熊本県菊陽町の菊池広域連合消防本部は10日、昨年4月に救急救命士の男性係長(当時47)が自殺した問題で、男性上司から継続的なパワハラを受けていたとの調査報告書を公表した。パワハラの一部は20年以上続いていたとし、自殺との因果関係も認めた。
自殺した男性は昨年4月中旬、不眠などの症状を訴えて入院していた病院で自殺を図り、同月下旬に亡くなった。病室にはパワハラを訴える内容の遺書が残されていた。消防本部は学識経験者や弁護士らでつくる第三者委員会を設置し、昨年6月から計17回の会合を開き、パワハラの有無などを検証していた。
今月2日付で第三者委がまとめた調査報告書によると、病室の遺書には上司の名前と「パワハラ、おどし いつもそういう事ばっかり」などと書かれていた。
調査の結果、上司が1998年ごろから20年以上にわたり、月に数回、男性の24時間勤務明けの朝に男性宅を訪れ、正午~夕方ごろまで業務指導をしていたと確認。業務上不要な電話を頻繁にかけ、男性の担当外であるにもかかわらず、アパートの図面などをまとめた台帳500冊以上の整理を依頼していた。「業務上必要かつ相当な範囲を超えていた」としていずれもパワハラと認定した。
パワハラによって男性が心理的負荷を蓄積させ、うつ病を発症したと指摘。遺書の内容も踏まえ、「パワーハラスメントと自殺との間には因果関係が認められる」と結論づけた。
再発防止策に向けた課題として…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル