中央社会保険医療協議会・総会が7日、2020年度診療報酬改定案を答申したのを受け、日本医師会と四病院団体協議会(四病協)が合同記者会見を開いた。日医の横倉義武会長は、入院基本料の算定要件が診療報酬改定のたびに見直されることによって現場が混乱しているとし、中長期的な視点で見直しを検討する必要があるとの考えを示した。【松村秀士】
横倉会長は会見で、20年度改定が現場に及ぼす影響は計り知れないと指摘した上で、「入院基本料の改正について、“朝令暮改”はやめるべきで、中長期的な方向で考えていくべきだ」と強調した。また、地域医療構想で示された医療提供体制を推進するよう、医療機関がどのような医療機能を選択しても運営が成り立つようにすべきだと述べた。
20年度改定では、急性期一般入院料ごとの急性期患者の受け入れ割合の基準が見直される。7対1相当の急性期一般入院料1での受け入れ割合の新たな基準は、入院患者の状態を従来の方法で測定する「重症度、医療・看護必要度I」(看護必要度I)の場合が31%以上(現行は30%)、DPCデータを使って測定する看護必要度IIは29%(同25%)以上に見直される。
■四病協、働き方改革推進への対応を評価
救急搬送の実績が年2,000件以上あり、医療従事者の労務管理を適切に行っている医療機関への評価として、「地域医療体制確保加算」(520点)を20年度改定で新設する。この評価などで、医師ら医療従事者の働き方改革を後押しする。
四病協の各団体の代表者は、こうした方向性を評価。日本病院会の相澤孝夫会長は、「救急をやり、手術をたくさんしている病院に診療報酬が厚く手当てされた」と述べた上で、診療報酬によって、過酷な勤務環境で救急医療を提供している病院が継続して運営できることを望むとした。
全日本病院協会の猪口雄二会長(中医協総会の診療側委員)も、20年度改定の重要なテーマは医師の働き方改革にどのように対応するかだとし、それの具体策として地域医療体制確保加算が新設されることを支持した。また、医療従事者の専従要件が緩和されることについて、「運営する中でかなり大きな要素になる。各病院がいろいろな方法を考えるチャンスができた」と述べた。
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