TikTokJapanが初めて開催した「パブリックセクター ショートムービーアワード」で、千葉県袖ケ浦市が撮影した消防士の訓練風景の動画が3位相当の審査員特別賞を受賞した。
受賞動画は、昨年4月にアップされた1分弱の「消防士の訓練風景③ ロープブリッジ救出」。消防士が普段行う訓練風景を撮影したシリーズで、合図とともに手際よくロープを体に結びつけ、要救助者役がいる20メートル先の訓練棟まで渡したロープにぶら下がってあっという間到達。開始地点まで要救助者役を救出する様子を撮影した。
消防士との恋愛を描いた漫画「モエカレはオレンジ色」の映画化や、アニメ化された漫画「炎炎ノ消防隊」の人気もあり、また消防士がロープを猛スピードで渡っていく姿も「格好いい」と評判に。自治体作成の動画としては異例の200万回超えの再生回数を記録しているという。
市では昨年4月、若い世代に行政や地域に興味を持ってもらおうと「広報担当TikTok」を開設。地域の情報やPR動画を公開してきた。
担当の大河原碧さんは「こんなに多くの人に届くとは思っていなかった。今回の訓練動画のように『行政だからこそ』『行政ならでは』の動画を発信していきたい」としている。
◇
一方、千葉県袖ケ浦市の知名度アップを図ろうと、若手職員が市名をダジャレにした動画企画「袖が裏チャレンジ」を始めた。考案した「そでがうら(袖が裏)ポーズ」をとった市民や企業団体、著名人にそのショート動画を投稿してもらい拡散する企画で、投稿者を募集している。
市にとって知名度向上は長年の懸案事項。2018年の調査では、市外の人の回答が「あまり知らない」か「まったく知らない」が計約6割に上った。字体が似ていることから「柚(ゆず)ケ浦」と呼ばれることも。そこで若手職員がまず市名を知ってもらい、都心へのアクセスや子育て環境などをPRしようと考えた。
ポーズは「袖ケ浦」の掛け声で左手をガッツポーズのように顔の横に持っていき服の袖を裏返す。撮影したら共通ハッシュタグの「#袖が裏チャレンジ」か「#袖ケ浦市」をつけてTikTokなどに投稿する。
プロジェクトチームは市のイベントなどでブースを設置して参加者を募り、動画を撮影している。これらは市が運営するTikTokの「広報担当TikTok」やYouTubeの市公式チャンネルにアップする。担当者は「袖ケ浦を全く知らない多くの人に見てもらうためハッシュタグなども工夫していきたい」と話している。(堤恭太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル