福岡市博多区住吉2丁目の自転車店で従業員小森寛子さん(42)の他殺体が見つかった事件で、福岡県警は18日、小森さんを殺害して現金約10万円を奪ったとして、強盗殺人と建造物侵入の疑いで、大阪市住吉区の無職佐々木達也容疑者(34)を逮捕した。容疑を認め、「金が欲しかった」と供述しているという。佐々木容疑者は事件当日の4日夕方に店を訪れた姿が周辺の防犯カメラに写っており、関与が浮上。県警は18日夜、佐々木容疑者を大阪から福岡へ移送した。
逮捕容疑は4日夕方ごろ、店に侵入して小森さんの首を絞めて窒息死させ、レジや金庫から現金約10万円を奪った疑い。単独犯とみられる。
県警は防犯カメラやタクシーのドライブレコーダーの映像を解析し、当日夕方に店に出入りした人物の特定を進めた。佐々木容疑者が店を訪れる様子や事件後に大阪市内に逃走する姿が確認できたという。県警は18日午前から同市内で任意で事情聴取していた。
捜査関係者によると、佐々木容疑者の知人が2月下旬、佐々木容疑者と連絡が取れないことから大阪府警に捜索願を出していた。小森さんとは面識がなかったとみられ、トラブルも確認できていない。事件当日に初めて来店した可能性が高く、県警は事件に至った経緯などを調べる。
事件当初、店の売上金や小森さんの財布が残されており、物色した形跡も見つからなかった。その後店の経理を精査し、現金がなくなっていることが判明し、強盗殺人容疑で逮捕した。
県警や複数の知人によると、小森さんはここ数年間1人で店を切り盛りし、4日も通常通り営業。同日午後8時50分ごろ、知人男女が営業時間中に店の電気が消えているのを不審に思い訪問し、奥のバックヤードで遺体を発見した。
小森さんの10年来の知人男性(41)は「ずっと『別人であってほしい』と願っていた。容疑者が逮捕されて良かったが、小森さんはもう戻ってこない」と言葉少なだった。(木村知寛、古川大二、梅沢平、西村百合恵)
西日本新聞社
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