木康広さん。10年前、現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」で披露し、注目された。「この船をきっかけに、日常の中の物の見方を変えてみることを楽しんでもらえたら」
墨田区などが主催するイベント「隅田川 森羅万象 墨に夢」の一環で、8日までの毎日正午~午後2時ごろ運航の予定。なお、一般客の乗船はできない。(池田良)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル