鈴木優香2023年6月4日 12時09分 福岡市東区で男性が刺されて死亡した事件で、福岡県警は4日、福岡県春日市白水池2丁目の自称会社員白水義人容疑者(43)ら4人を殺人容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 逮捕されたのは白水容疑者のほか、同県那珂川市片縄6丁目、自営業国広康平(36)、福岡市博多区金の隈3丁目、無職岩橋龍一(42)、同市中央区草香江2丁目、自称風俗店経営大川拓也(40)の3容疑者。 捜査1課によると、白水容疑者らは、3日午前0時45分ごろ、福岡市東区塩浜1丁目の路上で、同区和白5丁目の職業不詳諫山竜弥さん(43)の太ももを刃物のようなもので刺すなどして殺害した疑い。諫山さんの死因は失血死だった。 諫山さんが現場付近の飲食店で酒を飲んでいたところ、白水容疑者らが現れ、路上で刺されたという。同課は諫山さんとの間に以前から何らかのトラブルがあったとみて捜査している。(鈴木優香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
木彫り熊でまちの魅力発信 北海道八雲の司法書士がイベント企画
静かなブームとなっている北海道の「木彫り熊」。スイスの土産品を手本に木彫り熊が作られるようになって約100年がたつ北海道南部の八雲町で6月10~22日、住民有志によるイベント「クマまつり」が開かれる。時代を超えて受け継がれてきた木彫り熊があちこちで見られるほか、熊彫り体験、トークショーなど、プログラムは多彩だ。 函館市から北に約65キロ離れた八雲町。八雲での木彫り熊づくりは、ここで農場を開いていた尾張徳川家の19代当主徳川義親(よしちか)がスイスで求めた木彫り熊を伝えたのがはじまりだ。土産品の側面だけでなく、昭和期には作家性の強い柴崎重行や茂木多喜治といった作り手が輩出した。 今回のまつりの運営の中心を担うのは青沼千鶴さん(43)。司法書士をしながら、2021年から木彫り熊の魅力を発信するギャラリー「kodamado(コダマド)」を開いている。クマまつりは年2回開催してきて今回で5回目。 函館市の隣の七飯(ななえ)町で育った青沼さんは09年、夫の仕事の関係で八雲に移り住んだ。まちを盛り上げようと、野外でろうそくをともして音楽や食べ物を楽しむ「キャンドルナイト」などのイベントを有志と開いてきた。 移住当時から木彫り熊に夢中だったわけではない。イベントを一緒にやってきた有志と5年前、町内の築100年以上の空き店舗をリノベーションして、日替わりで食べ物を出す店を開いた。空き店舗には柴崎の作品など十数体が置かれたままになっていた。「こんな素晴らしいものを埋もれさせてはならない」。所有者から保管を託され、同じような木彫り熊を集めはじめた。 青沼さんは20年にスイスを旅し、義親が木彫り熊を購入したとされる店を訪れた。「木彫りのまち」を打ち出したまちづくりに感銘を受けた。 「八雲に受け継がれた木彫り熊の魅力を、町の力にしたい」 kodamadoを開き、木彫り熊をテーマにした「クマまつり」を始めた。活動はだんだんと町内に知れ渡り、「うちの熊も飾るかい」と言ってくれる町民や、木彫り熊をモチーフにしたお菓子を開発する店も出てきた。 今回のまつりでは「まちで探すウチのクマ展」と題し、家庭で大事にされてきた木彫り熊を各所で展示する。有名作家だけでなく、町民が趣味で彫り続けたものもあり、八雲に根付いた文化そのものを感じられる企画だ。 そのほか徳川義親ゆかりの旧徳川公園を巡るツアー、町木彫り熊資料館の大谷茂之学芸員のギャラリートーク、木彫り熊作家の小熊秀雄さんのワークショップなど盛りだくさんだ。 詳しくはkodamadoのホームページ(https://kodamado.com/)で見られる。(野田一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「昔のままで」乗り物代は今も10円 日本一懐かしい遊園地の魅力
キャッチコピーは「にっぽんいち なつかしい ゆうえんち」。ジェットコースターや観覧車はない。園内はサッカーコートよりも少し大きいくらいの広さで、メリーゴーラウンドなど大型遊具8基と、前後に揺れる車など小型遊具16台があるだけ。それでも70年近く群馬県民に愛されているのが、前橋市中央児童遊園「るなぱあく」だ。 オープンは1954年。愛称の「るなぱあく」は前橋市出身の詩人萩原朔太郎の詩で「遊園地」に「るなぱあく」とルビが振られていたことからきている。2004年に公募で決まった。 土曜日の5月27日、るなぱあくを歩いた。園内は子どもたちであふれ、列を作っている遊具もあった。 前橋市の主婦青柳貴美子さん(68)は夫、娘、孫と4人で来た。生後8カ月の孫は初めての遊園地で、豆汽車やメリーゴーラウンドに乗った。園のそばで育った貴美子さんは「家族でも幼稚園でも来ましたね。全部で何回来たか分からない。豆自動車が好きでね、普段できない運転をして壁にぶつかったこともあった。広くも高くもならないまま、昔のままを受け継いでもらいたいね」。 神保進さん(61)も娘と孫と来た。「昔は高台に観覧車があって、ツキノワグマもいましたよ」。3歳の孫と手をつなぎ、孫の歩幅でゆっくり歩いていた。 昔ながらのレトロな雰囲気とともに、るなぱあくの大きな魅力は乗り物代の安さだ。小型遊具は開園当初からずっと10円。国の登録有形文化財の電動木馬も10円で乗れる。車型の乗り物を運転する豆自動車や、回転しながら上がっていく飛行機の乗り物などの大型は50円。スピードの出る乗り物もなく、小学生だけでも安心して遊べる。 市内の小学校に通う5年生5人は、親に送迎してもらい、子どもだけで遊んでいた。「大きい乗り物はないけど、ここならみんなですぐ来られるから」 渋川市の柴田深里さんと大崎瑞穂さんは、サッカークラブ仲間で小学1年生の息子2人を連れてきた。入園直後から夕方までで、子どもたちは20~30回乗り物に乗ったという。「安いし、子どもだけで遊ばせても心配ないのがいいところ」。子どもらはあちこち走りまわるが、狭い園内ではすぐに見つかった。 どんな人が働いているのか気になった。園によると、学生や元教師などだという。 稲村庸介さん(71)は元競輪選手だ。45歳で引退し、15年ほど前から働いている。「子どもがすごく好きって訳じゃないけど、嫌いじゃないみたいね」。元々口下手だったというが、働き出してからは妻に「ずいぶんしゃべるようになったね」と言われた。40度近くなる前橋の夏は耐えがたいが、「夏を越えてもう1年、もう1年って毎年ね」。もうしばらくは働き続けるつもりだという。 疲れた心、いやしてくれた 記者がるなぱあくに初めて行… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教員不足、中学講師が小学校担任に 「臨時免許」頼る学校
教員不足が深刻化する中、正規の教員免許状を持たずに「臨時免許状」(臨免)で教える教員が増えている。正規免許を持つ人を確保できない場合に限り、3年の期限付きで発行されるものだが、経験の乏しい分野で教えるケースが多く、子どもの学びへの影響が指摘される。 福岡県内の女性は数年前から、小学校の特別支援学級の担任を務める。主に知的障害や情緒障害を持つ児童を教える。持っているのは、中学校のある教科の教員免許だけ。そのことは、子どもや保護者はもちろん、同僚の先生たちもほとんど知らない。 女性は20年ほど前、中学校… この記事は有料記事です。残り1629文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
常連客から「孫の結婚資金で…」特殊詐欺? 被害防いだ郵便局員
高井里佳子2023年6月4日 10時15分 高齢者を狙った特殊詐欺を大阪東生野郵便局(大阪市生野区)の局員2人が防いだとして、大阪府警生野署は2日、郵便局に感謝状を贈った。 署などによると、5月中旬、常連客の80代女性が「孫の結婚資金として300万円を引き出したい」と郵便局を訪れた。窓口担当の柴田義詔(よしのり)さん(50)は、これまでにない高額な引き出しだったため、上司の清水誠さん(53)に相談。署へ通報した。 署員が話を聞くと、女性は郵便局を訪れる前、孫をかたる人物から電話がかかってきたという。署が女性の家族に電話をすると、うその電話だったことが判明。特殊詐欺の可能性が高いという。 府警によると、府内の今年の特殊詐欺の認知件数は、5月末現在で約1200件。約14億円の被害が確認され、前年同期を上回るペースという。 柴田さんは感謝状を贈られ、「おかしいと思ったら、家族に電話するようお客さんに頼むなど、一歩踏み込んで対応することが大事だと感じた」と話した。(高井里佳子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鎌倉の観光客がV字回復 大河ドラマ効果? ゆかりの地に多くの人
芳垣文子 足立朋子2023年6月4日 10時45分 【神奈川】鎌倉市は5月31日、2022年に訪れた観光客数は延べ1196万人で、前年から82%増えたと発表した。22年10月に個人の外国人旅行客の受け入れが解禁されるなど回復に向かい、調査しているすべての施設で前年を上回った。 主な観光地では鶴岡八幡宮586万2567人(前年比206・6%)▽各寺社368万8120人(同185・2%)▽鎌倉海岸125万5804人(同125・1%)▽銭洗弁財天51万7752人(同166・1%)など。 市観光課は、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が昨年放映され、鶴岡八幡宮の境内に設置された大河ドラマ館をはじめ、関連施設やゆかりの地に多くの人が足を運んだとみている。 鎌倉市の観光客はコロナ禍前の2019年以前は毎年2千万人前後が訪れていたが、21年は市が統計を取り始めてから最少の656万人まで落ち込んでいた。 ◇ 藤沢市も昨年の観光客数は約1700万人で、コロナ禍前(2019年の1929万人)の水準には戻らなかったものの、前年比で27・3%増加したと発表した。 宿泊費や飲食代などを合計した消費額ベースでは約779億円(前年比29・1%増)だった。最も伸びたのが7~9月で、海水浴場が通常通りの期間、開設できたことや、江の島頂上部にある庭園「サムエル・コッキング苑」をリニューアルし、入場者数が過去最多の99・7万人を記録したことなどが要因とみている。(芳垣文子、足立朋子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
はだしのゲン連載開始50年 見守った妻「怖くて読み通せなくても」
漫画「はだしのゲン」が4日、連載開始から50年を迎えた。国内外で読み継がれてきたが、広島市教育委員会の平和教材からの削除が報じられると、文庫版の「ゲン」の売り上げが10倍になるなど、改めて作品への関心が高まっている。 「ゲン」は広島で被爆した主人公の少年中岡元が、原爆孤児の仲間らとたくましく生き抜く物語。「週刊少年ジャンプ」(集英社)の1973年6月4日号から連載が始まった。汐文(ちょうぶん)社が75年から単行本を順次出版するとロングセラーとなった。 今年2月、広島市教委が市立小中高校向けの平和教材を改訂し、「ゲン」の場面引用を含めた複数の箇所を「被爆の実相に迫りにくい」などとして別の教材に差し替える方針が報じられた(その後、実際に差し替え)。反対の意見も根強い一方、2~3月は中公文庫版の1巻の全国書店での販売数が通常の月の約10倍になり、重版も決まった。 ◇ 妻ミサヨさん「つらかったと思う」 作品への関心が高まる中、作者の故中沢啓治さんの妻ミサヨさん(80)に、「ゲン」を制作中の中沢さんの様子や思いを聞いた。 「ゲン」を執筆中、カリカリと音を立てていたペンが、ふっと止まったことがあります。ゲンの弟と姉、父親が原爆で家の下敷きになり、焼け死ぬ場面です。 「ゲン」は夫の実体験を基にした作品で、自分の弟と姉、父親が家の下敷きになって焼け死んでいます。「描きたくない。でも、原爆の被害を残したい」という思いがあるから、身内の死も描かなくちゃいけない。それがつらかったんだと思います。 作品のテーマは「生きること」。どんなに苦しくても、もう一度……という。作品中に「麦は踏まれても踏まれても強くなる」っていう話が出てくるでしょう。父親から繰り返し聞いて育ったそうです。 「人類にとって最高の宝は平和」。夫がよく言っていたこの言葉を、墓石に刻みました。命は一生に一度しかないのに、戦争で殺されたらたまったもんじゃない。とにかく平和であってほしい。それが夫の願いなんです。 「子どものころ、被爆直後の場面が怖くて読み通せなかった」という感想をよくいただくんです。それでもいいと思っています。大人になって、もう一度手にとってみて、原爆がなぜ落とされたのか、どんなことがあったのか、考えるきっかけにしてほしいです。(興野優平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「新入生になりました」清掃業パート49歳、この春くぐった中学の門
学校に行けなくなったのは中学2年のことだった。下駄箱の靴がなくなっていた。イスに画びょうが置かれていた。ほとんど登校しないまま、中学校を卒業した。あれから30年あまり。もうすぐ50歳になる女性はこの春、新入生になった。 十分な教育を受けられないまま、中学校を卒業せざるをえなかった人たちがいます。「形式卒業者」とも呼ばれる、そうした人たちの学び直しの場が、新しい夜間中学校として広がっています。 静岡県内初の公立夜間中学校「ふじのくに中学校」の磐田本校と三島教室が今春、開校した。10~70代の14人が入学し、新たな一歩を踏み出した。 「緊張もあるけど、学校に通えるという期待感で胸がいっぱい」 三島教室に通う佐野初美さん(49)=伊豆の国市=は、そう声を弾ませる。 佐野さんは中学生の頃、不登校を経験し、勉強し直す場所を探していた。 中学2年の春。すし職人だった父の仕事の都合で三重県名張市に引っ越した。公立校に転校したが、次第に授業についていけなくなった。 「学歴がない、という後ろめたさを補いたかった」 県外からの転校生として目に付いたからか、次第にげた箱の靴を隠されたり、椅子に画びょうを置かれたりするいじめを受けるようにもなった。次第に学校に行けなくなった。 職人気質だった父は「手に職… この記事は有料記事です。残り1495文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
理想の授業・宿題、実現に必要な改革は 平尾剛さんのコメントプラス
「宿題の見直しには私も賛成です。暗記しているかどうかを確認するだけの宿題が、考える力を育むとは思えないからです」 連載「宿題が終わらない」(全6回)の第2回として、5月25日に配信された記事「その宿題、意味ありますか? 心理学者が問う『質』と親世代との違い」に、スポーツ教育学者で元ラグビー日本代表の平尾剛さんは、こうコメントした。 記事では、意味のある宿題とはどんなものかを研究している東京学芸大学特任講師の太田絵梨子さん(教育心理学)がインタビューに答える形で、宿題の「量」だけでなく「質」にも目を向けるべきだと問題提起。「意味のない宿題を出すぐらいなら、やめたほうがいい」とし、具体例として、意味を理解しないままひたすら暗記させる宿題を挙げた。先行研究でも、取り組んだ量と成績の相関関係ははっきりしないと指摘した上で、全員一律に同じ宿題をしなければならないという社会通念は取り払うべきだと訴えた。 同様に暗記目的の宿題を疑問視した平尾さんは、「そもそも興味や関心があれば自(おの)ずと記憶するもの」だとして、「いかに興味を持てるかに主題をおき、時間をかけて授業をしたうえで宿題を出すのが理想」と提案。量より質を重視する姿勢を、教育現場に求めた。 一方で、自身が訴える理想は、時間的にも精神的にも先生に余裕がなければ実現できないとも指摘。多忙な現状を踏まえ、まずは業務を精査して減らし、授業の準備をしたり子どものことを考えたりするための余裕を先生が持てるようにすべきだとの考えを示した。その上で、こうコメントを締めくくった。「教育改革をするならまずはここから始めなければならないと私は思います」 この記事や、平尾さんのコメント全文はこちらから(http://t.asahi.com/wmy3)。同じ記事には、ワーク・ライフバランス社長の小室淑恵さんらもコメントしています。あわせてご覧ください。 ◇ コメントプラス(https://www.asahi.com/comment/)は、専門家らが記事にコメントを投稿し、新たな視点や考えるヒントを提供する朝日新聞デジタルの機能です。総勢150人以上の多彩な顔ぶれのコメンテーターが、日々配信されるニュースの世界を広げます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大雨で病院がひざ下ほどの深さまで浸水、一時孤立状態に 愛知・豊川
有料記事 戸村登 良永うめか2023年6月3日 21時00分 【動画】大雨で病院がひざ下ほどの深さまで浸水、一時孤立状態に=総合青山病院提供 愛知県豊橋市では、水没した車両から2日夜に男性が救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。豊橋署によると、男性は同市江島町の会社員、朝倉泰嗣さん(61)。市によると、別の救助要請で出動していた救助隊が水没した車両を発見したという。 同県豊川市の「総合青山病院」は、周囲が冠水し、一時的に孤立状態となった。病院によると、2日午後9時半ごろから雨水が院内に入り込み、一時はひざ下ほどの深さまで浸水。冠水した道路から避難した20人余りも院内に受け入れ、患者など約200人が一時、病院から出られない状況になったという。 病院側は患者らに非常食を提供。避難者たちには売店のカップ麺やパンなどを渡したという。 冠水した道路で、2時間ほど… この記事は有料記事です。残り234文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル