作家のいとうせいこうさんはここ数年、世界の難民キャンプや自然災害の被災地を回っている。他者とのかかわりや、人を救う、救われるということを肌で経験してきた。視線を転じてみると、いま日本は外国人労働者の受け入れを増やそうとしている。いとうさんの目に、日本はどう映っているのだろうか。
――最近、よく海外に行かれているそうですね。ハイチやウガンダ、南スーダンなど、観光であまり行かないところばかりとか。
「国際NGO『国境なき医師団』の活動現場に行って、取材しています」
――そもそものきっかけは?
「最近、夏がすごく暑くて日差しが強いじゃないですか。男性も日傘を差すべきだと思って呼びかけたんですが、広まらない。そこで男性も使えるようなパンクな日傘の絵をデザインしました。それを大阪の傘屋さんが商品化してくれて。デザイン料をくださったんですが、どこかに寄付したいと思って選んだのが国境なき医師団でした」
「そしたら、団体の会報用にインタビューされまして、その時に聞いた活動内容があまりに面白くて。取材を申し込んだんです」
――実際、現場に足を運んでの印象はどうだったのですか。
「ギリシャにも行きましたが、…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル