日浦統2023年8月8日 16時00分 JR北海道は7日、石北線の上川―白滝間で、停滞する前線による大雨によって線路下の盛り土が崩壊したと発表した。8日から復旧作業を始めたが、現場は山中で近くに道路もなく、復旧には1週間以上かかる見通し。札幌・旭川―網走を結ぶ特急「オホーツク」や「大雪」など同区間を通る1日12本の列車は当面運休となるため、お盆の帰省客に影響が出そうだ。 同社によると、雨の影響で6日から運休していた同線の運行再開に向けて作業員が7日朝から線路を点検したところ、午前11時ごろに崩壊を見つけた。代行バスを含めた振り替え輸送については「未定」という。 JR貨物北海道支社によると、北見産のタマネギを中心とする農産物を運ぶ臨時貨物列車(通称タマネギ列車)は毎年8月中旬から翌年4月まで同区間を含む北見―北旭川間を運行する。今季は16日から運行を始める予定だが、復旧工事が間に合わなかった場合、同支社は「農産物をトラックで輸送する必要が出てくる」と説明している。(日浦統) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「明日もがんばろう」13歳少女が遺した日記 原爆が奪った命伝える
ある少女が78年前に書いた一冊の日記帳がある。ページをめくると、原爆投下によって奪われた女の子の命の輝きがよみがえる。 13歳の森脇瑤子(ようこ)さんは憧れの女学校に通い始めたばかり。 4月に入学してから毎日、日記を書いた。 友だちのこと、学校のこと、家族のこと――。 「友だちとゲームをして遊んだ。二人でもとても面白かった」 「桃やえんどう豆があったので、いただいた。(中略)『(出征中の)お父さんたちは、こんなものは無いだろうなあ』と思って、何だか、すまないような気がした」 8月5日もいつも通り、明日を思った。 「明日から、家屋疎開の整理だ。一生懸命がんばろうと思う」 翌朝。瑤子さんは同級生と一緒に、建物を取り壊して空襲時の延焼を防ぐ「建物疎開」作業を広島市内でしていた。 午前8時15分。米軍が原爆を投下した。瑤子さんは救援のトラックで、約10キロ離れた観音村国民学校(現・広島市佐伯区)に運ばれた。全身、大やけどだった。 家族が駆けつける前の8月6日午後11時24分、息をひきとった。 両親は戦後、娘の日記帳を繰り返し見ては、涙を流した。 兄の細川浩史さん(95)は両親がこの世を去った後、瑤子さんのことを広島平和記念資料館などで伝え続けてきた。 高齢で証言が難しくなった今でも、妹の笑顔をはっきりと思い出せる。 原爆投下の約2カ月前。遠方に出掛ける自分を心配し、「神様、どうぞ、浩史兄ちゃんを、お守り下さい」と日記に書いた妹――。 「こういう子がいたことを、覚えていてもらわんといけん」 瑤子さんの命を奪われてから78年。そう願い続けてきた。(黒田陸離) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】平和公園でロシア人夫妻が追悼「長崎の経験よくわかった」
1945年8月9日、長崎に落とされた一発の原子爆弾が、7万3884人もの命を奪いました(45年末時点)。日常が一瞬で奪われた、あの日から78年。「長崎を最後の被爆地に」との願いを次の世代につなげるための平和祈念式典が今年も開かれます。台風接近のため、屋内開催となりましたが、この日が持つ意味は変わりません。8日から9日にかけての出来事を速報していきます。 14:30 爆心地公園で追悼する人々「核兵器は絶対ダメ」 原爆死没者名簿が納められている長崎市松山町の爆心地公園では、9日に訪れる予定だったという人たちが次々と訪れた。 静岡県掛川市の小学6年生鷲山結萌(ゆめ)さん(12)は両親と弟の4人で、9日の平和祈念式典に参列する予定だったが、台風の影響で8日中に静岡へ帰るという。慰霊碑に手を合わせた後、「核兵器を持つ国が増えているけど、絶対に使ったらダメ、戦争はダメだと思った。また式典を見に来たい」と話した。 父で小学校教員の智久さん(42)は「ウクライナのことで、家族でも戦争の話をすることが増えた。日本が核兵器禁止条約に批准していないのは、どんな理由があっても納得できない。政府にはぜひ条約に向き合ってほしい」と訴えた。 14:00 長崎県知事、平和祈念式典の欠席を公表 長崎県の大石賢吾知事は会見で、台風6号の接近に伴い、9日の平和祈念式典への参加を取りやめると明かした。「主催者である長崎市のみで行われるとのこと。首相や各国大使らの参列もかなわず残念。安全確保のため、苦渋の決断だったと思う」と述べた。 長崎市は9日朝から暴風域に入る見込み。大石知事は県民に対し、「外出は難しいが、一人一人の胸の中で慰霊の気持ちを表してもらいたい。それを続けることが、核なき平和の実現のために意義があることだ」と述べた。 平和祈念式典が行われる屋内会場と県庁は200メートルほどの距離。ある県幹部は「知事も本当は式典に行きたかったが、来賓の招待が見送られたので仕方ない」と語った。ビデオメッセージを送るという。 13:10 平和公園でロシア人夫妻が追悼 台風6号接近のため、長崎市の平和公園での平和祈念式典は屋内開催となったが、同公園には8日、多くの観光客や市民が訪れた。そのなかに、ロシア人夫婦の姿もあった。 モスクワ在住で、福岡市で開催中の世界マスターズ水泳選手権に絡んで来日した2人。原爆の歴史に触れようと長崎を訪れ、公園内の被爆の実相を伝える写真のパネルや平和を願う思いが記された千羽鶴の展示をゆっくり見つめ、時折、サングラスを外して頰をつたる涙をぬぐった。夫(50)は「こんなおそろしい歴史を長崎や広島は経験している。長崎にきて、よくわかった」と話した。 14:00 体験語り継ぐシンポジウム開催、40人が参加 被爆者や被爆2世が自身の体験を語り継ぐシンポジウム「ヒバクシャ―被爆の実相の次世代継承」が、長崎県勤労福祉会館(長崎市桜町)で開かれた。原水爆禁止国民会議(原水禁)の世界大会の一環として開催され、約40人が参加した。長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(83)など4人が登壇し、自身の被爆体験や、被爆2世運動の現状と課題などについて講演した。 11:00 被爆校舎利用した平和祈念館に訪問「自分の目で見たかった」 爆心地の西側約500メート… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
文化財も8・6の記憶も次世代へ 被爆体験集、修理技師の思い凝縮
広島への原爆投下から6日で78年になった。被爆体験の継承は年々難しくなっている。そんな中、奈良ゆかりの被爆者や家族たちの声を収めた冊子が完成し、好評だ。解散した被爆者団体が発行した手記集などわずかな手がかりを基に、貴重な記憶を掘り起こした。 冊子は奈良県生活協同組合連合会が発行。広島市生まれで奈良市在住の文化財修理技師・入谷方直(いりたにまさなお)さん(50)が編集委員会代表を務めた。奈良には県原爆被害者の会「わかくさの会」があり、全3巻の被爆体験の手記集を発行していたが2006年に解散。手記集全巻を原本で所蔵する図書館はなかったという。 失われていく8月6日の記憶。入谷さんは文化財の修理と同じく、継承する行動が必要と考えた。情報収集を続けては、手記集の執筆者や家族を探して話を聴き、再掲載をお願いしてきた。3章からなる冊子「奈良県のヒバクシャの声~地域で継承する被爆者の思い~」(A4判、110ページ)には、そんな渾身(こんしん)の取材成果が凝縮されている。 1章は手記集を中心に再掲載… この記事は有料記事です。残り397文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】原爆で犠牲になった韓国人悼み献花 2年前に慰霊碑建立
1945年8月9日、長崎に落とされた一発の原子爆弾が、7万3884人もの命を奪いました(45年末時点)。日常が一瞬で奪われた、あの日から78年。「長崎を最後の被爆地に」との願いを次の世代につなげるための平和祈念式典が今年も開かれます。台風接近のため、屋内開催となりましたが、この日が持つ意味は変わりません。8日から9日にかけての出来事を速報していきます。 11:00 被爆校舎利用した平和祈念館に訪問「自分の目で見たかった」 爆心地の西側約500メートルに位置する長崎市立城山小学校(旧城山国民学校)の隣には、被爆校舎を利用した平和祈念館がある。8日朝から多くの人が訪れ、当時の写真や資料を見入った。東京から訪れた介護職の佐藤翔さん(23)は、「(日本と米国の)核共有の議論がある中、原爆が投下されたら何が起こるのか、自分の目で見たいと思った」。6日には広島にも訪れ、平和記念式典に参列したという。「多くの命が奪われ、後遺症で苦しんでいる人がいることを発信していきたい」 同校では約1500人の児童のうち1400人余りが犠牲になったとされている。同校では9日、平和祈念式と原爆殉難者慰霊式が予定されていたが、台風の接近に伴い中止が決まった。祈念館も終日休館となる。 10:50 韓国人犠牲者の慰霊碑前で献花 長崎原爆資料館近くの韓国人原爆犠牲者慰霊碑の前で、原爆で犠牲になった韓国人を悼み、慰霊祭が営まれた。駐福岡韓国副総領事らが参加。参列者が献花した後、原爆が投下された午前11時2分に合わせ黙禱(もくとう)した。 碑は2021年、在日大韓民国民団などでつくる建立委員会によって建てられた。当時、長崎県内に約7万人の朝鮮半島出身者が住み、数千~1万人が原爆の犠牲になったと記されている。慰霊碑の姜成春(カンソンチュン)管理委員長(65)は「建立までに時間がかかり、犠牲者のみなさんには申し訳なかった」としつつ、「台風の影響も気がかりだったが、今年も無事に慰霊祭ができてほっとしている」と話した。 09:50 平和祈念式典に向け「献水」をくみ取り 9日の長崎原爆の日に開かれる平和祈念式典では、水を求めて亡くなった被爆者を慰霊するため、祭壇に水を捧げる「献水」がある。8日、長崎市の平和公園など市内5カ所で献水用の水をくみ取った。 本来は子どもらが行う予定だったが、台風6号の影響で市職員のみで行った。平和公園の「平和の泉」では長崎市上下水道局の職員2人がひしゃくで水をすくい、おけに収めた。一ノ瀬真理子さん(30)は「原爆で亡くなられた方の慰霊と平和の願いを込めて採水しました」と話した。 09:00 いけばな団体が作品準備、資料館の折り鶴を再利用 長崎原爆資料館(長崎市平野町)で、いけばな団体「草月流長崎県支部」が原爆犠牲者の慰霊と、平和の願いを込めた作品の展示準備をしていた。毎年「長崎原爆の日」に合わせて展示しており、今年で29回目。8日から10日まで展示する。 今年の作品は、しなやかにくねらせた竹の周りに、折り鶴と生け花を入れ込んだ。折り鶴は、原爆資料館に捧げられたものを再利用した。会員の女性は「水を求めて亡くなられた犠牲者の方々の慰霊になるよう、竹で川を、折り鶴で水をイメージしました」と話していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
黒塗り外せる「いじめ報告書」他にも、3年以上ネットで公開 熊本
森北喜久馬2023年8月8日 13時35分 いじめの調査報告書の黒塗り部分が県のホームページ(HP)上で一定の操作をすれば閲覧できる状況になっていた問題で、熊本県は7日、さらに別の報告書でも3年以上同じ状況になっていた、と発表した。 県教育委員会が県立東稜高校の報告書を2日にHP上で公開したところ問題が判明。再調査した結果、別の県立高校3年の女子生徒が2018年5月に自殺した問題をめぐる「いじめ調査報告書」(20年5月公開)でも、同じことが起こりうることが分かった。 この報告書は今月4日までに3394回閲覧された。黒塗り部分は3カ所あり、見られたかどうかは確認できないとしている。また3カ所とも、固有名詞はなかったとしている。県は4日、黒塗りが外れないように修正したうえで、遺族に謝罪した。(森北喜久馬) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「核なき世界」は理想か? 建前と本音、姜尚中さんが感じる危機感
原爆投下から78年。世界に存在する核弾頭の数は今も約1万2500発あり、ウクライナに侵攻したロシアは「核の脅し」を続けている。「核の惨禍」を経験した私たちは、核とどう向き合っていけばいいのか。政治学者で長崎県諫早市の学校法人・鎮西学院学院長の姜尚中(カンサンジュン)さん(72)に聞いた。 学院に語り継がれる「War is Hell!」 ――8月9日をどのような重みで迎えますか。 78年前、長崎市にあった鎮西学院(当時・鎮西学院中)は被爆で校舎は壊滅、教職員や学生ら140人あまりが一瞬のうちに亡くなりました。千葉胤雄(たねお)教頭が書いた日記に心打つフレーズがある。「War is Hell!」(戦争は地獄だ)。その言葉は今でも学院に語り継がれています。どんな戦争もいけない。戦争の究極の形態を体験したが故の言葉。8月9日は平和を肝に銘じる日です。 被爆した長崎の人は皆、平和が重要だと共通して認識し、70年以上にわたり毎年語り伝えてきた歴史がある。被爆体験者が減る中で記憶を伝承していくことが大切です。どんな形であれ、非戦を言い続けていく必要があります。 ――核廃絶をめぐる現在の動きをどうみますか。 ロシアとウクライナの戦争の行く末が、今後の核軍縮の方向性に大きな影を落とすかもしれません。 ロシアを戦略的に敗北させようとし、米国や西側諸国はウクライナに武器援助をしています。ただ、こうした限定された目的の戦争は現代では成り立たないのではないだろうか。 「核戦争の局面に近づきつつある」 英国の歴史家E・H・カーも著書「危機の二十年」の中で、第1次世界大戦を経験した世界はなぜ、第2次世界大戦を防げなかったのかを論じている。戦争は怪物に化ける。侵略国も被害国も支援国も制御不可能になる。私は、少しずつ核戦争の局面に近づきつつあると感じています。 ――なぜですか。 節目は「非人道兵器」と言わ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地下駐車場で一酸化炭素中毒か 作業員11人、しびれやだるさ 札幌
2023年8月8日 9時29分 8日午前1時50分ごろ、JR札幌駅に直結する商業施設の地下駐車場(札幌市中央区北5条西4丁目)で、改修工事をしていた作業員から「同僚が作業中に具合が悪くなった」と119番通報があった。男性作業員10人がしびれやだるさを訴え、病院に搬送された。また、別の1人も体調不良を訴え、帰宅後に病院を受診。いずれも命に別条は無いという。 札幌市消防局と札幌中央署によると、一酸化炭素中毒とみられる。工事で発電機を使用していたといい、署が発電機や換気設備の不具合について調べている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
台風6号、ゆっくり九州接近 激しい雨に警戒を 新幹線など一部運休
2023年8月8日 10時06分 台風6号は8日午前、鹿児島県奄美市の東北東約160キロをゆっくり北北西へ向かって進んでいる。勢力を維持しながら九州に接近し、九州南部と奄美地方では9日にかけて、西日本では10日ごろにかけて雷をともなった大雨となる恐れがあり、気象庁は厳重な警戒を呼びかけている。 8日午前8時時点で、台風の中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は40メートル。中心から半径200キロメートル以内では風速25メートル以上の暴風になっている。 JR九州は8日午後から、九州新幹線の熊本―鹿児島中央間で計画運休を実施する。JR九州によると、上りは午後1時45分鹿児島中央発の新大阪行き、下りは午前9時20分新大阪発の鹿児島中央行きを最後に、熊本駅から鹿児島中央駅の間で運転を取りやめる。博多―熊本間は通常通り運転する見込みという。 JR西日本によると、山陽新幹線は8日午前8時50分現在、通常通り運転している。9日の夜から10日午前にかけ、山陽新幹線の新大阪―博多間で計画運休を実施する可能性があるという。 航空路線では、8日に九州を発着する便で日本航空が132便、全日空が32便を欠航すると発表した(8日午前9時現在)。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
盗まれたトレカ、輪ゴムで束ねて公開したら 警察批判に被害者は…
各地で「ポケモンカード」などのトレーディングカード(トレカ)の窃盗事件が相次ぐ中、山梨県警が7月に押収品として公開したトレカがSNS上で物議を醸している。 公開時に一部のカードが輪ゴムで束ねられていたことから、愛好家たちから「価値が下がる」との指摘が相次いだ。事件の被害者は県警の対応は問題がないとしているが、希少価値があるトレカをめぐる捜査には「壁」があるようだ。 発端は7月4日。県警は、同県富士吉田市内のトレカ専門店から1万枚を超えるカードを盗み出したとして逮捕していた20代の男を、埼玉県草加市内にある店舗からも同様に約80枚を盗んだとして再逮捕した。 合わせて男の自宅などから押収した大量のカードを富士吉田署内に陳列し、報道陣に公開した。多くのカードが輪ゴムで束ねられた状態で机の上に積み上げられ、一部はガラスケースに納められていた。 このニュースが報じられると、SNS上では輪ゴムで束ねられたカードについて「痕が付くから返還されても価値がだだ下がり」「(輪ゴムでついた)傷の分の損害賠償って誰が払うのか気になる」などといった声があった。 東京・秋葉原にあるトレカ専門店の店長は「コレクターはカードを輪ゴムで束ねることはせず、ケースに入れて保管する」と話す。 輪ゴムで束ねたことでカードがへこむなどして傷がつくと、買い取り価格は下がる。傷の程度によるが、本来3万円の価値があったカードが1万円台に下がる場合もあるという。 なぜ、県警はカードを束ねたのか。 警察の公開方法に対し、SNS上で生じた物議。肝心の県警と被害者の考えを聞きたくて、取材を申し込みました。 「たたかないでほしい」 実は県警も、束ねることで価… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル