秋田県などが設立した一般社団法人「あきた結婚支援センター」の支援のもと、AI(人工知能)を使った新しいマッチングシステムで結婚に至ったカップルの第1号が誕生した。人口減に悩む県内の婚姻率は20年連続で全国最下位だが、県の担当者は成果が見え始めた新システムに期待を寄せている。(高橋杏璃)
◇
新しい結婚支援システムは1月に導入された。会員はまず、結婚生活でパートナーがしたら許せないと思う行動などに関する112問の質問に選択形式で答える「価値診断テスト」を受ける。この診断結果などを基に、「自分が重視する価値観」と「相手に求める価値観」の合致率が互いに高い人をAIが探し、週に1回自動的に相性のよい相手を紹介する仕組みだ。その後お見合い、交際を経て、結婚へと進む。
新システムで晴れて結婚に至ったのは、県央部の40代女性団体職員と40代男性公務員の2人。3月にお見合いし、4月に婚姻を届け出るスピード結婚だった。
2人が県に寄せたコメントによると、女性は2014年にセンターに入会。「何年婚活しても成果が出ず、落ち込んだり自分を責めたり、諦めたくなったこともあった」という。「もう自分には結婚は無理なのか」と思っていた矢先、導入されたのが今回のシステムだった。「自分で選ぶよりも目先が変わってよいかもしれないと前向きに捉え、挑んだ初のマッチング相手が主人。初日から話が弾み、初デートでは『AIすごいね』と2人で驚くほど、価値観が合いました」。男性も「コロナで自粛しなければならない時にこんなシステムができてラッキーでした。素晴らしい方と結婚することができて幸せです」とコメントした。
年齢や身長、学歴、年収などの条件だけで相手を探す従来通りの機能も引き続き利用できるが、新システムではそうした条件も加味しつつ、価値観の合う相手を探しやすくなった。センターによると、新システムの導入後、お見合いから交際に至る割合が上がってきているという。
冨岡伊穂子センター長は「収入や体重は変わるけれど、価値観はそうそう変わるものではない。価値観の合う人となら、結婚後も困難を乗り越えて幸せな生活を続けていけるんじゃないでしょうか」。県次世代・女性活躍支援課の上田貴夫・副主幹は「正直こんなに早く(結婚に至るカップルが)生まれるとは思わなかった。いま交際しているカップルもたくさんいらっしゃるので、半年くらい経てばどんどん出てくるのでは」と手応えを感じている。
相手に求める価値観を見える可
…
【8/7まで】シンプルコース(月額980円)が今ならキャンペーン中!詳しくはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル