京都市下京区の京都水族館で南アフリカなどに生息するケープペンギンの卵が産まれ、飼育員らが日々検査する「検卵」が始まっている。真っ暗にした部屋で卵にライトを近づけて照らすと、殻の中の網状の血管が浮き出し、神秘的な光景が生み出された。 館内で飼育、展示されているケープペンギンの卵で、10月27日に産卵された。検卵では重量の計測、胚(はい)や血管の観測、心拍の確認を行う。卵は普段は温度や湿度が維持された孵卵(ふらん)器に置かれているが、野生のペンギンが卵を数分間外気にさらす「放冷」を再現するため、検卵作業時に5分以内で外気にさらすという。 孵化(ふか)は産卵から約40日後の12月上旬ごろの予定で、それまで検卵が続けられる。同館では、親に本物そっくりの擬卵(ぎらん)を預けてから卵を取り上げていて、ペンギンの赤ちゃんが卵中からくちばしで殻を破ろうとする「嘴打(はしう)ち」が始まるとすぐに親の元に戻すという。 ペンギン展示飼育チームの小野地慧(おのちけい)さん(29)は、「検卵中は、割ってしまう怖さもありつつ、神秘的な光景に感動する。ペンギンにも恋をして、家を作って、卵を産み育てるという『人生』がある。命のサイクルにも目を向けて水族館を楽しんでもらえれば」と話していた。(金居達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【動画】新千歳空港、冬の空の安全守る2色のシャワー 散布作業公開
【動画】航空機の機体に防除雪氷液を散布する作業が公開された=松本英仁撮影 本格的な冬を前に日本航空千歳空港支店は11日、出発前の航空機の機体に付いた霜や氷を特殊な液体で取り除く作業を報道関係者に公開した。翼などに雪や氷があると十分な揚力が得られない恐れがあり、冬の安全航行に不可欠な作業だ。小雪が舞う中、高所から散布できる作業車を使った作業が公開された。 作業車から伸びるノズルから出る圧縮空気で翼や機体の雪や霜を吹き飛ばした後、2種類の「防除雪氷液」が噴霧された。今季は10月22日と24日に除雪用液が使われたが、この日はさらに機体への着氷を防ぐ液体を今季初めて噴霧した。 液体の主成分は食品添加物などに使われるアルコール系のプロピレングリコール。海外での使用例にならい、同空港など国内の主要5空港の作業では、今季から食紅でオレンジ色と緑色に着色した液体を使う。作業者が散布した範囲を確認でき、作業の効率化を図る目的だが、遠目では色の違いはあまり目立たない。 機体の大きさにもよるが、1機10~40分ほど時間がかかる。同支店では今季、作業車10台体制で臨む。(松本英仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オレンジ色のカーテン 縁起物の串柿づくり最盛期 和歌山・かつらぎ
和歌山県かつらぎ町の四郷地区で正月の縁起物として飾られる串柿づくりが最盛期を迎えている。 JA紀北かわかみ販売課によると、今年は猛暑が続き、雨が少なかったため柿の大きさがやや小さかったという。出荷は例年通り、12月中旬から京阪神を中心に全国に出荷される。 和歌山県は柿の出荷量日本一で、同地区は串柿の最大の生産地になっている。 串柿は皮をむいた柿を竹串に刺し乾燥させたもので400年以上前から作られているという。関西を中心に串柿を三種の神器の剣、鏡餅を鏡、ダイダイを勾玉(まがたま)に見立てて飾る。(小宮路勝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「どんぐりいっぱい!」 明治神宮外苑で再開発事業者がイベント
明治神宮外苑で11日、体験イベント「親子でどんぐりを拾おう」があった。明治神宮外苑の再開発事業者が外苑エリアの自然に親しんでもらおうと開催。8組24人の家族が参加し、落ち葉をかき分けながらどんぐりを見つけたり植え付けをしたりした。 神宮外苑の再開発は、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を変えて建て替えるほか、超高層ビル2棟なども新築する。計画をめぐっては、837本を植樹する一方、700本以上の高木を伐採することに対して環境破壊や景観悪化を懸念する声が広がっている。 市民参加型のまちづくりの一環として、再開発事業者(三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事)が、このイベントを企画した。 この日、イチョウ並木のそばにあるスダジイやシラカシがあるエリアでは、子どもたちが「あった~!」などと夢中になってどんぐりを拾った。自分たちでつくったどんぐりの植木鉢のほか、イチョウの苗木がお土産で渡された。 息子の湊太(そうた)ちゃん(3)、娘の美依(みい)ちゃん(1)と参加した渋谷区の高木綾美さん(35)は、外苑には散歩で訪れるといい、「親子でどんぐりを拾えて楽しく、癒やしになりました」。再開発については詳細をよく知らなかったといい、「人にも自然にもよいかたちになってほしいです」と話した。 集めたどんぐりは事業者が育成し、外苑に植樹することも検討しているという。(土舘聡一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「幻」になった富士干柿、復活に挑む大学生 名人の娘がコツ伝授
東海学院大学(岐阜県各務原市)の学生が、下呂市萩原町の特産品だった「富士干柿(ほしがき)」の復活に挑んでいる。高齢化と後継者不足で市場から姿を消してしまった干し柿。学生たちは干し柿にする伝統野菜「南飛驒富士柿」を守り、生産技術の継承をめざしている。 今月5日、管理栄養学科の「伝統野菜プロジェクトチーム」の学生4人が、同市萩原地区にある高橋恵美子さん(71)の柿畑を訪れた。南飛驒富士柿の木が約30本あり、枝にはだいだい色の果実がなっていた。 恵美子さんの父、庫吉(くらきち)さんは「干し柿づくりの名人」と言われ、地元の生産グループの代表を務めていた。6年前に他界。恵美子さんが柿畑を受け継いだが、年間7千個ほど生産していた干し柿づくりまでは手が回らないでいた。 学生たちは、恵美子さんから干し柿づくりのコツを学んだ後、柿100個余りを収穫し、大学へ持ち帰った。1個1個丁寧に皮をむき、ひもで結んだ後、煮沸とアルコールで消毒をして、学内の風通しのよい場所につるしている。 日がたつほどに水分がほどよく抜け、あめ色になり、白い粉がふくと出来上がりだ。順調にいけば約1カ月後には甘い干し柿ができるという。 干し柿は、学内のカフェ「さらまんじぇ・とーかい」で提供し、存在をアピールしていくという。恵美子さんは「富士干柿が見直され、生産してくれる人が現れてほしい」。「若い学生さんたちの感性で映えるスイーツを開発してほしい」とも話した。 かつては県の「伝統野菜」認証 数年前から「幻」に 下呂市によると、南飛驒富士… この記事は有料記事です。残り364文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Why?厚切りジェイソンさんが殿様に 姫路城へ向かう大名行列再現
12月に世界文化遺産登録から30年を迎える姫路城とその周辺で、第73回姫路お城まつりが開催されている。11日には、江戸時代の大名行列を再現した一行が、姫路城に向かって兵庫県姫路市内を歩いた。 この日はオープニングセレモニーに続き、大手前通りでパレードがあった。公募した市民による「姫路大名行列」では、江戸時代の絵図を基にした衣装と道具をそろえた。長野県飯田市から招いた「本町三丁目大名行列」の講師に所作を学んでこの日を迎えた。 「先払」「弓隊」などに続き、殿様がいる「本陣」がゆっくりと進んだ。殿様役は、世界遺産登録30周年記念のCMに出演した縁でタレントの厚切りジェイソンさんが務めた。 例年は5月に開催されるお城まつりだが、世界遺産登録30周年の今年は記念事業の秋のイベントとして11月に実施した。12日まで続き、三の丸広場で郷土芸能の披露がある。(宮沢崇志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奄美群島、日本復帰70年の式典 「結の精神に学び新しい時代を」
戦後、米軍政下に置かれた鹿児島県の奄美群島が日本に復帰して12月で70年になるのを前に、地元12市町村などが主催する記念式典が11日、奄美市であった。自治体や商工観光、学校関係者ら約千人が参加。同市の安田壮平市長は住民らによる復帰運動の歴史を踏まえ、「行動力や団結力、助け合いの『結(ゆい)の精神』に改めて学び、新しい時代を築いていく力としたい」と語った。 米軍統治で遅れた戦後復興を後押しするために設けられた時限立法をルーツとする奄美群島振興開発特別措置法は、来年3月に期限が切れる。来賓の斉藤鉄夫国土交通相は「特措法の施策を継続するため、法案の検討を進めている」と述べ、沖縄とも連携した地域振興の必要性を訴えた。 奄美群島は戦後、沖縄とともに日本本土から行政分離され、1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約の発効で日本が独立を回復した後も米軍政下に置かれた。本土との往来や物流が制限され、経済的に困窮。復帰運動が高まり、53年12月25日に日本に返還された。 群島には多種多様な固有動植物が生息し、奄美大島と徳之島の一部は2021年、沖縄県の一部とともにユネスコの世界自然遺産に登録された。(野崎健太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
明治牛乳に動物用医薬品混入の恐れ、4.5万本 大阪府が回収命令
乳業大手の明治(本社・東京)の関西工場で製造された牛乳から、食品衛生法で含まれてはいけないとされる動物用医薬品が検出されたことがわかった。府と同社が発表した。大阪府は10日付で、同社に回収命令を出した。今のところ健康被害の報告はないという。 府と同社によると、対象の牛乳は、大阪府貝塚市の関西工場で製造された「明治牛乳」約4万4500本(1瓶180ミリリットル)。賞味期限は今月13日で、西日本を中心とした2府23県の住宅や企業などに配達された。スーパーでは販売されていないという。 検出されたのは、牛や豚の感染症予防などに使われる動物用医薬品「スルファモノメトキシン」。食品衛生法で、牛乳などに含まれてはならないとされる。府岸和田保健所が6日、年間検査計画に基づいて対象の牛乳を検査したところ、微量のスルファモノメトキシンが検出された。 この成分を含む注射剤を牛に使う場合、搾乳前72時間の使用が禁じられている。同社の担当者は「適切に使用されなかった可能性が考えられる」という。「お客様にご心配をおかけし、申し訳ございません。対象商品をお召し上がりいただいても、健康を害することはございません」と話している。 問い合わせは、明治商品回収窓口(0120・233・112、午前9時~午後5時)。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
近畿で「木枯らし1号」、昨年より2日早く 冬型の気圧配置に
大阪管区気象台は11日、冬の訪れを告げる「木枯らし1号」が近畿地方で吹いた、と発表した。西高東低の冬型の気圧配置となったためで、近畿では昨年より2日早かった。 気象台によると、木枯らし1号は、10月下旬の「霜降(そうこう)」から12月下旬の「冬至」の間に、冬型の気圧配置で最初に吹く北よりの風で、最大風速8メートル以上としている。 11日午前9時までの最大瞬間風速は、滋賀県彦根市で16・1メートル、神戸市で15・9メートル、京都府舞鶴市で14・6メートル、和歌山市で11・6メートルを観測した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
絶景と落差約60mの絶壁、歴史を刻む採石跡 見えるは富士か地獄か
「これはやばい」と途中で引き返した人がいた。柵から少し身を乗り出してみる人もいれば、それを遠くから見て「やめて、やめて」と震える人もいる。 千葉県富津(ふっつ)市と鋸南(きょなん)町にまたがる鋸山(のこぎりやま、標高329メートル)。山頂近くの「地獄のぞき」は、岩場が空中に突き出ている。目の前に広がるのは東京湾とその対岸、天候がよければ富士山まで一望できる絶景。だが見下ろせば、吸いこまれそうな落差約60メートルの断崖絶壁だ。 【撮影ワンポイント】 空中に飛び出た「地獄のぞき」 せり出した岩は人気の撮影スポットだ。岩の先端で記念撮影をする人たちが次々と訪れる。切り立った岩からのせり出した様子が目立つように、太陽光に照らされる時間を狙って撮影した。かつてつながっていたとされる反対側の山の影が、狙い通り眼下の木々にくっきりと映って見えた(小林正明)。 江戸から昭和の時代まで「房州石」を切り出した鋸山は、ノコギリの歯のような稜線(りょうせん)とびょうぶのように削られた岩肌が独特な存在感を放つ。地獄のぞき周辺はかつての石切り場。この形状がなぜ残った? いや、よくぞ残った。 山道を進むと、巨大な石切り… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル