会員記事 小林圭 東谷晃平2021年4月20日 22時31分 愛知県で20日、新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が始まった。5月11日まで、名古屋市のすべての飲食店やカラオケ店に午後8時までの営業時間短縮(時短)を要請。ほかの市町村でも飲食店には午後9時までの時短を求める。 この日は190人の新規感染を確認し、15日連続の100人超となった。19日夜時点で入院者389人、重症者12人。過去7日平均でみると新規感染者198・0人、入院患者数347・6人と、ともにステージ3(厳重警戒)の基準を超えている。 県によると、3月31日以降の「第4波」では職場や学校、高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が出た一方で、飲食店は出ていない。にもかかわらず、今回も飲食店に時短要請した理由を大村秀章知事は、記者会見で「飲食、会食で飛沫(ひまつ)が飛んで密な状態になり、そこで感染し、家庭や施設に移っていることは明らかなので飲食店対策をしっかりやる」と説明した。 名古屋市の浅井清文・市保健所長は、「飲食店の時短に焦点が当たっているが学校、会社でも対策をしっかりしてほしい」と指摘。変異株は感染力が強いとされており、「マスクをしていれば大丈夫という感覚があったかもしれないがそれが通用しない状況があるかもしれない」と、換気の徹底や共用の電話、パソコンの消毒などを呼びかけた。 県内では19日までに434人が変異株に感染。ゲノム解析では英国型のみが確認されている。(小林圭) 20日午後7時半。この日からまた早めた閉店を前に、佐山義則さん(70)は客がいない店内でカウンターの拭き掃除を始めた。席の間には飛沫(ひまつ)対策のアクリル板。とはいえ、客が来ることはまずない。「拭かなくてもいいんじゃないかって思うよね」とこぼす。 名古屋市中区錦3丁目、通称「錦三(きんさん)」。このまちでバー「アクアヴィット」を営んで36年になる。何回か移転を重ね、いまの店は雑居ビルの4階、一番奥まったところにある。 9人がけのカウンターと小さ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:817文字/全文:1659文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
組織人はつらいよ 思い切って辞めるか残るか春の決断
有料会員記事 聞き手・藤田さつき 聞き手・岸善樹2021年4月20日 16時00分 新しい職場で新年度を迎えた人も多いでしょう。組織人になると、思うようにならないことばかりです。そんな時、思い切って辞めるか、しぶとく残るか。それぞれの春の決断を考えます。 半沢直樹が示す「辞められない理由」 「わたし、定時で帰ります。」の朱野帰子さん 総務省の不祥事で、官僚が相次いで辞職しましたよね。公務員にあるまじきことをしたのだから当然ですが、怖いな、とも感じました。彼らに「辞める」という選択権はあったのか? 組織に過剰適応した末にしっぽ切りされたのでは、と思ったからです。 思い出したのは「半沢直樹」です。昨年、続編のドラマが大ヒットするなかで、「こんな理不尽な目に遭って、なぜ銀行を辞めないのか」という見方も出ました。それで原作を読んでみたんですが、そこにはドラマにはあまり描かれていなかった「辞められない理由」が世代論を交えつつ、かなり具体的に書かれていました。 半沢が社会に出たバブル期、メガバンクの行員はエリートの象徴でした。待遇を保障されて安泰な一生を手にする一方で、銀行を出ればその看板は使えない、銀行の外では自分に価値はないという「刷り込み」がある。そう「半沢直樹」の原作には描かれていました。「銀行の悪いのは、(略)銀行員じゃなきゃ食えなくなるような恐怖感を煽(あお)ることだろうよ」と半沢の同期は語ります。 この意識は、「組織」に拠(よ)って生きている人たちに、ある程度共通するのではないでしょうか。会社が新卒から定年まで面倒をみるメンバーシップ型組織では、キャリアは上司の差配次第。バブル景気の頃に思い描いていたサラリーマン生活の計画が崩れ、会社では様々な理不尽な目に遭い、あげくに「上」がやったことの責任を負わされたりする。転勤や出向を命じられても断れない。それでも辞めることは「死ぬこと」に等しい――。組織の論理の内側で生きるなかで、そうたたき込まれてしまう。 しかしバブル後の氷河期世代を境に、この価値観は変わりました。就活で「組織」に拒まれ、やっと入れたのは非正規か長時間労働で心身を壊す職場だった。このままでは家庭も持てず、死ぬかもしれない。そんな状況から脱出し、「生きる」ために辞める人が増えました。 記事後半では、会社員生活33年の間に3回転職した企業研修講師・大杉潤さんが「どうしても合わなければ土俵を替えればいい」と辞めた決断に基づく心得を語ります。 ドラマ化された私の小説「わ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1878文字/全文:2821文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国慶節に止まった攻撃の謎 日本狙った中国ハッカー集団
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などへサイバー攻撃に関与したとして、警視庁が20日、30代の中国籍の男を書類送検した。一連の攻撃は2016年、国内の防衛や航空関連に携わる約200の研究機関や企業に及んだとされる。 これらサイバー攻撃を仕掛けたのは、中国人民解放軍の影響下にあるとされるハッカー集団「Tick(ティック)」だと警視庁ではみている。 このティックこそが、日本の防衛や重要インフラを担う企業や官公庁を長年ターゲットにしてきたハッカー集団だ。20年1月に発覚した三菱電機へのサイバー攻撃でも、5年近くにわたり同社を断続的に攻撃してきた実態が、内部資料からも明らかになっている。 その攻撃手法は年々巧妙さを増し、日本を狙うことに特化した手口なども見られるようになった。その実態はどのようなものなのか。 5年前、あるリポートに注目が集まった。 拡大するセキュリティー企業ラックが2016年8月に公表したリポート「日本の重要インフラ事業者を狙った攻撃者」の表紙 大手セキュリティー企業ラック(東京)が16年8月に公表した「日本の重要インフラ事業者を狙った攻撃者」(https://www.lac.co.jp/lacwatch/pdf/20160802_cgview_vol2_a001t.pdf)がそれだ。ティックについて詳述したリポートは、今回、警視庁が書類送検した事件の時期と調査内容が重なる。 リポートによれば、13年3… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宗教史から日本を見直す 「消滅すべきもの」から一転
『近代日本宗教史』(春秋社、全6巻)に『日本宗教史』(吉川弘文館、全6巻)。昨年夏から今年にかけて、日本の宗教の歴史を振り返るシリーズ本の刊行が重なっている。宗教史は、近代史の中でも研究が遅れているとされてきた。なぜ、近年になって関心が高まっているのか。 拡大する「近代日本宗教史」(春秋社、全6巻)。第4巻「戦争の時代」は5月、第6巻「模索する現代」は7月に配本予定 本格的な通史は初めて 『近代日本宗教史』は昨年9月から刊行が始まり、これまでに4冊が発売された。幕末・明治維新期から平成までの宗教史を時代順に取り上げている。編集委員に、島薗進、末木(すえき)文美士(ふみひこ)、大谷栄一、西村明の各氏が名を連ね、約80人の研究者が執筆した。 東大名誉教授の末木さんは「近代日本宗教史の本格的な通史の刊行は、今回が初めてだと思う」と話す。「日本の近代史は政治史や経済史が中心で、宗教史は周縁の小さな分野と見られてきた。とりわけ、マルクス主義が全盛の時代には、宗教は消滅すべきものだと考えられてきたし、その影響を受けた戦後の知識人にも、近代史のなかで宗教が大きな役割を果たしたと考える人は少なかった」と言う。 ■タブー視された国家神道… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネット中傷は「言葉の刃」 山梨不明女児の母が提訴会見
新屋絵理2021年4月20日 18時30分 「言葉の刃で、傷つけられた。同じ苦しみを他の人に味わってほしくない」。2019年に行方不明になった小倉美咲さん(8)の母親・とも子さん(38)が20日、会見を開き、ネット中傷した投稿者の責任を追及するための訴えを起こしたと明かした。 小学1年で7歳だった美咲さんは19年9月、山梨県道志(どうし)村のキャンプ場に家族や友人と訪れ、テントから離れて遊んでいた友達を追いかけたまま行方がわからなくなった。SNSで情報を求めると、励ましのメッセージとともに、「殺したのは母」「(美咲さんは)もう生きていない」などの言葉も相次いだ。 娘が見たら、どれだけ傷つくか とも子さんは会見で、「書き込みを美咲が見たらどれだけ傷つくか。美咲の帰りを待つ長女も悲しむと思い、子どもを守るために訴訟することにした」と、言葉を詰まらせながら語った。 身の危険を感じたこともあったという。投稿者が自宅近くを訪れ長女に話しかけ、その様子をネットに書き込んだ。自宅に行くなど予告めいた投稿もあった。恐怖のなかで生活してきたと振り返り、「書き込む側は傷つけるつもりがなくても、受け取る側は何十倍も苦しみ、ずっと記憶に残るんです。みなさん一人ひとりに考えてほしい」とした。 訴訟では、ツイッターへの投稿やブログへの書き込みなどをめぐり、ツイッター社などに対し投稿者の情報開示を求めた。特定できれば損害賠償請求や刑事告訴を検討する。これまでに、「殺すぞ」などメッセージを送った男が脅迫罪で有罪になり、別の男は名誉毀損(きそん)罪で公判が続く。 コロナ禍のためビラを街で配るのが難しい今、美咲さんを捜す方法は、ネットが頼りだ。「私たち家族は、美咲が無事に戻ってくると信じている。戻ってくるまで、怖がることなく、ネットで美咲のことを伝え続けます」(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
時速230キロでバイク暴走容疑 「トイレ行きたくて」
2021年4月20日 18時35分 制限時速を220~180キロ超えて大型バイクで暴走し、接触事故を起こしたとして、大阪府警は20日、会社員(22)と工員(21)の男2人=ともに東大阪市=を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで書類送検した。 捜査関係者によると、会社員は「速度を出して快感を得たかった」と容疑を認め、工員は「トイレに行きたくて速度を出したが、進路変更しただけで暴走はしていない」と一部否認しているという。 送検容疑は昨年5月23日午後9時半ごろ、大阪市住之江区の海底を通る大阪港咲洲(さきしま)トンネル(約2・2キロ)で1千ccの大型バイクをそれぞれ運転中、会社員は時速約270キロ、工員は同約230キロで暴走したうえ、接触事故を起こし、互いに腕や足の骨を折るなどの重傷を負わせたというもの。トンネルは片側2車線の一般道路で、最高時速50キロに制限されていた。2人は知人同士で、事故当時はほかに5人の仲間とバイクを運転していた。 時速270キロは、北陸新幹線や九州新幹線などの最高時速を上回る。 府警住之江署は、トンネル内の監視カメラ映像から2人の速度を割り出し、急加速した工員のバイクを、会社員がさらに左から追い越そうとした際に接触したと判断した。制御困難な高速状態で無理な運転をしたとして、過失運転致傷容疑より刑が重い危険運転致傷容疑で立件したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小1で受けた教師からの性暴力 過食・嘔吐が止まらない
小学1年生の担任だった男性教師はささいなことですぐに激高した。 「自由勉強帳がちゃんとできていない」と怒り出し、「先生のせいだ」と言いながら、教壇に自らの頭を強く打ち付けた。 「先生、やめてください」 少女が駆け寄ると「あなたは優しいね。こっちにおいで」と、窓側にあった教師の机の方に来るよう促された。 拡大する子どもへの性暴力第4部① イラスト・米澤章憲 みんなもいるなか、ひざの上に座らされ、机の陰で下着の中に手を入れられた。とっさに思った。《友だちに知られてはいけない》 「演劇のようですが、それがいつものパターンでした」 東海地方に暮らす40代の女性は30年余り前のできごとを振り返る。 「私が率先して止めにいっていたから、手なずけやすかったのでしょうね」 行為は毎回、同じように始まり、教室で繰り返された。ほかの子には見えないように、教師の性器を触らされたこともあった。 子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第4部は、地位・関係性を利用した性暴力について取り上げます。 教師は頻繁に自宅にも訪ねて… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
L’attraction de chercheurs japonais pour la Chine
Tokyo s’inquiète de voir la Chine attirer de plus en plus d’universitaires de l’Archipel : 18 460 d’entre eux ont passé au moins un mois en Chine au cours de l’exercice clos fin mars 2019, 25 % de plus en quatre ans, selon le ministère japonais de l’éducation, des sports, de la culture, des sciences […]
飛ばない機内で結婚式 全日空の新サービス、値段は?
友田雄大2021年4月20日 14時00分 全日本空輸(ANA)は5月から、国際線の機内で結婚式ができるサービスを始める。コロナ禍で飛んでいない機体を有効に使う。5月は計3日、6月は計6日が利用可能としており、その後は機体の稼働状況で決める。 結婚式は地上の機内で行い、挙式のみで会食はしない。参加者は30人が上限だ。生演奏や客室乗務員による機内アナウンス風の祝福メッセージもある。空港ビルの一部で披露宴もできる。料金は挙式のみで税込み155万5千円、披露宴とセットで300万円。 航空機は飛んでいなくても整備費などがかかる。ANAは国内上空の遊覧飛行や機内の食事サービスなどで、少しでも利益を得ようとしている。(友田雄大) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
児童養護施設から青学へ 「後ろ盾ない」救った推薦制度
虐待を受けたり、身寄りがなかったりと、様々な事情により児童養護施設でくらす子どもの進学を支援しようと、独自の推薦入学制度を設ける大学が出始めた。学費だけでなく生活費を支援する大学もある。進学をあきらめる子どもが多い現状を変えてほしいと、施設出身の学生は支援の広がりを期待している。 青山学院大学コミュニティ人間科学部で学ぶ女子学生(20)は、4月に3年生になった。将来は子どもに関わる仕事に就きたいと福祉や教育を学ぶ。コロナ禍の前は、好きなインディーズバンドのライブに行ったり、友人と食事したりするのが休日の楽しみだった。 そんな生活は3年前までは想像もできなかった。 小学3年から高校3年まで茨城県内の児童養護施設でくらした。6歳のとき両親が離婚。父は自殺し、母と2人で親戚宅やアパートを転々としたが、母が心の病で入院したため、児童養護施設に入った。 施設の先輩や仲間は就職へ 施設では算数や漢字のドリル… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル