強い勢力のまま九州の西側を通過した台風10号による被害は、8日も各地で確認された。朝日新聞のまとめでは、鹿児島県と佐賀県で2人が死亡し、宮崎県で4人が安否不明。九州、中国、四国、近畿地方の15県で108人が重軽傷を負った。建物の損壊も14県で少なくとも237件に上っている。
佐賀県によると、6日に屋根で作業をしていた鹿島市の50代男性が転落し、頭を打って7日に死亡した。
4人が安否不明になっている宮崎県椎葉(しいば)村(そん)の土砂崩れ現場では8日、県警などによる捜索活動が続いた。視察した国土交通省国土技術政策総合研究所の研究者によると、土砂崩れは長さ約200メートル、幅20~40メートルに及び、土砂のほとんどが現場沿いの川に流出。斜面上部に水がたまり、崩落につながったという。
各県によると、8日夕までに確認された重軽傷者は熊本21人▽長崎15人▽福岡、鹿児島13人▽兵庫、宮崎8人▽山口、徳島、佐賀7人▽広島3人▽大分2人▽和歌山、島根、岡山、愛媛1人。
気象庁によると、西日本の30観測地点で最大瞬間風速の記録を更新。長崎県では大浦天主堂(長崎市)の瓦約50枚がはがれるなどキリシタンの歴史を伝える世界遺産で8件の被害が出た。
九州電力によると、停電は8日午後8時時点で九州4県の1万2350戸。一部地域を除いて9日中の復旧をめざすとしている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル