ニュース

100年耐えたれんが壁 昔は工場、今は「一度は行ってみたい…」

有料記事文・写真、新井義顕2022年10月8日 15時00分 暖炉のようなれんが壁の先には、子どもたちのわくわくが詰まった絵本がいっぱい。おばあちゃんの昔話が聞こえてきそうな懐かしい空間へ、いざ。 赤れんがが敷き詰められた中庭。それを囲う四方の壁もまた、百年の時を経た赤れんがだ。所々が欠け、変色もしているが、圧倒的な質量を感じさせる。異国の古城を思わせる雰囲気を持つ建物は、兵庫県洲本市にある市立洲本図書館。「一度は行きたい図書館」として名が挙がることも多い。記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。10月16日(日)締め切り 元は鐘紡洲本工場の第2工場…この記事は有料記事です。残り1120文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

発達障害「高学歴」でもつまずく就職の壁 とがった人材、生かす試み

 千葉県に住むケンゴさん(33)=仮名=は、2012年9月に早稲田大学法学部を卒業した。翌年4月に自治体の職員として就職したが、新しい環境になじめず適応障害を発症。仕事を始めて2週間ほどで休職した後も体調は戻らず、そのまま退職した。 発達障害だと診断されたのは13年11月。主治医から勧められた検査を受けた結果、発達障害の一つで、コミュニケーションなどに困難がある自閉スペクトラム症だとわかった。 思い返すと、勉強で困った記憶はないが、小さいときから周囲との人間関係を築くのが得意ではなかった。ほかにも、物事をネガティブに捉えやすい「認知のゆがみ」があったり、身体に疲れを感じやすかったりする特性があることもわかった。 「発達障害だとわかって驚きもあったけど、過去の経験を思い返して納得できたところもあった」 退職後は、外出する機会は通院か図書館に行くぐらい。再就職したい思いはあったが、負荷が高い仕事では体調が持つかわからない。次の一歩を踏み出せないまま7年近くが過ぎた。最先端スキルの学習、専門家がサポート 大きな転機になったのが、就…この記事は有料記事です。残り1547文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

2位はだめですか? 「下位」は嫌、でも2番手に誇りを感じる地元愛

 世間にあふれる様々なランキング。どの店もトップを目指すと思いきや、あえて2番手をうたい、営業する店もある。なぜナンバー2? そこには今年も8日に発表される「都道府県魅力度ランキング」で、上位にも下位にも入らない住民の複雑な思いがある。 山梨県富士吉田市にあるパン屋「カトパン」。生クリームをふんだんに使った食パンが自慢の商品だ。移動販売を中心に、工場の自動販売機でも販売している。棚に並んでいる商品の包装には「県内で2番目に美味(おい)しい食パンです」とのラベルが貼ってある。 店主の加藤勝二さん(57)が理由を説明してくれた。「それはね、2番目って言われると印象に残るからよ。昔、市内のガソリンスタンドに『県内で2番目に安い』って書いてあってね。ずっと1番ってどこズラって、気になってしょうがなかったズラ」「甲斐の国」でも下位は嫌 2年半前、自販機での販売を始めた時、「2番目」の字面が放つ強いインパクトから、パンの宣伝に生かすことにしたという。 ブランド総合研究所(東京)…この記事は有料記事です。残り1044文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

議会で異議を唱えず、賛成したら不正? 裁判例からみる加重収賄罪

有料記事浪間新太、堀之内健史2022年10月8日 13時00分 全会一致で可決された議案に異議を唱えず賛成したことは不正とみなされ、収賄罪より法定刑が重い加重収賄罪が適用されるか――。奈良県御所市発注の火葬場の新設工事を巡り、大阪地検特捜部は11日にも、加重収賄の疑いで逮捕した市議の小松久展(ひさのぶ)容疑者(70)らの刑事処分を決める。 加重収賄罪は、公務員が収賄を犯し、さらに不正な行為をしたり、行うべき職務を行わなかったりした場合に成立する。法定刑は「1年以上の懲役」。単純収賄罪などの「5年以下の懲役」よりも厳しい。 小松容疑者らの逮捕容疑は、火葬場の新設工事について受注調整が行われたことを知りながら、市議会に提案された関連議案に異議を唱えず賛成し、見返りに計7500万円の賄賂を受け取ったというものだ。 市議会では2020年7月の定例会で、火葬場工事の関連議案が審議された。議会事務局によると、小松容疑者は当時、議会の日程調整などを管理する議会運営委員会の委員長だった。議運と全員協議会を経て、本会議に提出された議案は全会一致で可決された。 異論が出ずに議案が成立することは珍しくない。 ただ、検察関係者は「市議は…この記事は有料記事です。残り479文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

市庁舎を計画停電したら…ワクチン200人分廃棄 冷蔵庫の電源切れ

 愛知県半田市が庁舎内の設備点検に伴って計画停電をしたところ、新型コロナウイルスのワクチンを保管していた冷蔵庫も電源が切れ、廃棄する事態となった。 市によると、廃棄されるのは9月下旬に仕入れたノババックス社製のワクチン20本で200人分。今月22日からの集団接種に備え、専用の冷蔵庫内で決められた温度(2~8度)で保管していた。 市は1日午前5時、年1回の設備点検のために予定通り計画停電を実施。冷蔵庫の電源も切れた。復旧後に自動通電する仕様ではなく、5日に職員が気付いた際には庫内の温度は室温に近かったという。 計画停電について事前に案内はあったが、担当課は冷蔵庫に気が回らなかったという。ほかの自治体から調達して集団接種への影響はないが、担当者は「盲点でした。今後は注意していくとしか……」。(嶋田圭一郎)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

なごんだ子どもたちは笑った 交通安全の大切さ、教えた「恐竜」

 3頭の「恐竜」と一緒に交通ルールを学ぶ――。北海道旭川市の道警旭川方面本部交通機動隊は6日、認定こども園の園児たちを対象にそんな催しを開いた。 きっかけとなったのが、先月に奈井江町で開かれたティラノサウルスの着ぐるみを着て走るレース。警察幹部が「交通安全教室ができないか」と、レースに出場したあさひかわ乗馬クラブ(旭川市)に協力を打診して実現した。 催しには、旭川市にある西神楽宮前こども園の年長園児7人が招かれた。乗馬クラブのメンバーが扮した着ぐるみの恐竜3頭が登場すると、園児たちは初めのうちは引率の先生に抱きついて怖がっていた。 恐竜たちは交通マナーどおり…この記事は有料記事です。残り258文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

夫婦別姓、質問変えたら賛成派「激減」 政府世論調査を研究者が検証

 世論調査で政府の手法にならい、回答者に選んでもらう意見の内容や並び方を変えると、選択的夫婦別姓制度への賛成派が減ることが、社会心理学者の実験でわかった。 直近の政府調査では賛成派の割合が「過去最低」だったが、実際に世論が変化したとはいえないことを確かめたという。 政府の世論調査では夫婦別姓制度に関し、導入への賛成や反対など三つの意見が選択肢として用意され、回答者は賛同するものを一つ選ぶ。 前回2017年に「賛成派」は42・5%だったが、昨年末からあった直近の調査では28・9%になった。 ただ直近の調査は、選択肢として用意された意見の細かい内容や並び順などが、それまでとは異なっていた。 17年までの調査(旧版)では、賛成派に向けた選択肢は「夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望している場合には、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない」だったが、直近の調査(新版)では「選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい」になった。 また、旧版ではこの選択肢が三つのうち2番目に置かれたが、新版では3番目に回った。旧版では対面の調査だったが、新版では書類の郵送調査になるという変更もあった。 専門家から「調査には連続性がなく、結果を比較できない」との指摘が出ていた。 こうした違いで、結果はどれだけ変わるのか。 香港城市大の小林哲郎准教授…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

【写真】金魚売り、チンドン屋、タイピスト 懐かしの昭和の職業

朝日新聞写真館 昭和の職業の中には、懐かしさを感じるものが少なくない。 軽やかな太鼓や鉦(かね)、三味線の音色が遠くからだんだん近づいてくる。聞きつけた子どもたちはワクワクしながらずっと追いかけていったのだろう。 小さな町でも、映画館に掲げられた看板はどれも大きくてリアルで驚きがあった。看板を見て次に見る映画を決めた人も多かったのではないだろうか。 金魚売りは季節を商い、タイピストは情報と人々の心を伝えた。車掌が乗っていた昭和のバスは優しかった。 今でも富山県ではチンドンコンクールが開かれている。     ◇ 朝日新聞に初めて写真が掲載されたのは1904(明治37)年。日露戦争の戦場からの1枚でした。それから1世紀以上にわたり、人々の暮らしや時代の移り変わりを記録した所蔵写真から、テーマ別に紹介します。◆写真利用のお問い合わせは、朝日新聞フォトアーカイブ(https://photoarchives.asahi.com/ メールshashin@asahi.com)へ。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

元消防職員〝サムライ〟社長 めざすは「農業をカッコよく」

カンサイのカイシャ ここがオモロイ! きつい、汚い、危険の「3K」のイメージもある農業。高齢化や担い手不足も深刻です。そんななか、京都の伝統野菜、九条ネギを栽培する「ロックファーム京都」が掲げるのは、「農業をカッコよく」。社長は、元消防職員の若手農業者。常識にとらわれず、ネガティブなイメージを吹き飛ばします。 京都府南部、久御山町の事務所。目の前の畑で九条ネギが育ち、作業所ではネギの出荷作業が続く。 社長の村田翔一さん(36)の実家は農家だが、専業ではなかった。学生時代は、サーフィンに夢中になった。大学卒業後は、特にやりたいことも見つからず、地元で消防職員に。休みの日には、家業を手伝った。 経験を重ねるうちに、栽培技術が向上。手を掛けただけ成果が出ることにやりがいを感じた。畑のことや作物のことを販売先に話すのも得意だった。農業への気持ちが強まったが、公務員を辞めてとなるとリスクは大きい。迷っていたとき、2017年に参加したのが、全国の若手農業者が集う「次世代農業サミット」。先駆者たちは、売上額のケタも違い、見ている方向が違った。カルチャーショックを受け、自分もこうなりたいと、気持ちが固まった。約10年勤めた消防を辞め、18年春から農業一本で走り出した。 ただ、初年度は、張り切りす…この記事は有料記事です。残り1435文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

金の音色導く優しいタクト 福岡工業大初の女性常任指揮者、全国へ

【動画】練習に励む福岡工業大吹奏楽団の学生たち=倉富竜太撮影 福岡工業大学(福岡市東区)の吹奏楽団の松井裕子さん(49)は1963年創部の歴史ある楽団で初の女性常任指揮者となった。3回目のタクトとなる今年の全日本吹奏楽コンクールでは、目指してきた「包み込むような優しい音色」で初めての金賞を目指す。 「ちょっと、リズムがおかしいわね」。福岡工業大学のホールに松井さんの声が響いた。スネアドラムのリズムが乱れ、松井さんの指導で何度か練習し、修正した。 福岡工業大の吹奏楽団は団員49人(女性21人、男性28人)で、大半が「スポーツ・芸術有能者選抜」入試で楽器の実技試験を突破してきた。平日の練習は講義が終わった後に3時間、コンクール前は6時間に及ぶこともある。 プロのクラリネット奏者でもある松井さんは2018年11月、この楽団の常任指揮者になった。 翌19年、全日本吹奏楽コンクールの全国大会に導くと、20年の中止を挟んだ21年に続き、今年も全国出場を決めた。だが松井さんは「伝統ある楽団で大学生ということもあり、学生たちに基本的な練習は任せている」と謙虚だ。 体が大きな男性の方が迫力ある音を響かせることができる、とも感じる。それでも優しく繊細にタクトを振ることで「包み込むような優しい音を引き出すことができるような気もするんです」と松井さん。「結局は、私が学生たちにどのような音楽を求めるかで、出てくる音楽が決まる。それを練習の時に言葉や表現で求め、学生がそれについてきてくれている」 「包み込むような優しい音」…この記事は有料記事です。残り803文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 - 朝日新聞デジタル