大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手から贈られたグラブは小学校に届いたが、少子高齢化が進む栃木県日光市足尾町の児童らは野球を経験したことがない。そこで、市職員がテレビ番組の人気企画「リアル野球盤」にならったゲームを発案。同町の足尾小中学校で16日、野球に興味を持ってもらおうと催された。 2年から6年の全児童18人が2チームに分かれた。体育館に本物のベースを使って塁間約10メートルのダイヤモンドを作り、本塁から20メートルほど離れたステージ下などに「ヒット」「アウト」「二塁打」といった表示のある卓球用のフェンスやネットを設置。子どもたちは本塁でトスされた軟らかいボールをゴム製バットで打ち、ボールが転がった先のフェンスなどの打撃成績に応じて進塁したり、アウトになったりするルールでゲームは進められた。 同校には1月12日、他校と同様に右利き用二つ、左利き用一つの計三つの「大谷グラブ」が届いた。ところが、ほとんどの子どもたちは、キャッチボールすら経験したことがない。有効活用法を考えた市足尾行政センターの職員が、お笑い芸人やプロ野球選手らによる「リアル野球盤」にならったゲームを思いついた。 中学の部活動は卓球部のみ 攻撃側ではないチームは攻守… この記事は有料記事です。残り506文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
春の訪れを告げる真っ赤な炎 日本最大級のカルスト台地「秋吉台」
向井光真2024年2月18日 18時30分 【動画】日本最大級のカルスト台地、秋吉台で春を告げる「山焼き」=向井光真、中野内満也撮影 日本最大級のカルスト台地・秋吉台(山口県美祢市)で18日、恒例の山焼きがあった。天候にも恵まれ、ここ数年では最も多い約5千人の見物客らが、春の訪れを告げる炎を見守った。 草原の森林化を防ぎ、新芽の成長を促すとともに秋吉台国定公園の景観を守るための伝統行事。午前9時半に火入れ開始ののろしが上がり、地元の住民やボランティアらが約50カ所で枯れ草に点火すると、起伏のある約1138ヘクタールの草原に炎の帯が広がった。 同県防府市から両親と見に来た男子児童(11)は「真っ赤な炎と、バチバチバチと滝が流れるような音が迫力あった。来年も見たい」と喜んでいた。 県秋吉台青少年自然の家(美祢市美東町赤)では、親子連れなど約70人が山焼きの作業を体験した。自然の家は、「山焼きの迫力や火の怖さを肌で感じ、協力して作業する大切さを実感してほしい」と話している。 焼けて黒くなった台地は4月ごろに草木が芽吹き、5月ごろには新緑で覆われる。(向井光真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
転がる墓石「お盆までには直したい」輪島の墓地に一時修復する人の姿
石川県輪島市の浄明寺に隣接する墓地では、能登半島地震で墓石が落下するなどの被害があった。地震から「四十九日」にあたる18日、墓石を動かしたり、シートを張ったりするなど、一時的に修復する人の姿があった。 輪島市の天野元良さん(74)は、子どもの時に亡くなった長男の墓に、ブルーシートをかけていた。「今はこれで勘弁してな」と転がった墓石を拾い上げた。 地震から1カ月以上が経ち、「やっと生活や仕事以外のことも考えられるようになってきた」と、お墓の様子が気になるようになった。「お盆までに、しっかり直せれば」と話した。(長島一浩) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大震災前を思い出す」 津波で流出の社殿を再建、伝統の踊りを奉納
嶋田達也2024年2月18日 19時30分 【動画】社殿が再建された苕野(くさの)神社で行われた「安波祭」=嶋田達也撮影 東日本大震災の津波と東京電力福島第一原発の事故で大きな被害を受けた福島県浪江町請戸(うけど)地区の苕野(くさの)神社で18日、約300年前から続く「安波祭(あんばまつり)」が開かれた。 津波で流された社殿が今年再建され、多くの人が見守る中、社殿の前で伝統芸能の「田植踊(たうえおどり)」が奉納され、豊漁と海上での安全を祈った。 原発事故で住民は避難を余儀なくされ、祭りは仮設住宅で継承されてきた。2017年に浪江町の一部で避難指示が解除され、現地での祭りが復活した。 大震災時に神社近くの請戸小学校の6年生だった横山和佳奈さん(25)は、流される前の神社でも田植踊を踊ったという。横山さんは「大震災前を思い出しながら踊った。当時のようにたくさんの人の前で踊ることができ、楽しかった」と語った。 今は同県富岡町に住む氏子総代長の五十嵐光雄さん(76)は「請戸の人たちに心のよりどころができた」と再建を喜んでいた。(嶋田達也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東海道新幹線停車駅、電光掲示板にトラブル 発車時刻など表示されず
2024年2月18日 20時36分 JR東海は18日、東海道新幹線の一部の駅で同日午後5時半ごろから、列車の行き先や発車時刻などを示す電光掲示板が表示されなくなるトラブルが発生していると発表した。不具合が起きているのは、品川、新横浜、三島、静岡、浜松、豊橋、岐阜羽島、新大阪の各駅。新幹線の運行には影響が出ていないという。 同社によると、18日午後9時時点で約70人から予定通りに乗車できなかったとの申告があったという。同日中に復旧する見込みはたっていないといい、駅員が案内したり、ホームページへ誘導したりするなどして対応している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
本堂倒壊の寺で四十九日法要 被災の住職「半歩でも進んでいきたい」
能登半島地震の発生から「四十九日」にあたる18日、石川県珠洲市宝立町鵜飼の妙厳寺(みょうごんじ)で、地震の犠牲者らの法要が執り行われた。 寺の本堂は地震で倒壊したため、住職ら家族が生活していた庫裏(くり)の中で、寺の関係者だけで厳かに営まれた。 法要を務めたのは武内亨(たけのうちとおる)住職(57)と、弟の武内現(あきら)副住職(47)。武内住職は、自身も被災し、避難生活を送っている。法要は「寺として当然の務め」とし、「本来、自分の心に区切りをつける意味のある四十九日。今回の地震で傷めた心に区切りをつけるのは難しいが、過去には戻れないので、半歩でも進んでいきたい」と話した。(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
産廃処理工場で火災 北九州市若松区の工業団地
2024年2月18日 20時00分 18日午後6時ごろ、北九州市若松区の響灘臨海工業団地で、「会社の敷地内の廃棄物から黒煙が大量にあがっている」と、通りかかった人から119番通報があった。 福岡県警若松署によると、産業廃棄物処理工場の敷地内にあるスクラップの山から出火。午後7時半現在、激しく黒煙があがっており、消火活動が続いている。 若松署によると、従業員は工場の敷地内から退出済みで負傷者はいないという。近くの工場に対して避難を呼びかけている。 現場は工場や発電所などが立ち並ぶ広大な埋め立て地の一画。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
優しかった「おとう」と今日も 父の四十九日、娘は声をかけ続ける
保育士の松井未来(みく)さん(26)は1月1日午後、金沢市の自宅アパートから石川県輪島市の実家に帰省した。 午後3時半ごろに着くと、すぐに父健(たけし)さん(55)の部屋の戸を開けた。 「おとう、帰ってきたよ。あけおめ」 健さんは「おー」と言って起き上がり、ニコリと笑った。 集合住宅の2階にある実家には、未来さんの母さおりさん(54)、金沢に住む弟の拓さん(23)もおり、家族4人が集まっていた。 健さんは居間にやってきて、未来さんが金沢で買ってきた手土産のドーナツを食べた。「めーかった(おいしかった)」。そう言ってたばこを吸い、コーヒーを片手に自室に戻っていった。その少し後、能登を最大震度7の揺れが襲った。 爆弾が落ちたのかと思うほどの揺れだった。横にかき回されて、ガシャンガシャンと家具が倒れ、バチバチと音を立てて停電した。 長い揺れが収まると、さおりさん、未来さん、拓さんは家を飛び出し、住宅前の駐車場付近まで逃げた。 あれ、おとうは? 揺れが収まった後、健さんは自室から「いてててて」と言いながら出てきていたはず。拓さんが様子を見に行くと、2階の踊り場で大の字になって倒れていた。目と口を開き、苦しそうにうなっている。 「たけちゃん、起きて」 「おとう、おとう!」 3人で心臓マッサージと人工呼吸を繰り返した。 近くにいた看護師と自衛隊員が駆けつけ、健さんを駐車場の広いスペースへ。看護師らは気道を確保し、心臓マッサージを続けた。 未来さんは何度もスマホから119番通報した。 「行きますので、待っていてください」 そう言われたが、いっこうに救急車は来ない。 空からは冷たい雨。近くの火災現場から押しよせる煙。雨風がしのげる集会所に健さんを移動させた。 地震から2時間半が経ったころ。未来さんは健さんの右手を握りながら声をかけた。「未来も、拓も、おかあも、みんな大丈夫やし、あと、おとうだけやよ。早く戻ってきて」 その声に応えるかのように、健さんは足を動かし、右手をぎゅっと握り返した。その直後、体がけいれんし、目と口を閉じた。 近くの市立輪島病院まで車で運んだが、負傷者であふれ、病院には入れない。敷地内にある薬局に運び入れたときには、健さんの体は冷たくなっていた。 検視の結果は「即死ではない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オバァが投げた千円、悩んだ末の使い道 ボロボロから再起した45歳
昨年末、沖縄県在住のたろうさん(45)は悩んでいた。 クリスマスイブに手にした「千円札」の使い道についてだ。 みんなが納得する使い方じゃなきゃダメだよな。 でも、きれいな使い方ってどんなだろう? これでラーメンでも食べたらいいって言う人もいたけど……。 本来は受け取るはずじゃなかった千円札。 そもそものきっかけは、コンビニの駐車場に車をとめて電話をしていた時のことだ。 その日の夜は、那覇市で会合が予定されていた。 早めに仕事を終え、近くに着いたのが午後4時ごろ。 電話をしていたら、フラフラと歩く人の姿がフロントガラス越しに見えた。 70~80代ぐらいの女性だ。 いったん車の前を通り過ぎたが、運転席の横で立ち止まった。 ノックするでも、話しかけてくるでもなく、ただこちらを向いて立ち尽くしている。 たろうさんは、通話中のまま窓を開けて「なにか?」と尋ねた。 するとその女性は「すいませ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
直した窯、一度も使わずまた全壊 それでも珠洲焼作家は「諦めない」
平安時代末期から室町時代後期に栄華を誇り、「幻の古陶」とも呼ばれる石川県珠洲市の伝統工芸品「珠洲焼」。能登半島地震で多くの作家が被災し、約20軒ある窯のほとんどが全壊した。作家団体「創炎会」代表の篠原敬さん(63)は、「次世代のためにも諦めない」と決意を示す。 篠原さんが営む「游戯窯(ゆげがま)」でも、窯が全壊した。昨年の地震でも壊れ、11月に直したばかり。1月20日に初窯を控えていたが、今回の地震で、一度も使うことなく再び全壊してしまった。 工房に保管していた数百点の作品も落下し、ほとんど割れてしまったという。 「灰黒色」と呼ばれる独特の色みを持つ珠洲焼。篠原さんのこだわりは、薪窯での焼きだ。管理しやすいガス窯も広まっているが、「薪の火に委ねることで珠洲焼本来の風合いが生まれる」という。 現在、篠原さんは同県野々市市で避難生活を送る。3、4日おきに珠洲に来て、窯の再建に向けて片付けなどをしている。 珠洲焼作家は現在約50人いるが、ベテランの中には、今回の地震被害で引退を考えている人もいるという。篠原さんも引退が頭をよぎることもある。 しかし、篠原さんには、希望がある。県内外から珠洲に移住してきた若手作家8人から、「一緒に珠洲焼を残しましょう」と連絡があった。 全国のファンや関係者からも応援の声が届く。篠原さんは「自分一人ではない。次世代のために、薪窯を必ず残す。『珠洲』の名を冠した焼き物で地域全体の復興につなげたい」(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル