増山祐史 遠藤美波 長妻昭明2023年11月28日 10時57分 全国で相次いだ強盗事件で、「ルフィ」を名乗りフィリピンから指示したとして起訴された男に接見した弁護士が、男らが別の事件に関わったことを隠させたとして、警視庁は28日、この弁護士の広島県東広島市内にある事務所などに証拠隠滅容疑で家宅捜索に入った。2月に男と警察署で接見した際、携帯電話で何者かと通話させ、口裏合わせをさせたという。 捜査関係者への取材でわかった。弁護士は広島弁護士会に所属する加島康介被告(48)=詐欺罪で有罪判決を受け控訴中=、男は特殊詐欺グループ幹部の今村磨人(きよと)被告(39)=強盗致死罪などで起訴。 今村被告は特殊詐欺事件を指示したとして2月7日、フィリピンから移送され、窃盗容疑で警視庁に逮捕された。加島弁護士は2月下旬ごろ、今村被告が勾留されていた警視庁原宿警察署を訪れ、署内で接見。自身の携帯電話を使い、透明な仕切り越しに何者かと通話させた。何者かは今村被告に、特殊詐欺事件の一部への関与について供述しないよう口止めしたという。 通話先は特殊詐欺グループの関係者とみられ、今村被告が関与した特殊詐欺事件に関わった疑いがあるという。接見の際は今村被告と加島弁護士だけで、署員らは立ち会っていなかった。 28日の家宅捜索には警視庁や広島、山口両県警の捜査員が参加し、東広島市にある加島弁護士の事務所や自宅に入った。 加島弁護士は2007年から広島弁護士会に所属。法テラスの法律相談料を不正請求したとして22年5月、業務停止1カ月の懲戒処分を受けた。 加島弁護士は22年6月、新型コロナ対策の給付金を国からだまし取ったとして、広島県警に詐欺容疑で逮捕された。23年6月、約2千万円の給付金をだまし取ったとする詐欺罪で懲役3年6カ月の実刑判決を受け、控訴している。 今村被告は、特殊詐欺事件や各地で起きた強盗事件に関与したとして窃盗罪や強盗致死罪などで起訴されている。(増山祐史、遠藤美波、長妻昭明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【締め切り迫る】紙面ビューアー機能も使えるプレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元SKE48須田さんら 県民の日式典で「愛知愛」あふれるトーク
昨年、県政150周年を迎えたことを記念して定められた「あいち県民の日」の記念式典が27日、名古屋市東区の愛知芸術文化センターであった。約800人が来場し、愛知ゆかりのタレントらが愛知の魅力などについて語った。 元SKE48の須田亜香里さんが進行役を務めたパネル討論会では、あいち県民の日アンバサダーで俳優の河村花さんや「地球の歩き方 愛知」のプロデューサー由良暁世さんらが登壇。モーニング文化が盛んな愛知の魅力や、「お値打ち」という言葉をよく使う県民性、愛知を色で表すとしゃちほこの「金」か中日ドラゴンズの「青」か愛の「赤」かなど、愛知愛にあふれたトークを繰り広げた。 式典ではほかにも名古屋市立大学教授の千田嘉博さんの基調講演や、名古屋芸術大学ウインドオーケストラによる演奏会があった。(三宅梨紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性教授・准教授「増やしたい」 国立大86%が増加に前向き姿勢
教授や准教授に女性を増やしますか? 朝日新聞と河合塾が今夏行った共同調査「ひらく 日本の大学」で、教員の女性比率を高めるためのポジティブアクション(積極的是正措置)について聞いたところ、4割の大学が女性を増やすことに前向きな姿勢を示した。目立つのは国立大。86%が、前年度から増やしたか、または増やすことをめざしていた。(山本知佳) 「ひらく 日本の大学」は、朝日新聞と河合塾が共同で、2011年から全国の大学(大学院大学、通信制のみの大学はのぞく)を対象に実施しています。今年の調査は6~8月に778大学に行い、643大学(83%)から回答を得ました。 理系が多い国立大 女性教員少なく 文部科学省の2022年度の学校基本調査によると、大学教員の女性比率は26・7%。内訳は助教32・4%、講師34・0%と若手ポストで3割を超える一方、教授18・8%、学長13・9%と、上位職になるにつれ低くなっていた。 特に低いのが、国立大だ。 女性教員比率は、大学全体より約8ポイント低い19・1%。教授は11・6%、学長は4・7%だった。 国立大は、学生の42%が理工農系で学び、公私立大の理系学生の倍以上だ。理工農系は学生の女性比率が極めて低い分野であり、教員になるための女性の母数も少ない。そのため、公私立大に比べ、女性教員比率が低いとみられる。 日本の高等教育の女性教員比率は、世界的にみても低い。経済協力開発機構(OECD)のまとめによると、日本は2020年時点で30%で、比較できる38カ国中最下位だった。国立大学協会は教員の女性比率について、25年度までに学長や副学長らで20%、教授で20%、准教授で30%以上にする目標を立てている。 調査では前向きな姿勢 そんな状況の中、共同調査「ひらく 日本の大学」では、国立大の86%が、女性登用に前向きな姿勢を見せた。 教授・准教授職で、23年度… この記事は有料記事です。残り1839文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【締め切り迫る】紙面ビューアー機能も使えるプレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島県の「注文」、岡山県の狙い 赤字ローカル線「再構築協」設置へ
広島・岡山両県を走る芸備線の一部区間の存廃などを協議するため、JR西日本が国に設置を求めた「再構築協議会」について、両県と地元の2市は27日、参加の意向を表明し、国土交通省中国運輸局に回答した。 4県市は地域の声が反映されるような協議会のあり方を求めており、運輸局はこうした声を踏まえて全国初となる再構築協議会の設置作業を進める。 地元の2市は広島県庄原市と岡山県新見市。JR西が10月、赤字が深刻な備後庄原―備中神代間の68・5キロについての同協議会の設置を国に要請し、中国運輸局が4県市に意見を求めていた。 2日が回答期限だったが調整のために延長された。広島県は参加を表明する一方、「広域的な観点の議論がなされるべきだ」と庄原市だけでなく周辺の市にも協議の枠組みを広げるよう求めた。岡山県も、県と新見市の意見が十分に反映される協議体制を要望した。 再構築協議会は、赤字ローカル線の将来の議論を進めるため、法改正で10月に導入された制度。自治体側には関与する国の財政措置への期待の一方、「国やJR西のペースで廃線の議論が進む」との警戒感がある。 中国運輸局は回答を受けて「再構築協議会を組織する方向で調整を進める」とコメント。同協議会は存廃や利用促進、バスへの転換などを議論し、3年以内を目安に方針をまとめる。(黒田陸離、原口晋也) 二段構えの回答「この機を捉える」 広島県は参加の回答に際し、対象区間外の芸備線の沿線自治体の参加を求める意向を明らかにした。 県は庄原市と隣接し交流人口… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
朝日新聞社がベストワーク、審査員賞を受賞 タイポグラフィ年鑑
文字を使った優秀なデザイン作品を選ぶ「日本タイポグラフィ年鑑2024」の受賞作が27日発表された。朝日新聞社からは3作品が、部門ごとの優秀作に授与されるベストワーク賞や審査委員賞に選ばれた。 インフォグラフィック部門でベストワーク賞を受賞した「侵攻1年 耐えるウクライナ ロシアの『戦争』ぶれる大義」は2月24日に朝刊掲載。ウクライナ侵攻1年の節目に、被害状況、各国の支援、これまでの動きを地図やグラフ表現などを効果的に活用してまとめた。 オンスクリーン部門では朝日新聞デジタルに配信された2作品が受賞。ベストワーク賞の「忽然(こつぜん) 吉川友梨さんを捜しています」(https://www.asahi.com/special/kotsuzen/)は行方不明事件の現場周辺地図や目撃証言などから、当時の状況や犯人につながる事実を振り返った。 同部門で審査委員賞を受賞した「坂本龍一が残した言葉」(https://www.asahi.com/special/sakamoto-ryuichi/)は坂本さんが残した言葉とともに、社会活動にも深く関わった半生を振り返った。 このほか入選作として、インフォグラフィック部門で「東日本大震災12年」など6点が選ばれた。年鑑はデザイナーや研究者で構成する特定非営利活動法人「日本タイポグラフィ協会」が発行。2104点の応募があり、受賞・入選作は、来年4月発行予定の年鑑に収録される。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
防犯の巡回員が無断で敷地侵入・SNS投稿、双葉町で 復興相が謝罪
復興庁は27日、福島県双葉町の避難指示を解除した区域を対象とした防犯対策の巡回事業で、住民が立ち入りを拒否していた敷地内に3人の巡回員が侵入していたと発表した。このうち1人は敷地内で写真を撮影し、SNSに投稿していたという。土屋品子復興相は「町民の安全を守るはずの巡回が安心を損ない、すべての町民に深くおわびする」と謝罪した。 この巡回事業は2021年度から復興庁が進めており、委託を受けた一般社団法人が13人体制で実施している。復興庁によると、10月に1人の巡回員が立ち入り拒否の民有地に侵入していたことが発覚。別の2人も無断で侵入していたほか、計12人が民有地や公共施設でクリや山菜などを採取していたという。 復興庁は再発防止策が整うまで巡回事業を中断する方針だ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大アメフト部員逮捕、3人目 薬物譲り受けた疑い 部内でまん延か
日本大学アメリカンフットボール部の違法薬物事件で、警視庁は27日、大麻と認識しながら密売人から薬物を譲り受けたとして、3年生部員の藤津凜人容疑者(21)を麻薬特例法違反容疑で逮捕した。認否は明らかにしていない。逮捕された部員は3人目で、部内で大麻が蔓延(まんえん)していた可能性が強まった。 捜査関係者によると、藤津容疑者は今年、東京都内で2回にわたり、知人の密売人から大麻と認識しながら違法薬物を譲り受けた疑いがある。1回は無償、もう1回は有償で譲り受けたという。 日大アメフト部では、別の3年生部員(21)が寮の自室で覚醒剤成分を含む錠剤のかけらを合成麻薬と思って所持したとして、8月に麻薬取締法違反罪で起訴された。10月には、4年生部員(21)が大麻と認識しながら密売人から薬物を購入したとして麻薬特例法違反容疑で逮捕され、その後に略式起訴されて罰金30万円を納付した。 捜査関係者によると、3年生部員がX(旧ツイッター)で密売人に連絡をとり、4年生部員と現金を出し合って大麻を購入していたという。藤津容疑者の入手方法なども調べる。 日大の対応を検証する第三者委員会が10月に公表した調査報告書では、2人以外にも複数の部員が大麻を使用した可能性が指摘されていた。(福冨旅史、御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「本当の理由を知りたい」 法廷で読み上げられた京アニ遺族の思い
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判が27日、京都地裁であり、量刑を検討するための審理が始まった。検察側は、遺族らの被害感情を立証するため、計8人の供述調書や陳述書を読み上げた。 事件で亡くなった岩崎菜美さん(当時31)の父親の供述調書では、岩崎さんが中学を卒業した際に受け取った手紙に「アニメーターになりたいと書いてあった」とし、高校での美術部、美術系の専門学校を経て京アニに進んだことを「うれしかった」と振り返った。 最後に会ったのは、事件の約2カ月前の19年5月の大型連休で、岩崎さんが帰省した時だった。「映画のアニメ制作で忙しい」などと話していたといい、「あまり仕事をしすぎないように、と言ったのが最後の会話だった」とした。 事件後、遺体と対面した際は、「白かった肌は少し黒くなっていたが、すぐに菜美だと分かった」。青葉被告に対しては、「なぜこんなことをしたのか、本当の理由を知りたい」と訴えた。 人気映画の原画を手がけたア… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自発砲事件の射撃場、中指立てた隊員を訓戒処分に 訓練再開は未定
陸上自衛隊員3人が銃で撃たれて死傷する事件があった陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で、6日に訓練が再開された際、隊員が射撃場に向かう車両内から外部に向かって中指を立てる不適切な行為をした問題で、陸自第10師団(名古屋市守山区)は27日、この隊員を訓戒処分にしたと明らかにした。処分は24日付。 処分されたのは、20代の男性隊員。第10師団の幹部が27日に柴橋正直・岐阜市長と面会し、一連の経緯を説明しておわびしたという。問題を受けて陸自は訓練を再び中止しており、再開の日程は「決まっていない」としている。 射撃場では6月、自衛官候補生だった男(18)=殺人容疑などで送検=が男性隊員3人に発砲して、2人が死亡、1人が重傷を負う事件があった。(高木文子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「留守中、家族が世話と思った」 富田林女児熱中症死、同居男が説明
大阪府富田林市で2022年6月、小野優陽(ゆうは)ちゃん(当時2)が自宅のベビーサークル内で熱中症で死亡した事件で、優陽ちゃんの手足を粘着テープで縛ってサークルに閉じ込めたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた桃田貴徳被告(52)の第5回公判が27日、地裁堺支部であり、桃田被告が事件直前の行動を説明した。 被告人質問などによると、桃田被告は同年6月24日~29日、優陽ちゃんの祖母で、桃田被告と内縁関係だった小野真由美被告(47)、五男(7)と大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどを訪れ、ホテルで宿泊していた。 留守中の優陽ちゃんの世話は、同居する小野被告の四男(17)と小野被告らが連携していたと思っていたと説明。25、26日は日中に帰宅し、小野被告が優陽ちゃんの面倒をみたほか、27日も小野被告が四男に対し、同日は外泊し、優陽ちゃんを置いていくと伝えたとした。 ベビーサークルのふたについて、桃田被告は「22年5月に付けたが、すぐに取り外した」と説明。検察側が「取り調べでは『優陽ちゃんが亡くなった29日、救急隊が来るまでに外した』と供述した」と指摘すると、「何回も言ったが、そんなことないだろうと、そういう方向に決められた」と反論した。 この日は発達心理の専門家が証人として出廷した。四方に板が張られたサークルに入れられていた影響を「感覚遮断に近い状態で、意識レベルの障害や思考力、集中力の低下などにつながる」と指摘した。(前田智、井石栄司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル